産油国やNATO加盟国等の外相16人はじめ3000人以上が参加し、2022年10月12日からモスクワで開催された「ロシアエネルギー週間」の演説で、プーチン大統領は、強烈な欧米・NATO批判を繰り広げた。
プーチン大統領は、ロシアから欧州向けの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」を「誰が破壊したか」に関して、「攻撃して得をするのはポーランドと米国だ」と、具体的に国名を名指ししたのだ。
さらに、「欧州は対露制裁の結果、高価な米国のLNGを買わざるを得なくなり、電気代やガス代が3倍以上になる等、自分の首をしめている、自業自得である」と断じた。欧州の貿易赤字拡大も、彼ら自身の対露制裁の結果だと指摘したのである。
しかも、西側による対露制裁がエネルギーや食糧の高騰を招き、最貧国に皺寄せされていると批判。西側が次の制裁の一手とする「ロシア産石油への上限価格設定」も、一層「エネルギー資源の不足と高騰を深刻化し、最貧国を襲う」と批判した。
他方で、プーチン大統領は、ロシアは欧州に天然ガスを供給する用意があり、「ボールは欧州にある」とした。ロシア産石油も、「上限価格」の導入国以外には、安定供給すると表明した。
プーチン大統領の呼びかけと呼応するように、欧州の国民も米国・NATO追従一辺倒から脱し始めているようだ。ドイツではエネルギー安全保障に関して、ショルツ政権を批判する大規模デモを右派が実施した。
日本にとって、こうした欧州の動きは決して他人事ではないが、日本のマスメディアはこれらの動きを一切報じない。
米国の戦略に、日本政府もマスメディアも、唯々諾々と従い、米国・NATO・ウクライナに好都合なプロパガンダを流すだけで、それに反対する欧州市民の声や動きは報じない。もはや日本のメディア状況は「大本営発表」状態に陥っている。
しかし、このまま日本が米国に盲従し、ひたすら対露制裁を続けていけば、日本のエネルギー安全保障が危うくなるのは確実である。
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