2022年10月7日(金)午後6時から、東京・参議院議員会館にて、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会が主催する院内講演会「自民党と統一協会の改憲論について」が開催された。
名古屋学院大学教授(憲法学)の飯島滋明氏、日本体育大学教授(憲法学)の清水雅彦氏が、講師として登壇した。
第二次世界大戦中のフランスはナチス・ドイツに占領される。ナチスの傀儡政権であるヴィシー政権時(1940~1944)、フランス共和国はフランス国と改称され、対独協調のために、民主主義よりも権威主義的な政策がとられることになる。その際、フランス革命以来の「自由・平等・博愛」の精神がゆがめられたエピソードを、飯島教授は次のように紹介した。
「ヴィシー政権下で造られた硬貨って、どうなっているかといいますと、順番わざと変えますけど『祖国・労働・家族』なんですよ。何を言いたいかといいますと、全体主義国家にとって、家族って非常に使い勝手がいいんですよね。権力者にとって、支配の道具として、非常に使い勝手がいい」
新自由主義は、基本的に自助と共助を前面に出し、公助としての社会的セーフティネットを弱体化させる政策に特徴がある。社会ではなく、家族が、個人を支えるものとして重要視される。2012年4月に、自民党が発表した日本国憲法改正草案の家族規定を、清水教授が解説した。
「特に24条の改憲案ですが、復古主義的な家族を重視するという点で、改憲論が復活してきた。フランス革命などの市民革命後は、近代という風に言いますが、近代は、公と私、法と道徳を分けて、お上は私的領域に入っちゃいけない、基本的には入るな、としたわけです。家族っていうのは、これは私的領域ですから、お上から家族について、とやかく言われる筋合いはないのに、家族は互いに助け合えって言うんですよね」
自民党と統一教会との改憲論の類似性について飯島教授は、「もし反社会的な集団である統一教会から、自民党が影響や支援をうけているのなら、改憲など論外であり、自民党に統一教会との関係をしっかりと調査させて、説明をさせるべきです」と訴えた。
一方、清水教授は、「自民党改憲案に対する統一教会の影響ですけれど、自民党と統一教会の目指す方向性は、全く同じというわけではないと思います。自民党は天皇を頂点とした国家体制にあこがれている。統一教会は文鮮明が絶対的な存在としているわけで、両者はやはり違うわけです。けれども一致する部分も多々ある。お互い利用価値があると考えてきたと思います」との見解を述べた。
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