2022年9月30日、午後2時30分より、神奈川県横浜市の杉田劇場ホールにて、根岸線沿線九条の会連絡会の主催により、法政大学前総長であり、九条の会世話人の田中優子氏の講演会が開催された。
「九条の会」は、2004年6月に、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏が、思想・信条・立場などの違いを超え、「九条改憲を許さない」という一点で、共同で呼びかけたアピールを発表し、発足した。現在、アピールに賛同する5000余の地域・分野に、さまざまな名称をもつ、自発的な組織が生まれている。
講演会では、まず河野優司監督の映画「2887」から、20分程度の動画「壊すな憲法、守ろう九条」が上映され、続いて、田中優子氏の講演「迫る改憲発議-改憲4項目という入り口」が行われた。
改憲4項目とは、(1)「自衛隊」の明記と「自衛の措置」の言及、(2)緊急事態条項の創設、(3)参議院の合区解消、(4)教育無償化の明記、である。改憲4項目は2018年に発表された。全体としての自民党憲法改正草案は2012年に発表されている。
- 日本国憲法改正草案(自民党憲法改正実現本部)
田中氏は、「明らかに『4項目から入って、憲法改正草案の全体まで進むよ』というメッセージなんですよ」と述べ、「とても大事だと思うのは、いろんな会話の中で、あるいは、皆さんがどこかでお話になるときに、他の人にちゃんと伝えられるかどうか、ということなんです」と訴えた。
そして、「他の人にちゃんと伝える」ことが重要である理由として、次のように説明した。
「他の人に今の憲法の大切さを伝えるということを、多くの方がやれば、非常に多くの方が、それを納得していく。
なぜかと言うと、マスコミがそういうことを熱心に伝えている様子はないんです。それから、教育現場で、もちろん、そういう社会の時間にはやるでしょうけれども、熱心に、毎日のように、それを伝えているという傾向もないんです。
(中略)私たちが心にとめ、また理解した上で、自分の言葉として話せるかどうかってことが、大きなカギになるかなぁ、と、今、私は思っています」
講演会の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。