2022年9月26日午後1時より、東京・衆議院本館にて、立憲民主党による第12回 統一教会(野党合同)国対ヒアリングが開催された。
内容は、「宗教法人法の解散命令について、統一教会電話相談の現状・被害者の実態把握・霊感商法等の悪質商法への対策検討会・9月22日に発表された旧統一教会の改革の方向性について」である。
立憲民主党、共産党、社民党の野党議員らが、前川喜平元文部科学事務次官(元文化庁文化部宗務課長)、消費者庁、警察庁、厚生労働省(児童虐待担当者)、法務省、文部科学省からヒアリングを行った。
冒頭、旧統一教会被害対策本部本部長の西村智奈美 衆議院議員(立憲民主党)が、次のように省庁側に協力を求めた。
「旧統一教会に対しての解散命令請求については、私は、やるべきだし、できるというふうに考えております。
これまで何度もやりとりが重ねられてきましたけども、今日お配り頂いた資料を見ても、これほどまでの刑事事件、そして民事事件ですでに有罪という判決が多数出ております。(中略)
私たちが目指しているのは、一にも二にも、とにかく、『被害者の救済』です。被害者と言うときには、やはりそこで多大な影響を被っているご家族の皆さんも含むということでありますので、是非、窓口での対応等についても、私たちの意見も聞いていただいて、一人でも多くの方が救済されるように、政府の皆さんには、取り組みをお願いしたいと思っております」
ヒアリング会場で配布された資料によると、統一教会はこれまで、特定商取引違反、公職選挙法違反、住居侵入など、少なくとも11件の刑事事件、さらに、献金勧誘・物品販売行為、伝道手口の違法性等を問われた28件の民事事件において、「違法」という判断が下されている。
また、統一教会以前に宗教法人に対し解散請求が認められた「妙覚寺事件」の概要を説明した資料、そして、9月16日に全国霊感商法対策連絡会が文部科学省に対し、旧統一教会の解散請求を求めて発出した声明も、資料として配布された。
続いて、前川喜平氏が、「旧統一教会の解散命令請求の可能性」について講演を行った。前川氏は、1997年の夏から翌年1998年の夏まで1年間、文部省(当時)の文化庁文化部宗務課長を務めた。オウム真理教事件の2年後、そして、宗教法人法の改正が行われた翌年である。
前川氏は次のように語った。
「私が宗務課長だった時期にも、統一教会の解散命令の請求の可能性については、課の中で議論をしておりました。『まだ十分な根拠が得られる段階ではない』と、その時点では考えていたわけですね。(中略)
気持ちとしては、解散命令請求したいと思っていたわけです。しかし、『まだ十分な根拠がないのではないか』という状況認識だったということですね。(中略)
私は、2つの変化、1つは、解散命令請求の実例が増えたこと、しかも、霊感商法を理由とする解散命令請求の例ができた。もう1つは、統一教会について、民事・刑事の判決が積み上がってきたこと。この2つの事情の変化を踏まえると、1998年当時とはだいぶ変わってきていると思います。
ですから、結論としては、解散命令の請求はできるし、すべきだと思います。というよりも、『すべきだった』と。もう、10年前にすべきだった。2010年頃には材料はそろっていた」
詳細は、全編動画を御覧いただきたい。