【号外】ウクライナのザポリージャ原発砲撃をめぐり、ゼレンスキー大統領が「原発から攻撃してくるロシア軍人はウクライナ軍の特別な標的」と警告! 自国の原発に向けて攻撃するつもりか!? 2022.8.17

記事公開日:2022.8.17 テキスト
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(取材、文・IWJ編集部)

 ウクライナに侵攻したロシア軍は、現在、ウクライナ南部のザポリージャ州の支配地域に軍の行政機関である軍民行政主要評議会を置き、地域のトップにも、親露派のバリツキー氏が就任しています。

 ロシア軍はザポリージャ州にある欧州最大のザポリージャ原発を支配下に置いた上で、原発の運営にはウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムがあたっています。

 8月10日付けAFPBBは、エネルゴアトムのペトロ・コーチン社長が9日、ウクライナのテレビ局に「ザポリージャ原発に駐留するロシア軍は、同原発をクリミア半島の電力網に接続することを目的とした(ロシア国営原子力企業)ロスアトムの計画を遂行している」と語ったと報じました。

 AFPBBによると、コーチン社長は「そのためにはまず、同原発とウクライナの送電網をつなぐ送電線を破壊する必要がある。ロシア軍は8月7~9日に送電線3本を破壊した。同原発は現在、送電線1本のみで稼働しており、極めて危険だ」「最後の送電線が切断されれば、同原発の電力はディーゼル発電機で賄うことになり、発電機の信頼性と備蓄燃料に完全に依存することになる」と説明したとのことです。

 日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、ロシア軍管理下のザポリージャ原発が、8月5日以降、複数回にわたって砲撃を受け、ロシアとウクライナの双方が、相手の攻撃によるものだと非難を繰り返しています。

 このザポリージャ原発への攻撃について、ザポリージャの軍民行政主要評議会のメンバーであるウラジーミル・ロゴフ氏は12日、ザポリージャ原発のあるエネルゴダール市内で、NATO軍が使用するアメリカ製GMLRS精密誘導ロケットの口径155ミリの砲弾の破片が見つかったとして、攻撃したのはAFU(ウクライナ軍)第44砲兵旅団だと主張しました。

 一方、ザポリージャ原発を攻撃したのはロシアだと主張しているウクライナのポドリャク大統領府顧問は、13日、「ロシアが支配しているザポリージャ原発で、なぜロシアが自分自身に発砲するのか?」とした上で、「目的は、ウクライナをザポリージャ原発から切り離し、ウクライナ軍のせいにすること(プロパガンダ)です」とツイートしました。非常にわかりにくい話です。ともかく、この段階では、原発を攻撃しているのはロシア軍で、それをウクライナのせいにしているのは、ロシアのプロパガンダなのだと、強弁していたのです。

 しかし、このような苦しい言い訳は、ゼレンスキー大統領の発言後、吹き飛ばされました。

 ゼレンスキー大統領は、13日夜の動画演説で、もっとストレートに原発を盾にしているロシア兵はウクライナの「特別な標的」になると警告しました。

 これは、ウクライナがロシア兵がザポリージャ原発を盾にしていても、かまわず攻撃するという宣言と受け取れます。

 ロイターが14日にツイートしたゼレンスキー大統領の動画から、IWJがその発言を仮訳すると、次のように語られていました。

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