2021年4月19日(月)、午後2時より、東京都千代田区の衆議院本館にて、第4回「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」ヒアリングが行われた。ワクチン接種の進捗状況について、内閣官房と厚生労働省の担当官へ、野党議員からの質疑が行われた。また、高齢者へのワクチン接種体制などについて、高知市長・岡崎誠也氏がZoomにより、野党議員からの質疑に応じた。
冒頭、立憲民主党・国会対策委員長代行の原口一博衆議院議員より、以下のとおり挨拶があった。
「岡崎さん、今日は本当にありがとうございます。お忙しい中。(中略)この要望書にも書いてあるように、国が予定よりも配分数を少なくしてきた場合には、予約したにもかかわらず、接種できない場合が生じる。そういう可能性がある。
そもそも、ワクチンの配分については、計画的な運用をするために、毎週配分されるワクチンの最低保証量、数量を示して欲しいと、これが、私たちも聞いている多くの声です。(中略)
そして、菅総理がなんとアメリカで、ファイザーの社長に直接、要請をするという、異例のことが起きました。ワクチンって確保されてなかったのか、ということが全世界を巡ったわけです(後略)」
原口氏は、続けて、厚労省職員の週の残業時間が増えていることについて触れ、以下のように語った。
「政治が色々なところで説明を要求する。ワクチン担当、厚労担当、コロナ担当と。本当に同情申し上げる。
そんな中で、人間らしい働き方をするということが、一番大事なことだと思うので、私たちも更に配慮をして、この会を進めていきたいと思う。
いずれにせよ、今危機的な状況になっている。(中略)今、日本全体に何を広げていけばいいのか、しっかり議論したい」
続いて、高知市長・岡崎誠也氏より、高知市の新型コロナワクチン接種の現状と課題について説明が行われた。
まず、現状の説明があり、高知市における「ワクチンの安定供給」、「新規ワクチンの薬事承認後の影響」、「医療従事者と高齢者用ワクチンの優先順位の明確化」、そして「接種情報の管理」について、それぞれの課題、要望、今後の取り組みについての詳しい紹介が行われた。
その後、野党側が厚労省に対し、「宿題」として事前提示していた7つの質問について、省側の担当官が順次、回答した。
この7つの質問を巡る質疑応答の中で、高齢者へのワクチン接種の本格実施を5月に控え、肝心の、その接種を行う医師や看護師など医療従事者へのワクチン接種が完了していないケースが想定されることについて、野党議員と省担当官の間で議論が交わされた。医師会などからは、「ワクチン接種のないままでは協力できない」などの悲痛な声も上がっているとのことであった。
これに対し、厚生労働省の担当官は「医療従事者の方を今回、コロナのワクチン接種に関しては一番の接種順位ということで位置づけしている。その理由は、やはり、現場でコロナ患者の方に頻繁に接するということで、接種を進めている。そういう意味ではまず、速やかにそうした方々へ接種することが大事だ」と回答した。
ヒアリングの最後に、ワクチン進捗フォローアップ野党合同チームの座長である、立憲民主党・長妻昭衆議院議員から、以下のようにまとめの挨拶があった。
「第1回目のヒアリングでも申し上げたが、『三頭立ての馬車』が迷走している。河野大臣が発言した内容を、厚労省も把握していない、と。やはり、情報共有をきちっとして、発信する前に共有をしてもらわないと、官僚も国民もみんな混乱する。
東京では、今、累計で13万人の方が感染されている。東京の人口が1,400万人だから、100人に1人となる。接種をするお医者さんの立場に立つと、100人200人に摂取する場合、その中に『無症状で陽性』の方がおられる可能性は大である。
医師や看護師の方には無理を頼んで接種を行なってもらうわけだから、これらの方々には、会場での接種の前にでも、優先的に接種するなど、臨機応変な通知を是非出して欲しい」
省側担当官の答弁とその後の質疑応答の一部始終については、全編動画にてご確認いただきたい。