2021年2月18日、東京・参議院内で志位和夫・日本共産党委員長による定例の記者会見が行われた。
会見冒頭、志位和夫委員長は、コロナワクチンの接種開始にあたって、現時点での課題について「日本共産党の4つの立場」を表明した。
志位委員長は「国民の中には(新型コロナ)ワクチンへの大きな期待がある一方、不安の声も寄せられている」と述べ、「厚生労働省によれば、ワクチンによる発症予防効果は臨床実験で確認されたが、感染予防効果は明らかになっていない」として、「ワクチンの安全性と有効性、副反応などのリスクについて、国内外のデータを迅速かつ徹底的に国民に明らかにしていくこと」、また、「特例承認を決めた薬事食品衛生審議会を始め、ワクチンの選定・承認に係るすべての会議の議事録・資料を公開することを速やかに行うこと」と述べ、情報公開を徹底すべきとの考えを表明した。
続けて「新規感染者数の減少に伴って、検査の数も減少してしまっている」として、「検査のキャパシティーに余裕が出てきた今こそ、検査の抜本的な拡充で感染を抑える」と話し、「ワクチン接種と同時並行で感染対策を講じることが重要だ」と述べた。
また、「県庁のある全国47の市区の9割がワクチン接種のための医師・看護師確保の目処が立っていない」と指摘して、「地域の医療機関全体の減収補填、自治体への大幅な財政支援」の必要性を訴え、あわせて「ワクチンがいつどれだけの量が届くかが、自治体の最も知りたい情報だが、これが伝わっていないことが大きな問題」だ、と訴えた。
最後に志位委員長は「このままでは感染が起こっている67の国・地域で9割の国民が今年中にワクチン接種を受けられない恐れがある」との、貧困と不正を根絶する活動を世界で展開しているNPO「オックスファム」の報告を引用した。
そして、「世界人口の13パーセントにすぎない先進国がワクチンの51パーセントを独占しているという世界的なワクチン格差の減少が必要」と述べ、「パンデミックを終わらせるには、世界のすべての地域でウイルスの脅威をなくすことが絶対不可欠」「ワクチンが平等に供給される国際的な枠組みが必要だ」と主張した。
志位委員長は、「途上国へのワクチン供給には、2021年末までに5,000億円超が必要とされているが、日本の軍事費は年間4兆円、世界の核保有国が核兵器のために出資している予算は年間7.6兆円だ。この面でも日本政府が積極的な役割を果たすことを求めていく」と結んだ。