2020年5月13日(水)午後3時より、東京都千代田区永田町の参議院本館にて、検察庁法改正法案をめぐり午後2時から開催された、野党党首会談が終了した後、日本共産党 志位和夫委員長の記者会見が行なわれた。
冒頭、志位委員長は、自らの見解を以下のように述べた。
「野党の党首会談を行った。端的に言って、『検察庁法改正案はやめて、コロナ収束に全力をあげるべきだ』というのが今日の合意点である。この法律の問題点に関しては、検察官というのは一般の公務員とは全く違う。そして、特別の逮捕を行い、唯一、起訴をする権限をもっている。そのために、政治的な中立性と独立性を守る。それが今までのルールだった。そのルールを守るための担保として、幹部の検察官については、役職の延長は認めないこととしてきた。
今度の政府の法律というのは、まさにここを変えてしまおうというものであり、政府の一存で、個々に幹部検察官の定年の延長の是非を決めることができる。こうなると、検察としては、キャリアの一番最後のところで、いわば、生殺与奪の権利を政府に握られてしまい、これまでやってきた検察としての仕事はできなくなる。萎縮する。そして、ここには二重に問題が発生すると思われる。
ひとつは、これまで検察がときには行政権力に対するメスを入れてきた。かつての内閣総理大臣経験者を逮捕したこともある。こういう政治・行政権力に捜査のメスを入れること。これは検察にしかできない。これが萎縮によってできなくなる危険性がある。
もう一つの危険は、行政権力と警察権力、これが一体化した場合は、不当な『国策捜査』がどんどんやられていく。そういう危険もある。ブレーキが効かなくなっていく。だから、二重に危険がある。これは検察庁法の『大改悪』だと言わねばならない」。
その後、各社記者と志位委員長との質疑応答となったが、IWJ記者からは、記者会見の趣旨とは若干外れるものの、この日の正午過ぎに報道された原子力規制委員会による日本原燃の青森県六ケ所村の再処理工場の安全審査で、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめ、実際の稼働は2021年度以降となる旨のニュースについて、志位委員長の見解をたずねた。
これに対し、志位委員長は「六ケ所村の再処理、これは問題外。断固反対。認めるわけにはいかない」と強く否定し、「コロナ危機は、我が国が戦後遭遇した中でも最も深刻な社会的危機だ。この危機において、『憲法改定』や『原発再稼働』、そして『辺野古新基地』など、国民の意見が割れるような重要な問題の議論は、本来、棚上げ・凍結をすべきであり、コロナに乗じて進めてはならない!それが当たり前ではないか?検察庁法の問題もこれとまったく同じである」と回答した。