内部被曝の危険性!! 政府対応の「インチキ」徹底追及!! そして「海洋放出」を決めるのは誰か!? 放射能汚染水「海洋放出」の実害~トリチウムは危険~ 院内ヒアリング集会 ―講演:西尾正道氏(北海道がんセンター名誉院長) 2020.12.22

記事公開日:2020.12.23取材地: テキスト動画
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(取材・文・木原匡康)

 「(放射性物質の)規制値自体がインチキだということを、自分の頭で考えないんですか?」と、西尾正道氏は、資源エネルギー庁の担当者を問い詰めた──。

 2020年12月22日、「放射能汚染水『海洋放出』の実害~トリチウムは危険」をテーマとする院内ヒアリング集会が、参議院議員会館・講堂で開催され、IWJが中継した。

 はじめに、岩上安身が何回もインタビューさせていただいている、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏が、「トリチウムの健康被害」をテーマに講演する事前学習会を実施。その後、学習会を受けて、内閣府、経産省・資源エネルギー庁、原子力規制庁、環境省の担当者が出席し、「トリチウムの内部被曝の危険性から『海洋放出』断念を訴える」とする、省庁ヒアリングが行われた。

 西尾氏は講演で、ご自身が行ってきた癌の放射線治療の経験を踏まえ、詳細なデータを駆使しながら、福島原発事故における、政府の対応のさまざまな問題点を指摘した。

 たとえば西尾氏が強調したのは、体内に放射線微粒子が入り込んで、その直近の細胞に対して大きな破壊力を持つ「内部被曝」を軽視する、ICRP(国際放射線防護委員会)の考え方である。ICRPは「内部被曝の線量計算も全身に均一に被曝すると仮定して線量を評価している」という。これを西尾氏は、「目薬一滴を全身に換算している」という。そして西尾氏はICRPについて、「民間団体に過ぎない」「原発推進を目的とする」と指摘した。日本政府は、このICRPの考え方を被曝限度の判断根拠としているという。

 その他、トリチウムがいかに人体に強い悪影響を与えるか、原発立地と癌や白血病死亡率の関連など、恐ろしいデータが次々に紹介された。時間が限られたことが残念であった。

 後半の省庁担当者へのヒアリングは冒頭で、担当者の顔を写さないで欲しいという省庁側の要望と、これを問題視する主催者との間で軋轢が起こる場面から始まった。

 ヒアリングの最初に、西尾氏が「内部被曝の危険性についてはどのように認識しているのか?」と質問した。経産省・資源エネルギー庁の担当者が「ICRPの勧告に沿った規制基準を遵守している」と回答すると、西尾氏は「規制値自体がインチキだということを、自分の頭で考えないんですか?」と、前述のICRPの内部被曝に対する考え方を踏まえて鋭く追及した。

 ヒアリング全体は、事前に政府に対して出された質問に回答を求める形で進められた。質問は、「I トリチウムの海洋投棄は危険」「II 「海洋放出」計画の概要」「III 廃炉対策と汚染対策」を大テーマに、27の質問で構成された。その一部には、政府から事前に回答が寄せられていた。

 ヒアリングの中で、「海洋放出を決定するのは誰か?」「汚染水のタンクを増設するかどうかを決めるのは誰か?」ということが繰り返し質問された。資源エネルギー庁の担当者は当初、「計画を立てるのは東京電力」と繰り返し回答し、国の関与について明言を避けた。しかし、「政府は株主として指導しないのか?」と追及され、最終的に「政府としても適切に指導する」と回答。国が関与することを明確にした。

 前半の西尾氏の講演、および後半の省庁ヒアリングともに、福島原発事故と各地の原発が、今後の日本国民の生命・健康・生活に与える重大な影響に関する、非常に濃く重い内容となっている。ぜひご覧いただきたい。

 これまでの、岩上安身による西尾正道氏へのインタビュー等は、以下で御覧いただける。

■ハイライト

  • 日時 2020年12月22日(火)13:30~17:00
  • 場所 参議院議員会館 講堂(東京都千代田区)
  • 詳細 経産省前テントひろば 主催者ブログ内告知

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