2020年11月11日、東京都港区六本木の原子力規制委員会で更田豊志(ふけたとよし)原子力規制委員長による定例の記者会見が行われた。
東京電力は、定期点検中として停止している柏崎刈羽原発7号炉の再稼働にむけた、原子力規制委員会による一連の新規制基準の認可が下りたとして、委員会に対して使用前事業検査を申請した。これにより、燃料を実装して行われる原子炉使用前検査を残して、書類上の審査はすべて終えることになる。検査完了時期は2021年4月としている。
会見で記者から、原子炉を起動させる際に、東京電力に対する要望や留意点を問われた更田委員長は、規制上の手続きは進めてきているが「東京電力は福島第一原子力発電所事故の当事者という事を踏まえれば、組織としての運用を問う機会をどこかで設けることになるだろう」と述べた。
組織としての運用について具体的な内容を聞かれた委員長は「どこかで(東京電力の)小早川(智明)社長とお目にかかることになる」として、そこでは「柏崎刈羽が運用されるとしても福島第一を置いていかないでください」ということと合わせて「ABWR(改良型沸騰水型原子炉)として初めて(再稼働)でもあるし、事故の当事者ならではの安全対策に対する考え方があるかもしれないのでそういったところをたずねていきたい」と述べた。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所7号炉の再稼働は、全ての審査・検査が終わった後、新潟県をはじめとする、地元自治体の同意を得られるか否かが問われることになる。