2020年9月9日、東京都港区の原子力規制委員会で、関西電力の森本孝・取締役代表執行役社長、並びに水田仁・執行役常務と原子力規制委員との意見交換が行われた。
冒頭、森本社長は「弊社の役員等が金品の受領といった問題で、お客様や、社会の皆様に、信頼を裏切り、多大なるご迷惑をおかけしていることについて、深くお詫びいたします」と述べ、関電グループの役員らが、福井県高浜町の元助役から金品を受領していた一連の不祥事について陳謝した。
続いて、関西電力の組織に対するガバナンスやコンプライアンスなどについてのプレゼンテーションを受けた、更田豊志(ふけたとよし)・原子力規制委員長は、認定審査の際に同社が取って来た姿勢について「常に情報が小出しにされて、こちらの反応を伺うかの様にさみだれ式に出てくる」「最初から全部出すのではなしに、ほとんど常に小出しに出してくる」と、厳しく是正を要求した。
会合後に行われた囲み取材では、定期点検中の大飯原発3号機で、一次系蒸気発生器の配管に傷が見つかった問題についての質問があり、森本社長は、再稼働後の定期検査で対応する計画に変更がないことを認めた。
大飯3号機での傷の問題は、同機と同じPWR型原子炉についての、過去の審査にも影響を及ぼす可能性がある重大事象と、規制委も受け止めている。