【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート第3弾! ロックダウン緩和期の英国の実像!! 第2波への懸念!!~(その2)コロナで「死にかけた」ジョンソン首相の「肥満対策」編 2020.11.4

記事公開日:2020.11.4 テキスト
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(藤田早苗)

 ロックダウン中と、ロックダウン緩和が始まった時期の英国から、第1弾と第2弾のレポートを寄稿していただいた、エセックス大学人権センター・フェローの藤田早苗氏から、第3弾となるレポートが届いた。

 長文の寄稿なので、6回に分けて、ロックダウン緩和時期以降の英国の状況を連日お伝えしている。今回は短期集中連載第3弾の2回目である。

 1回目は、教会再開の一方で、9月から若者の感染拡大と「ローカル・ロックダウン」の発生、衣料品店や飲食店等が再開するなかでの「営業再開=閉店セール」の様子、英国政府の休業補償や「英国版Go To Eat」政策等について伝えた。

▲コロナと肥満で「死にそうになった」との自分の経験から、「コロナ対策としての肥満対策」を発表したボリス・ジョンソン英首相。(Wikipediaより)

 2回目である今回のテーマは、文化相が「この国の魂」という芸術文化への支援や若者層の支援策、自らコロナと肥満で「死にそうになった」というジョンソン首相が主導する、コロナ対策の意味を持つ肥満対策等である。

 藤田氏は、英国人の肥満の一因は食生活であるとしたうえで、ロックダウンが否応なく生み出した手作りの健康的習慣を評価している。

 以下は藤田氏の5月の第1弾と6月の第2弾レポートである。こちらもぜひご覧いただきたい。

(前文・IWJ編集部)

芸術と文化は「この国の魂」と、約2100億円の包括的支援策!

 イギリス政府はこれらのほかにも支援策を行っている。

 例えば、7月5日、再開のめどが立たないまま休業の続く劇場やコンサートホール、美術館など文化施設を救済するため、約15億7000ポンド(約2100億円)の包括的支援策が発表され、関係者から非常に歓迎された。

 ジョンソン首相はこの救済策について、「イギリス各地で芸術を作り出す団体や施設が、扉を閉ざし、幕を下している間も、運営を続けてスタッフを維持できるよう、この業界を将来世代のために守るための資金だ」と説明した。

 またオリヴァー・ダウデン文化相は、芸術と文化は「この国の魂」で「この国を偉大にするものだ。将来世代のため、芸術分野を保護し、できるだけ守らなくてはならない」と強調した。

▲ナショナル・ギャラリー(左)とロイヤル・シェイクスピア・シアター(Wikipedia)

英国閣僚は日本より10歳若い!! 40歳の財務大臣が「この世代の人たちを失いたくない」と若年層に失業回避の特別政策!

 また、16歳から25歳が失業しないように特別な政策が発表された。彼らは働き始めたばかりの世代で、まだ資格をたくさん持っていないため失業する危険性が高いが、この世代がコロナのために躓くのは国にとっても損失である、ということだ。

 そして、「We do not want to lose this generation我々はこの世代の人たちを失いたくない」と財務大臣は国会で言った。ちなみに、この財務大臣は40歳の若さだ。また、イギリスの閣僚の平均年齢は日本のそれより10年ほど若い。

▲リシ・スナック財務大臣(Wikipedia)

コロナと肥満で「死にそうになった」ジョンソン英首相が「コロナ対策としての肥満対策」発表!

 イギリス人の3分の2はBMI(編集部注:Body Mass Index=ボディマス指数。体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数)が25以上で「太りすぎ」だといわれている。実際、太っている人が多い。他の欧州の国に行ってイギリスに戻ると、改めてその差に気づく。

 そこで、ジョンソン首相は7月に「不健康な食べ物について、夜9時前はテレビコマーシャルを禁止し、ネット上での完全な禁止も考える」と発表した。

 今回の首相の発表は、彼自身の経験にもとづくものだ。周知のように首相は春にコロナに感染し、救急治療室を経験した。自分でも言っているが「死にそうになった」のだ。そして、この病気は肥満気味の人が重症になりやすい、ということもわかっている。そこで、「コロナ対策として、肥満対策が必要。そのためイギリスの食生活を見直す必要がある」ということになった。「私は太り過ぎていた。いつも減量したかったが、成功しなかった」ともつけくわえた。

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