【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート(その2-4)〜ちょっとだけ緩和されたロックダウン:医療従事者やケアワーカーへの格差が危険を広げている 編 2020.6.19

記事公開日:2020.6.19取材地: | テキスト
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(藤田早苗)

 前回、ロックダウン中の英国からレポートを寄稿していただいた、エセックス大学人権センター・フェローの藤田早苗氏から、第2弾となるレポートが届いた。長文の寄稿のため、5回に分けてロックダウンの緩和を迎えた英国の現状をお伝えしている。今回はその4回目である。

▲NHS(国民保健サービス)への感謝を示し、NHSを守ろうと訴えるメッセージ(藤田早苗氏提供)

 新型コロナウイルスによるロックダウンでは、移民や外国人労働者など、社会的に弱い立場の人たちが、エッセンシャルワーカーとして、低賃金や保証のない状態で働い続けざるをえないという、構造的差別が世界中で明らかになってきている。

 藤田氏によると、英国でも、NHS(国民保健サービス)の職員のうち、アジア系やアフリカ系の職員が、危険の多い部署に配置され、死亡しているとのこと。

 また、ケアホームで働くケアワーカーは、低賃金ゆえに仕事を休むことをためらい、コロナの症状があるにもかかわらず仕事を続けていたという事例もあるらしい。ケアワーカーが優先的に検査を受けられないことも、ケアホームでの感染を広げたと、藤田氏は報告している。

(前文・IWJ編集部)

記事目次

医療現場での移民

 死亡したNHSの職員の多くがアジアやアフリカからの移民だった。同じ医療現場で働く専門家の中で、どうしてこんなに人種別に違うのか? すぐにメディアは問題視して取り上げた。

 イギリスは看護師不足の対処でフィリピンから多くを受け入れてきた。その一人が匿名でインタビューにこう答えていた。

 「職場でも危険の多いところに配置になることが多い。フィリピン人はノーとなかなか言えない国民性だ。そして、断れば解雇されるのではないか、という恐れから引き受ける。しかし心では泣いている」。

 雇用条件から、弱い立場にあるということがわかる。

(…会員ページにつづく)

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