前回、ロックダウン中の英国からレポートを寄稿していただいた、エセックス大学人権センター・フェローの藤田早苗氏から、第2弾となるレポートが届いた。長文の寄稿のため、5回に分けてロックダウンの緩和を迎えた英国の現状をお伝えしている。今回はその4回目である。
- 【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート(その1)〜ロックダウンが始まった! 2020.5.5
- 【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート(その2-1)〜ちょっとだけ緩和されたロックダウン:原発工事再開編 2020.6.13
- 【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート(その2-2)〜ちょっとだけ緩和されたロックダウン:非常時の警察権力の監視を怠るな!編 2020.6.14
- 【特別寄稿】英エセックス大人権センター・フェロー藤田早苗氏のイギリス・ロックダウンレポート(その2-3)〜ちょっとだけ緩和されたロックダウン:国民保健サービスを助けてください編 2020.6.14
新型コロナウイルスによるロックダウンでは、移民や外国人労働者など、社会的に弱い立場の人たちが、エッセンシャルワーカーとして、低賃金や保証のない状態で働い続けざるをえないという、構造的差別が世界中で明らかになってきている。
藤田氏によると、英国でも、NHS(国民保健サービス)の職員のうち、アジア系やアフリカ系の職員が、危険の多い部署に配置され、死亡しているとのこと。
また、ケアホームで働くケアワーカーは、低賃金ゆえに仕事を休むことをためらい、コロナの症状があるにもかかわらず仕事を続けていたという事例もあるらしい。ケアワーカーが優先的に検査を受けられないことも、ケアホームでの感染を広げたと、藤田氏は報告している。
(前文・IWJ編集部)