「紀元1世紀頃のキリスト教は新興宗教。うさん臭かった。ゆえに善行に力を入れて、信用を求めた」──。
中東・イスラエルでの絶えない紛争、アメリカ帝国主義、格差を助長する新自由主義の実態。現在の世界が抱えるこれらの問題の根幹を、ユダヤ教とキリスト教に探るべく、岩上安身がユダヤ学と聖書学の研究者である上村静氏に話を聞いた。
4時間にわたるインタビューのテーマは、ユダヤ教とキリスト教の成り立ちと教義、宗教改革、キリスト教と資本主義、日本の戦国時代への影響、国家と政教分離、エバンジェリストとアメリカとイスラエルなど、多岐にわたった。
2014年12月22日、東京都内で、岩上安身による、尚絅(しょうけい)学院大学准教授の上村静氏へのインタビューが行なわれた。前日のIWJ主催のシンポジウム『響宴V』にゲスト出演した上村氏は、シンポジウムで語ったテーマ、「『偽の神なる』国民国家と『政教分離』という擬制 ~マモン(富魔)との結託の果て~」について、さらに深く語っていった。
16世紀、戦国時代の日本に、イエズス会の宣教師ザビエルがキリスト教をもたらしたことが、豊臣秀吉の朝鮮出兵にもつながった、と上村氏は説明する。「この時、日本人は他民族に対する上から目線(ヘイト)を、宣教師から学んだ」
また、上村氏は「キリスト教で信仰の意味は、命がけの忠誠。日本も同様に、国のために命を捧げることを喜ぶのが国民だということで、それをナショナリズムと呼んだ。しかし、国家は決して神ではないので、それをごまかすために政教分離というシステムを作った」と指摘する。
そして、「敗戦後、国家の神の部分をを封印したのが平和憲法。その封印を、今、安倍首相が切ってしまった。そこから再び、国家が神として現れて暴れまくるかもしれない」と警鐘を鳴らした。
- ※【饗宴アフター企画】上村静氏インタビュー(後半)はこちら
- 【饗宴アフター企画】「人生に意味はないが、価値はある。生きているだけで充分に幸せだ」 ~ 岩上安身によるインタビュー 第497回 ゲスト 上村静氏 後編 2014.12.22
待ってました、上村先生!
饗宴は予定通り進行することを前提に仕事を入れていたため、残念ながら上村先生の登場する最後のパートが観られませんでした。このアフター企画も、最初の配信は年末の急がしさで時間の都合がつかず・・・やっと先ほど前編後編通して拝見しました。面白くて非常に勉強になりました。1回だけだとまだよく理解できないので、これから何回か繰り返し視聴することになると思います。有意義なインタビューを有り難うございました。
IWJウィークリーで饗宴の感想を読むのが楽しみになってます。(饗宴Ⅴのパンフレットを家族の前で朗読し、私の変容を理解してもらっています。)
ソクラテスやプラトンの会話が聞こえてきそうな饗宴。
レオナルド・ダ・ヴィンチは宗教画を描くのに退屈をしていたのではないかと、思えてくるのです。
歴史の中の勇敢な反逆児たちを見落としてきたのではないか、発掘しなくては!と思えてくるのです。
私のインスピレーションが刺激されたように、誰かのインスピレーションを刺激する喜びをIWJのパンフレットを配るときに思うのです。ゲストの方への敬意を示すためにも、多くの人に伝えたいですね。