キリスト教の「神話」のベールを取り去り、「史的イエス」の実像に迫る――岩上安身による上村静氏インタビュー 2013.12.25

記事公開日:2013.12.25取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・平山茂樹)

 ユダヤ学・聖書学が専門で、『宗教の倒錯』(岩波書店、2008.09)、『キリスト教の自己批判~明日の福音のために』(新教出版社、2013.10)などの著書がある上村静氏に、岩上安身が6時間を超えるロングインタビューを行った。24日のクリスマス・イブ、25日のクリスマス当日の2回に分けて、「IWJクリスマス・スペシャル」と題して特別配信した。

 話題は、「聖書学」が明らかにした「史的イエス」の実像から、ユダヤ教徒とキリスト教の関係、黙示録やシオニズム、さらにはTPPや集団的自衛権行使容認といった今日的な話題まで、非常に多岐に渡った。

記事目次

■イントロ

「史的イエス」とは何か

 「処女懐胎」「東方の三博士」「最後の晩餐」「磔刑」「復活」など、キリスト教の聖典である新約聖書では、イエスは「メシア(救世主)」として様々な「神話」的エピソードとともに語られている。一方、ヨーロッパでは近代社会に入ると、聖書の記述を科学的・実証的に検討する「聖書学」が発達し、「神話」のベールを取り去った古代イスラエルの真の姿と「史的イエス」を探求してきた。

 上村氏は、この「聖書学」について、「史的イエス」と「信仰のキリスト」という対立軸を用いて説明する。「信仰のキリスト」とは、「『史的イエス』がクリスチャンの信仰の光において理想化された姿」である。聖書とは、まさにこの「信仰のキリスト」像をテキスト化したものなのである。

 「キリスト教では、『イエス=メシア』という考えがまず起点にありました。そのことを説明するために、聖書の神話的なエピソードが事後的に作られていったのです。

 『史的イエス』は、もちろん『処女懐胎』で生まれたのではなく、イスラエル北部のナザレで普通に生まれました。兄弟姉妹もいたと言われています。『処女懐胎』という物語が生まれたのは、イエスが神から生まれたことの説明をしなければいけなかったからです」

 実在したことは間違いない史的イエス本人は、キリスト教という新しい宗教を樹ち立てようなどという思いはさらさらなく、ユダヤ人として生まれ、ユダヤ教の教えを説いて死んだのだ、という。

終末思想を否定した「コヘレトの書」

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「キリスト教の「神話」のベールを取り去り、「史的イエス」の実像に迫る――岩上安身による上村静氏インタビュー」への6件のフィードバック

  1. 大竹義人 より:

    「日本人の起源」や「イスラエルとユダヤ教」の時もそうだけど、岩上さん(IWJ)の知的好奇心の広がりはすごいなと思います。僕はキリスト教徒だけど、史的イエスの問題なんて国内外を問わずキリスト教徒でも興味持ってない人の方が圧倒的に多いです。めんどくさくなるし、自分の信仰が動揺して辛くなるから、みんな考えないわけです。岩上さんの場合は、専門領域の問題でも、変に理念的、哲学的、学問的にならないで、ジャーナリスティックな問題のアプローチの仕方と同じように、人間に対する興味がストレートに出て来るから、面白いのでしょうね。

  2. 宇佐美 保 より:

    12月25日は『太陽の誕生日』として他の宗教(太陽が神様とする)は祝っていたが、キリスト教はその日にミサをやっても人が集まらなかったので、「今日、キリストのミサをやります」と多くの人々に誘っていた、その結果「キリストのミサ」の言葉がつまって『クリスマス』となったなんて初めて知りました。
    「会員の方は『ここ』をクリックしてください」を実行して、更なる未知の世界を教えて頂きたく存じます。

  3. 白田81 より:

     IWJは、現代日本のジャーナリズム界に、ひときわ高く屹立する、雪を戴く孤峰である。

     昨年のクリスマスにあわせて配信されたこのインタビューで、あらためて解った。私も、知らないことを知るのが、この上なく楽しいと思うから、岩上氏の率直な問いと、上村先生の考え抜かれた答えは、驚きの連続だった。
     これからこの長時間の認識の格闘を、少しずつ、「精読」していく。

  4. うみぼたる より:

    アレクサンドリア図書館のインテリたちに、この映像を見せてさしあげたい。
    書物の知恵をこうして人々に伝えていけば、たとえ本が消失しても知恵は語り継がれていく。
    うーーーアレクサンドリア図書館の焼失は残念で仕方がありません。上村さんのおはなしを聞けば聞くほど、昔の人たちの知恵の使い方が面白い。
    岩上さんには、タイムマシンができたら福沢諭吉のインタビューとアレクサンドリア図書館の本にも付箋を。
    (どこまでも仕事ずくめになってしまう。)
    ちなみに、本の帯にレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐があったような。
    彼はキリスト教徒ではなかったそうです。あの壁画の前に立った時に、彼が描いたのは背景の向こう側の太陽と、
    陽ざしのぬくもりを甘美する場を残したのだと思いました。あの壁画の前での自分の体験が”陽ざしのぬくもり”だったので、
    レオナルド・ダ・ヴィンチについてのあまたの研究と私は折り合いがつかないでいます。

  5. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    ※6/14まで記事・動画全編公開中!
    キリスト教の「神話」のベールを取り去り、「史的イエス」の実像に迫る―岩上安身による上村静氏インタビュー
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117865 … 聖書学からTPPまで盛り沢山!知的好奇心を刺激しまくりです。

  6. @NIDONEINUさん(ツイッターのご意見より) より:

    頭がぞわぞわする興味深さ。フルで公開中。イイナと思った方はぜひ登録を
    2013/12/25 キリスト教の「神話」のベールを取り去り、「史的イエス」の実像に迫る――岩上安身による上村静氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117865

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