沖縄基地返還要求は日米同盟上も正当なもの 日本政治の機能不全を指摘 ~ 岩上安身によるインタビュー 第451回 ゲスト 孫崎享氏 2014.9.28

記事公開日:2014.9.28取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・藤澤要)

特集 日米地位協定|特集 中東

 日米同盟、沖縄米軍基地、尖閣諸島など、日本のあらゆる外交問題を追究している元外務省国際情報局局長の孫崎享氏に9月28日(日)、岩上安身がインタビューを行った。

 おなじみのご自宅で孫崎氏は、日本で「ほんらいの政治」が機能していないことに大きな懸念を表明。孫崎氏が考える政治とは、「ほんらい最大多数の最大幸福を目指すもの」。ところが現在の政治は、孫崎氏に言わせれば「一握りの人たちが自分たちの利益を追究している。その一握りという点に躊躇しなくなっている」というもの。

 その顕著な例に、沖縄の状況があると孫崎氏は指摘。「沖縄の住民の7割8割が賛成することを実現するのが本来の政治です。それを無視して、別の価値観のほうが重要だ、ということになっている」。

 政治の機能不全のただ中。一見すると別々の問題群が、「別の価値観」を参照すると、一つにつながっていく。「この変遷というのが、TPPにつながり、原発につながり、集団的自衛権につながる」。孫崎氏はこのように見る。

 孫崎氏へのインタビューは白熱し、地球大のスケールで進行。「イスラム国」を巡る国際情勢、日本国内の言論状況、沖縄米軍基地問題など、5時間近くに及ぶものとなった。

■イントロ

「イスラム国」空爆に法的正当性はあるのか?

 8月初頭に「限定的」なイラク空爆に踏み切った米国は、1ヶ月後、その範囲をシリアへも拡大した。米国人記者2人が「イスラム国」に殺害される映像がインターネット上で公開されると、米国は一気に空爆を拡大する方針へ転換。9月には米国が「有志国連合」の結成を呼びかけ、西欧諸国のみならず、中東各国もこれに参加することに。国際社会には、「イスラム国」に対する包囲網が構築されたかにみえる。

 しかし孫崎氏は、今回の「イスラム国」との戦争には、法的な正当性に関して大きな疑問があると指摘。「前の2つの場合は、安保理決議が本当に有効であったかどうかわからないけれども、一応、安保理決議のこれこれを引用してイラクへ行きます、アフガンへ行きます、ということでした」。

 イラク戦争、アフガニスタン戦争とも、少なくとも国際法上の正当性を担保しようとする動きはあった。孫崎氏は、「今回は、その努力が一切ない」と強調。日本国内でも何の議論も起こらないことに対し、「驚くべき事態です」と強調する。

 孫崎氏は、第二次世界大戦で日本軍が大陸に侵攻した際に、「日本人の保護」という理由が使われたことを指摘。「自国民の保護のため、自国民の財産を守るためと言い始めたら、世界中に何の規制もなく入っていく」。

 現在おなじように、「イスラム国により米国人が殺された」という理由で、シリアへの空爆の拡大、武器供与、戦闘員の訓練などが正当化されようとしている。「今の論理は、第二次世界大戦の日本の論理と同じです」と孫崎氏は懸念を示した。

軍産複合体の思惑:なぜ、このタイミングで米国は空爆を開始し拡大させたのか?

 多大な戦費がかかるにもかかわらず、戦闘を拡大させる米国。空爆だけでは「イスラム国」を叩くことは不可能との指摘も多い中、その目的はどこにあるのか。

 孫崎氏は、イラク戦争、アフガン戦争、そして今回のシリア空爆戦費が、一般国防費の枠外であることを指摘する。さらに重要なのは、米国はアフガン戦争の終了を想定し、この予算の特別枠が来年で終了するということ。戦争の終了は、その予算が消滅することを意味する。孫崎氏によれば、ここに、米国を支配する軍産複合体の影がちらつくという。

 「いわゆる軍産複合体には、収入源としてイラク戦争がありました。次に、アフガン戦争がありました。今度は、アフガン戦争が終わるというときに、シリアへの空爆が始まる」。

 孫崎氏は、「あまりにもタイミングが良すぎる」と強調。岩上安身は、「なるほど、できすぎた、計画的な公共事業ですね。まるでダムを作るように、戦争を起こすわけですね」と応じた。

沖縄米軍基地問題:基地返還は、日米同盟関係上も正当なもの

 沖縄の在日米軍基地負担の問題。沖縄住民の民意は「基地反対」だ。ところが、多くの日本人の認識は異なり、日米合意を守らないと日米関係が崩れる、だから辺野古移転はしょうがない、と考えているようだと孫崎氏は指摘する。

 「普天間の問題には日米合意がある。この日米合意は守らなければならない。守らないと日米関係がおかしくなる。だから、沖縄の人が少々、おもしろくないかもしれないけれど、日本国のためには、辺野古へ移したほうがいい。

 こう思う人がいると思います」。

 「それは違うと了解してほしい」と訴える孫崎氏が紹介するのが、ドイツの事例だ。ドイツも第二次世界大戦の敗戦国。また、ドイツにも米軍が駐留し、米国との間には、日米地位協定に類する取決めがある。さらに、ドイツは米国との同盟国でもある。

 日本と多くの点で共通するドイツでは、しかし、米軍基地が縮小されていくという。ドイツは、駐留米軍の扱いに関して、日本とは異なる「法律的な根拠」を持っているためだ。つまり、ドイツにおける「地位協定」の内容が、日本のそれとは大きく異なっている。孫崎氏は次のように説明する。

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「沖縄基地返還要求は日米同盟上も正当なもの 日本政治の機能不全を指摘 ~ 岩上安身によるインタビュー 第451回 ゲスト 孫崎享氏」への4件のフィードバック

  1. @faizo0205301さん(ツイッターのご意見) より:

    この国や世界は大きな曲がり角に来ている。この内容に多くの方が理解と行動を起こせねば衰退どころでは終らない。やはりもう時世は切迫している。

    2014/09/28 岩上安身による孫崎享氏インタビュー(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/171364 … @iwakamiyasumi
    https://twitter.com/faizo0205301/status/516593398191374336

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    岩上安身による孫崎享氏インタビュー(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/171364 … @iwakamiyasumi 本日9月30日まで、非会員の方も全編見れます。混乱を極める中東情勢、日本が抱える問題を熱く、時に軽妙に語りつくす5時間弱。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/516729226876026880

  3. @steelbeckさん(ツイッターのご意見) より:

    2014/09/28 岩上安身による孫崎享氏インタビュー(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/171364 … @iwakamiyasumiさんから ※観た。最後の1時間、面白かったな。
    https://twitter.com/steelbeck/status/516841962771460097

  4. @himajinnnabesanさん(ツイッターのご意見) より:

    ラスト1時間くらい、疲労でヘロヘロのお二方の雑談に非常な拾い物あり(オイラの感想)30日いっぱいフルオープン♪♪>>>2014/09/28 岩上安身による孫崎享氏インタビュー(動画) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/171364 … @iwakamiyasumiさんから
    https://twitter.com/himajinnnabesan/status/516882674233794560

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