「原発で重大事故が起きたら、みんなでがんばる」という政府見解 〜地震動の過小評価は許せない!院内集会・政府交渉 2014.1.29

記事公開日:2014.1.29取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 「原発の重大事故の際、関西広域連合は避難中継所を設置し、すべての避難民に、そこを通過させるという。しかし、小浜市の3万人の市民が、1万台の車で逃げた場合、車列を連ねると神戸まで届く」──。市民側は、政府と自治体の策定する、現実味のない避難計画を糾弾した。

 2014年1月29日、東京千代田区の参議院議員会館で「地震動の過小評価は許せない!1・29院内集会・政府交渉」が行われた。この日は、市民と政府担当官の間で、地震で地盤がどれだけ動くかという地震動評価の整合性や、水素爆発の過小評価、避難計画の検証などについて、意見が交わされた。

記事目次

■ハイライト

  • 14:00~15:40 院内集会 / 15:50~17:20 政府交渉 / 17:30~18:00 質問・意見交換
  • 基準地震動「武村式での再評価を求める」/ 重大事故対策「水素爆発の可能性について」/
    重大事故対策「炉心溶融時の格納容器破損の可能性」/ 防災計画「重大事故時の避難措置等」
  • 愛媛、佐賀、鹿児島、北海道、福井、関西(PWR関係)、新潟、島根、宮城、首都圏(BWR関係)、他の参加
  • 政府交渉:原子力規制庁 地震津波・重大事故・防災担当、内閣府原子力災害対策本部 広域避難担当
  • 日時 2014年1月29日(水) 14:00~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

地震動評価の二重基準はやめるべき

 集会の冒頭、グリーンアクションのアイリーン・美緒子・スミス氏が、「全国204団体(呼びかけ団体22、賛同団体182)の署名が集まった。地震で地盤がどれだけ動くかという、地震動評価の整合性。水素爆発の過小評価。避難計画の検証などを、これから行なう政府交渉で糾していきたい」と述べた。

 この日の交渉について、「基準地震動は『武村式』での再評価を求める」とした。その理由として、「現行の評価方法では、4分の1の過小評価になる。事業者は、世界の地震を基準にした『入倉・三宅式』で算出している。しかし、再稼働審査では、日本の地震に特化した『武村式』で再評価するべきだ」と述べた。

 続けて、「水素爆発の可能性について」。福島第一原発1号機と3号機の水素爆発(4%を爆燃、13%で爆轟という)した状況と、新規則第37条の2の解釈について話した。

 また、大飯原発再稼働の申請では、建屋内での水素発生をMAAP(事故解析コード・Modular Accident Analysis Program)で解析しているが、そのデータの信頼性に疑問を投げかけた。

 質疑応答では、元原子炉設計者の後藤政志氏が、水素爆燃と爆轟の違いを説明。また、「加圧水型原子炉(PWR)は、圧倒的に水素爆轟の危険性がある」などと補足した。

大飯原発3・4号機では、炉心融解は21分後に始まる

 最後に、重大事故対策「炉心溶融時の格納容器破損の可能性」について、交渉ポイントを話した。「電力各社のシナリオは、審査基準で求める『溶融炉心の下部への落下を遅延・防止するために、原子炉圧力容器へ注水』という部分に違反している。これを問いただしたい」。

 「重大事故時の避難措置等」についてでは、「事故の際、住民は、いつ避難するのか。電力会社の公表データでは、大飯原発3・4号機では炉心融解は21分後に始まり、5キロ圏内では20分後に住民避難を始める、という。この点についても聞いてみたい」。

 そして、「国が、避難計画に積極的に関与することになっているが、まったく進んでいない。さらに、避難路での雪、台風などの複合災害について。災害時の高速道路の使用。スクリーニングと除染。避難所の閉鎖規定(2ヵ月間)。広域避難の費用負担などについても、問いただしたい」とした。京都市で行なわれた避難訓練の参加者は、そこで体験した問題点を報告した。

 次に、北海道(泊原発)、福井県(大飯、高浜原発)、愛媛県(伊方原発)、佐賀県(玄海原発)、新潟(柏崎刈羽原発)など、原発立地地域から参加した人々が、各地の自治体の動きや状況に関して報告した。

平行線を辿る市民の政府交渉

 15時50分から政府交渉が始まった。まず、市民側の要請書を読み上げ、原子力規制庁企画調整官の御田氏に手渡した。

 交渉は、基準地震動の件から始まった。まず、市民側が「12月18日の審査会合で、原子力規制庁の小林管理官(地震・津波安全対策担当)が、大飯原発の資料を取り上げて、『基準地震動は、武村式でしか算出できない。すべり量2.91mを評価すべき』と発言している。基準地震動評価の方式は武村式にすべき、という意味になる」と述べて、関西電力に、入倉・三宅式以外で、地震動の評価を再提出させることを要請した。

 御田氏は「すべり量2.91mの真意とは、入倉・三宅式以外での評価方法も採用した方がいい、という意味だ」と繰り返すのみで、武村式での算出を関西電力に要求する市民側と、御田氏とのやりとりは最後まで決着しなかった。

「審査中」「答えられない」を繰り返す政府担当者

(…会員ページにつづく)

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「「原発で重大事故が起きたら、みんなでがんばる」という政府見解 〜地震動の過小評価は許せない!院内集会・政府交渉」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    根性で地震は止めれないし、放射能は防げません。馬鹿な政府に惑わされず、一人一人が利口になろう。

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