来月7月、新規制基準が施行される。規制庁は現在、基準策定の取りまとめの最終段階に入った。2013年6月12日、原子力規制を監視する市民の会による規制庁交渉が開かれ、規制基準の中身を巡り論議を呼んだ。
従来、原子炉等規制法で適用されてきた「原子炉立地審査指針」。原発事故が起きても周辺に被害が及ばないよう、敷地境界の放射線量や周辺住民の被曝線量の目安などを定めたもの。規制委員会は来月までにこれを見直すとしていたが、一転、指針は「非現実的だった」と位置づけ、これを廃止する。今後は立地審査は適用せず、シビアアクシデントが起きないよう、原子炉設備の安全対策を厳しく審査していく方針を明らかにした。
これに対し、市民らは猛反発。「指針を厳しくすることはあり得ても、立地についての安全審査を放棄するのは、法律違反ではないか」と抗議した。
さらに、規制庁は「我々は発電所の安全性に関する証明責任を負っていない」と発言。各原発が規制基準を満たしているかの審査は行うが、安全を証明する立場にないことを明確にした。しかし安倍総理は、規制委の規制審査にもとづいて、「安全が確認された原発から再稼働する」としている。