1月12日告示、19日に投開票が行われる名護市長選挙を控え、沖縄県名護市内で米軍普天間飛行場の辺野古沿岸部への移設問題をテーマとしたシンポジウムが開かれた。
現職の名護市長・稲嶺進氏の他、元沖縄県議会議長の仲里利信氏、沖縄国際大学教授の前泊博盛氏、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏がパネリストとして登壇した。シンポジウムを主催したのは、柳澤氏が理事を務めるシンクタンク「新外交イニシアティブ」。司会進行は弁護士の猿田佐世氏が務めた。
(IWJ・平山茂樹)
特集 2014年 沖縄県名護市長選挙|特集 日米地位協定
1月12日告示、19日に投開票が行われる名護市長選挙を控え、沖縄県名護市内で米軍普天間飛行場の辺野古沿岸部への移設問題をテーマとしたシンポジウムが開かれた。
現職の名護市長・稲嶺進氏の他、元沖縄県議会議長の仲里利信氏、沖縄国際大学教授の前泊博盛氏、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏がパネリストとして登壇した。シンポジウムを主催したのは、柳澤氏が理事を務めるシンクタンク「新外交イニシアティブ」。司会進行は弁護士の猿田佐世氏が務めた。
■ハイライト
冒頭、柳澤氏が、在沖縄米軍の「抑止力」をテーマに講演を行った。柳澤氏は、米国の対中戦略として、沖縄の海兵隊のプレゼンスは低下しているという現状を指摘。「沖縄の海兵隊は中国のミサイル3発で全滅する」という米国側の認識を紹介したうえで、沖縄の米軍は中国に対する抑止力とはなり得ず、むしろ米国は「尖閣諸島を巡る日中の軍事衝突に巻き込まれることを心配しているのだ」と語った。
にも関わらず、米軍の「抑止力」を理由に、普天間飛行場の辺野古への移設を推進する安倍政権を、「思考停止に陥っている」と批判。「(米軍基地の)県外移設に向けた””軍事的条件””は既に整っている。それを県民のために実現するのが政治の役割だ」と述べ、辺野古移設ありきで進められている日本政府の安全保障政策を批判した。
パネリストとして登壇した現職の名護市長である稲嶺進氏は、昨年末の仲井眞弘多知事による辺野古埋立承認について、「矛盾だらけだ」と指摘。「仲井眞知事はこれまで、振興策と辺野古の問題は切り離すと言ってきた。今回、それが覆えされた格好だ。菅官房長官も、振興と基地問題はパッケージだと発言している」と語り、仲井眞知事の判断を「県民に対する裏切りだ」と批判した。
映画監督のオリバー・ストーン氏や言語学者のノーム・チョムスキー氏など、アメリカの有識者29人が、普天間飛行場の辺野古移設に反対する声明を発表している。シンポジウムの最後に稲嶺氏はこの声明に触れ、「世界から辺野古移設反対の声が寄せられている。私たちの主張は世界から見て常識だ。自信を持って頑張りたい」と語り、辺野古移設に反対する考えを改めて強調した。