沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は27日、米軍普天間飛行場移設に向けた、国による名護市辺野古の公有水面埋め立て申請を承認。これに対し、那覇市の沖縄県庁周辺では正午より、承認の撤回を求めて県庁を包囲する緊急行動が行われた。約2,000人に及ぶ参加者の一部は、包囲行動の終了間際の13時頃、県庁内になだれ込み、1階ロビーは不承認を求める県民で溢れかえることになった。
(写真:IWJ沖縄中継市民 KEN子)
(IWJ・ぎぎまき)
特集 2014年 沖縄県名護市長選挙|特集 日米地位協定
沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は27日、米軍普天間飛行場移設に向けた、国による名護市辺野古の公有水面埋め立て申請を承認。これに対し、那覇市の沖縄県庁周辺では正午より、承認の撤回を求めて県庁を包囲する緊急行動が行われた。約2,000人に及ぶ参加者の一部は、包囲行動の終了間際の13時頃、県庁内になだれ込み、1階ロビーは不承認を求める県民で溢れかえることになった。
(写真:IWJ沖縄中継市民 KEN子)
記事目次
■1/2包囲行動前集会・県庁包囲行動・県庁内ロビー
■2/2包囲行動前集会・県庁包囲行動・県庁内ロビー(県議会議員面会要請)
■県庁包囲行動とうりずんの会記者会見
■県会議員野党会派記者会見
県庁周辺で抗議を行なっていた県民の一人は、「これは、埋め立てるか埋め立てないかだけの話ではない。戦後68年間、沖縄は新しい基地建設を容認したことはない。今回、沖縄が(自ら)『どうぞ』と言うことは、戦後、乗り越えなかった線を踏み越えてしまうということ。それが最大の注目事案だったが、知事は今朝の9時、公印が押された承認書を出してしまった。
県民に何の説明もないまま、何でそういう回答をすることになったのか、仲井真知事は東京に行って何を話してきたのか、私たちは一切知らされることがないまま、印鑑が押された。『民主主義って何なんだ』、ということが今、ここで行なわれている。
過去に同じような局面は何度もあったが、先輩たちが座り込みをし、運動を続け、選挙では勝つまで闘い続けてきて、今のような現状で留まることができていたのに」と、悔しさを滲ませた。
仲井真知事は15時から、県庁内で記者会見を開く予定だったが、体調不良を理由に、急遽、県庁から約30分離れた知事公舎に場所を変更。記者会見では、普天間飛行場(沖縄県宜野湾)の辺野古移設に向けた埋め立て申請を了承したと、正式に発表した。
県庁内で抗議を続けていた県民らは、携帯電話などを利用して、記者会見を視聴していた。仲井真知事の会見後、「稀代の悪党に成り下がった知事に沖縄を任せることはできない」と県民らは怒りをあらわにし、仲井真知事の退陣を求めた。県庁内のロビーには、「我々はこれからも屈することはない」と叫ぶ声が終始鳴り響いていた。
仲井真知事は記者会見の直前、与党の自民党県連や公明党県議会議員と面会し、辺野古埋め立ての承認について説明。しかし、説明を求めた野党議員に対しては面会にも応じず、申し入れを拒否。17時から、野党の県議会議員がこれに抗議する形で記者会見を開き、「知事は突然、東京で色々な条件付きで安倍首相と交渉し、承認した。知事は県民に説明するべきだ」と、今後、県議会として知事に説明責任を求めていく姿勢みせた。
記者会見での承認をめぐる知事の説明については、「承認しながら『県外』を求めていく、というのは理解不能な説明。それだけ支離滅裂な内容を飲み込まされたということだろう。残念でならない」と話し、知事の発言は欺瞞に満ちたものだったと批判した。
一方、沖縄県選出の国会議員である、照屋寛徳議員(衆)、玉城デニー議員(衆)、赤嶺政賢議員(衆)、糸数慶子議員(参)野党国会議員4人が連名で、仲井真知事の即時辞任を要求する緊急声明を発表。その中で、「県民の代表たる知事が民意に背き、沖縄を『カネ』と引き換えにするかのような行為に走ることは、言語道断である」と厳しく非難し、「辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」とする公約を堅持する稲嶺ススム名護市長を全面的に支援し、その勝利に向けて、全力を尽くしていく」と表明している。