5月8日金曜日午後5時過ぎから、岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏への緊急連続インタビュー第4弾を、「『歴史的円安』が凄まじい勢いで進行中! 悪性インフレ、株高、都市部では地価高騰を引き起こす一方、地方では逆に空洞化! 二極化が進み、富裕層が高笑いする一方で庶民はどう「生活防衛」すればいいのか!? 【後編】」と題して、ライブ配信した。
田代氏は、4月下旬(21日から29日)の中国に出張した。「中国はすでにシンガポールとかタイの人に対しては、もうビザなし(で渡航OK)と認めてるんですけども、日本に対しては認めていないという状態」にあり、日本人が中国に行くにはビザが必要である。
田代氏は、顧問をしている企業の、提携先の中国の企業の招待によって、ビザを得たという。田代氏は、出発前から北京で『CCTV』の取材を受ける予定であったが、それは「5年ぶりに訪れた北京の印象」がテーマの予定であった。しかし、歴史的な円安が大きな関心を中国で呼んでおり、急遽、「円安についてのコメント」を求められて、現地で急遽解説用の資料作成などを行って取材に応じたということである。
田代氏の中国訪問についてお話をうかがう予定であったが、「歴史的円安」と「少子化問題」で、時間が押し、また次の機会にお話いただくことになった。
日本は現在、歴史的な円安状況にある。しかし、一方で、株高や都市部の不動産価格が高騰するなど、「令和バブル」ともいえる状況にもある。この「令和バブル」は、「昭和バブル」とはどのように異なるのか。これは「失われた30年」からの脱出の糸口になるのか。
岩上安身「この歴史的な円安、円安が生む株価の上昇。それから不動産価格の上昇も生んでいる。
だから、安いときに株をたっぷり買ってあった、それから不動産も安いうちに買って持っていた、あるいは代々持っていた。それで資産がある、という人達にとっては、これは大変結構なことかもしれません。
が、株を持っていない人達、あるいは不動産を持っていない人達。とりわけ、若い人はこれから結婚して所帯を持って家を買おう、住宅ローンを組もう、と思っているわけですけれども。これが、不動産価格が上昇していくと、家も持てない、ということになるわけですよね。
都市部で家を持とうとすると、非常に狭小の住宅で暮らすしかない、ということになって、『子供を諦めようか』とか、あるいは『3人欲しいんだけど、1人だけにしておこうか』とか、そういう希望をもっていても、子供の数を減らさざるを得ない。少子化がすごく進んでしまうだろうと。今でも、(政府の)推計値をはるかに下回るような状態にあるんですから。
だから、ある者にとっては『高笑い』ですけれども、ある者にとっては『大変苦しい』という状態が起こっているわけです。
こういう中で、円安を止めるべく、政府・日銀も動いた。(1ドル=160円と突破した)そのタイミングで、ちょうどリアルタイムで、田代さんにご登場いただいて(5月3日第3弾)、解説していただいたんですけれども、実際問題としてこの円安に歯止めがかかるわけではない。その構造についてもお話していただきました。
実は、田代さんに連続して緊急インタビュー、本日4回目になるんですが、タイトルちょっと長いんですけど、タイトル通り、歴史的円安がすさまじい勢いで進行中です。
悪性インフレと株高が、都市部では地価高騰を引き起こす。一方、地方では逆に空洞化。これは地方と言っても東京対地方という単純な問題じゃないです。首都圏でも、ある一定の郊外になると、急に落ちるんですよね。そういう現象が起こっています」。
岩上は、「富裕層は高笑いする一方で、庶民は生活防衛をどうしたらいいんだろうか(と困惑している)」という2極化が進む状況だと、第3回の不動産価格を例に取って、指摘した。
話題はいよいよ、「歴史的な円安」「令和バブル」に入る。