日刊IWJガイド・日曜版「沖縄県宮古島付近で消息を絶った陸上自衛隊のUH-60ヘリコプターが1ヶ月を経て、6日、熊本県の八代港に到着」2023.5.7号~No.3888号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~沖縄県宮古島付近で消息を絶った陸上自衛隊のUH-60ヘリコプターが1ヶ月を経て、6日、熊本県の八代港に到着。

■5月に入り、IWJの第13期も残り3ヶ月に! しかしながら、IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 4月のご寄付は126件、209万3200円、月額目標の54%でした! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から4月まで9ヶ月間の累積の不足額は、1600万円を超えています! 5月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、ご支援をよろしくお願いします! また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■【中継番組表】

■記録的な量のロシア産石油を輸入する「インドが欧州のトップ燃料供給業者になった」と『ブルームバーグ』、専門家「あらゆる制裁にもかかわらず、ロシアの石油はヨーロッパに戻ってきており、インドが西側への燃料輸出を増やしているのはその好例だ」

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その57)>第三部 権力のはらわた「第十一章 不和の林檎は投げられた ―― 一九九二年十二月 ――」(part2)

■<今週の新記事振り返り>

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

■背後に「暴力団」が関与し、凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! ~4月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、3月7日と3月13日収録の「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
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■はじめに~沖縄県宮古島付近で消息を絶った陸上自衛隊のUH-60ヘリコプターが1ヶ月を経て、6日、熊本県の八代港に到着。

 おはようございます。IWJ編集部です。

 いよいよゴールデンウィークも残すところ今日1日となりました。旅行に出られた方も多かったのでしょうか。自宅でゆっくりと、花や緑、爽やかな風を楽しまれた方もいらっしゃったことかと思います。

 4月6日に、沖縄県宮古島付近で消息を絶った陸上自衛隊のUH-60ヘリコプターの海底から引き揚げられた機体が1ヶ月を経て、6日、熊本県の八代港に到着しました。

 『テレビ朝日』によると、機体はこの後、陸揚げされ、所属部隊がある熊本県益城町の高遊原分屯地に運ばれ、事故原因の調査が進められる予定です。

※機体を載せた船が熊本到着 沖縄 陸自ヘリ事故1カ月(テレビ朝日、2023年5月6日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000298209.html

 消息を絶った陸上自衛隊のUH-60ヘリコプターの主要部分は、5月2日に引き上げられました。『NHK』(2日)などの映像からは、機体の日の丸が確認できます。

 UH-60ヘリコプターには消息を絶った当時、10名の隊員が搭乗しており、そのうち6名の死亡が確認されていますが、まだ4名は行方不明です。

 5月1日には、6人目の隊員が引き上げられています。まだ見つかっていないほかの隊員の捜索が続けられています。

 『NHK』によると、機体は原型をとどめていないほど壊れており、操縦席を含めた胴体部分、テールと呼ばれる機体の後方部分、燃料タンクのほか、フライトレコーダーも回収したということです。

 防衛省によると、フライトレコーダーは、重さはおよそ3キログラムで、強い衝撃や水深6000メートルの深海の圧力にも耐えられる構造になっているということです。解析には今後数ヶ月かかるということです。

※陸自 ヘリ事故 機体を引き揚げ フライトレコーダーも回収(NHK、2023年5月2日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230502/k10014055671000.html

※陸自ヘリ事故 海中から隊員とみられる1人引きあげ 死亡確認6人(NHK、2023年5月1日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230501/k10014055291000.html

 上記『NHK』(2日)によると、陸上自衛隊でヘリコプターのパイロットを務めた元陸将の山口昇・国際大学教授は「これだけバラバラになるということは相当な衝撃があったということだと思う」に語っています。

 山口教授はフライトレコーダーが回収されたことについて、「データを取り出せる可能性は高いと思う。原因究明に向けて大きな手がかりになる」とも語っています。

 山口教授は3日、『TBS』に「普通の不時着をして、(海に)沈んでいく過程で(機体が)バラバラになることはあまり考えられない」とも語っています。

 海難事故などに詳しい東海大学の山田吉彦教授は『TBS』に2日、「機体が複数に分断されているので、“横倒しの状態”で墜落したのではないか」と語り、ヘリコプターの内部で何かが爆発した可能性もあげました。

 山田教授は3日、「ドアも燃料タンクもある程度、破壊の早い時期で外れた可能性もある。あるいは破壊が始まる前に外れることも否定はできない」と『TBS』に話しています。

 事故原因はまだ究明されていませんが、二人の専門家の発言から、消息を断ち、今回引き上げられたUH60ヘリコプターに、何か異常な事態が起きた可能性がうかがわれます。

※陸上自衛隊ヘリ事故 引き揚げ機体は“激しく損傷” 専門家「内部で何かが爆発した可能性も…」フライトレコーダー回収で原因究明へ【Nスタ】(TBS、2023年5月2日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/467589

※フライトレコーダー回収 事故状況解析急ぐ 陸自ヘリ事故 機体引き揚げ(TBS、2023年5月3日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/467866

 海上自衛隊出身で、笹川平和財団上席フェローの小原凡司氏は、『テレビ朝日』に以下のように語っています。

 「エンジンがふたつとも止まって、推力がなくなったとしても、“竹とんぼ”のように降りるオートローテーションという方法がある。

 それでも地上10メートル、20メートルぐらいから落ちた衝撃はあるが、それを緩和する機体構造をしているので、機体がここまでバラバラになるのは考えにくい。

 このような破壊のされかた、例えば、テールコーン(機体後部)が折れている状況からみて、着水させたというよりも、衝撃をもって海面に衝突した可能性が高い」

 小原氏は、ヘリの操縦経験をもつということです。

※「海面に衝突の可能性が高い」衣類やフライトレコーダー回収…陸自ヘリの機体引き揚げ(テレビ朝日、2023年5月2日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000297756.html

 UH-60ヘリコプターは、「UH-60 ブラックホーク」と呼ばれ、米国のヘリコプター製造会社シコルスキー・エアクラフト社(ロッキード・マーティン傘下)の製品です。

 UH-60ヘリコプターの運用開始は1979年に遡り、米陸軍、自衛隊、台湾の中華民国陸軍、オーストラリア国防軍などで運用されています。また、SH-60シーホークなどの派生型も多く、電子戦機や特殊作戦機など広く展開されています。

※UH-60 ブラックホーク(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/UH-60_%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AF

 英軍事週刊誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』東京特派員の高橋浩祐氏(4月7日)によると、今回宮古島周辺で消息を絶った陸上自衛隊のヘリコプターは、多用途ヘリコプターの「UH-60JA」でした。UH-60JAは、UH-60ブラックホークを自衛隊仕様にした機体です。

 高橋氏によれば、「UH-60JA」は三菱重工業がシコルスキー社とのライセンス契約にもとづき、国産化しました。2022年3月末時点で、陸上自衛隊は40機のUH-60JAを保有していました。

 高橋氏は、「UH-60JA」について、「先行機種のUH1Jと比べ、エンジンが双発で、キャビン収容人数(12人)や飛行速度(最大速度時速259キロ)、航続距離(約470キロ)、飛行制御システムといったほとんどすべての面で優れている」と高く評価しています。

 高橋氏によれば、1999年度末から「UH-60JA」の部隊配備が始まり、西部方面航空隊・西部方面ヘリコプター隊(佐賀県の目達原駐屯地)、第8師団・第8飛行隊(熊本県の高遊原分屯地)、第12旅団・第12ヘリコプター隊(栃木県の北宇都宮駐屯地)、第15旅団・第15ヘリコプター隊(沖縄県の那覇駐屯地)、第1ヘリコプター団(千葉県の木更津駐屯地)に配備されています。

 高橋氏は、海外で起きたUH-60の主要な事故を6件、紹介しています。

・1994年のイラクでの撃墜事故は、米空軍による誤射が原因。
・2015年の米エグリン空軍基地の墜落事故は、パイロットの空間識失調による制御不能が原因。
・2015年のコロンビアでの墜落事故は、悪天候が原因。
・2017年のイエメンでの墜落事故は、技術的な不具合が原因。
・2020年の台湾での墜落事故は、悪天候と人的要因で機体には異常はなかった。

※UH60ブラックホークに起きた海外の主な事故一覧 台湾で2020年に軍トップが搭乗し8人死亡(高橋浩祐、Yahooニュース、2023年4月7日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20230407-00344539

 高橋氏は、同4月7日に公開した記事で、米陸軍の調査によると、UH-60(クラスA)の事故の要因は人為的なミスが83%を占め、残りの17%は資材の故障だったと報告しています。つまり、機体自体の技術的な問題は比較的少ないと言えそうです。

 高橋氏は、UH-60の事故率は「比較的低い」と結論づけています。

 以上より、UH-60ヘリコプターには40年を超える運用の歴史があり、機体のベースとなる技術は熟していました。UH-60JAのベースとなった日本仕様であるUH-60JAは高い性能が与えられています。今回のUH-60JAが単純な事故である可能性は低いと考えて良さそうです。事故原因の究明が求められます。

■5月に入り、IWJの第13期も残り3ヶ月に! しかしながら、IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 4月のご寄付は126件、209万3200円、月額目標の54%でした! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から4月まで9ヶ月間の累積の不足額は、1600万円を超えています! 5月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、ご支援をよろしくお願いします! また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 5月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、残り3ヶ月となりました。

 4月の1日から30日までの30日間でいただいたご寄付は、126件、209万3200円でした。これは月間目標額390万円の54%にあたります。

 厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございました!

 しかし、今期第13期4月末までの累積の不足額は、1660万5900円となりました。

 ぜひ、皆さま、今月5月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!

 そして、累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、ウクライナ紛争と続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」の、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

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店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.5.7 Sun.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.5.8 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】13:30~「院内ヒアリング集会『原発政策の大転換・運転期間延長反対!~原子力基本法・炉規法・電事法などの改定束ね法案の問題点~』―内容:内閣府原子力政策担当との意見交換」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「再稼働阻止全国ネットワーク」主催の院内集会を中継します。これまでIWJが報じてきた原発関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/nuclearpowerstation

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■記録的な量のロシア産石油を輸入する「インドが欧州のトップ燃料供給業者になった」と『ブルームバーグ』、専門家「あらゆる制裁にもかかわらず、ロシアの石油はヨーロッパに戻ってきており、インドが西側への燃料輸出を増やしているのはその好例だ」

 『ブルームバーグ』は4月28日、インドは記録的な量のロシア産石油を輸入しており、欧州の燃料供給業者のトップになった」と報じました。EUは、対露制裁の一環として、ロシア産石油の禁輸措置をとっていますが、結局インド経由でロシア産石油を買い続けています。

 「ロシアの石油は、インドの助けを借りて、依然としてヨーロッパに電力を供給している」とブルームバーグは報じました。

※Russian Oil Still Powering Europe’s Cars With Help of India(Bloomberg、2023年4月28日)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-04-28/russian-oil-is-still-powering-europe-s-cars-with-help-of-india

 西側諸国は昨年12月、ロシア産石油に対して価格上限設定を行いました。この対露制裁措置について、JOGMECの原田大輔氏は、岩上安身によるインタビューで、価格上限設定の本当の狙いは、ロシア産石油の禁輸ではなく、ロシア産石油を安く買い叩くことが目的だと指摘しています。

 詳しくは、ぜひインタビューを御覧ください。

※米国主導の対露制裁がもたらした大矛盾!「ロシアは『主権のない国』である日本を見てない!」~岩上安身によるインタビュー第1109回 ゲスト 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 調査課長 原田大輔氏 第2回 2022.12.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513165

 ロシアは、石油価格上限設定の西側諸国の制裁措置に対し、価格上限設定に参加する国にはロシア産の石油を売らないと宣言しています。したがって、西側諸国はバーゲンセール状態になったロシア産石油を直接買い付けることはできません。価格上限設定に参加していない第3国経由で輸入するしかありません。

 ロシア産石油価格上限設定は、ロシア産石油の価格を押し下げ、ロシア政府の財政を逼迫させることには成功しました。石油と天然ガスが輸出の半分を占めるロシアにとって、石油が安く買い叩かれることは、やはりダメージがあります。

 実際、ロシアの第1四半期の財政収支(速報値)は、2兆4000億ルーブル(290億ドル)の赤字になりました。ウクライナ紛争の戦費などで歳出が急増した一方、エネルギー収入が減少したためだ、と『ロイター』が4月に報じています。

※ロシア財政収支、第1四半期は290億ドルの赤字 歳出増が重し(ロイター、2023年4月8日)
https://jp.reuters.com/article/russia-economy-budget-idJPKBN2W40PO

 この間隙に巧みに入り込んだのがインドです。インドは、市場価格の7割と言われる安値でロシア産石油を買い付け、それをディーゼルオイルやガソリンとして精製加工し、欧州に転売しているのです。

 市場調査を専門とするクプラー(Kpler)社のデータを用いて、『ブルームバーグ』は、インドは5月、「精製燃料のヨーロッパ最大の供給者になると同時に、記録的な量のロシアの原油を購入する」という見通しを立てています。

クプラー社主任原油アナリストのヴィクトル・カトナ氏「あらゆる制裁にもかかわらず、ロシアの石油はヨーロッパに戻ってきており、インドが西側への燃料輸出を増やしているのはその好例だ」(同『ブルームバーグ』)

 『ブルームバーグ』のまとめによると、2022年1月時点(ロシア軍進行前)、2023年1月時点、2023年4月時点(ロシア産石油価格上限設定の猶予期間)は、欧州が輸入したディーゼル燃料供給の相手国は以下のようになっています。

<2022年1月>(単位はキロバレル/日)
ロシア 1100.0
サウジアラビア 230.7
インド 35.0
3国の合計 1365.7

<2023年1月>(単位はキロバレル/日)
ロシア 882.8
サウジアラビア 350.5
インド 108.4
3国の合計 1341.7

<2023年4月>(単位はキロバレル/日)
ロシア 0
サウジアラビア 344.7
インド 365.0
3国の合計 709.7

 インドから欧州に輸入されるディーゼルオイルの量は10倍以上に伸び、サウジアラビアもまた昨年の1.5倍近く輸出量を増やしていますが、サウジアラビアを超え、首位に躍り出ています。

 インドが輸入するロシア産石油の量も、2022年1月の67.5(キロバレル/日)から、2023年4月には2100(キロバレル/日)と31倍に増えています。ロシアからの輸入は、インドの石油輸入全体のほぼ44%に相当するということです。

 『ブルームバーグ』は、EUはロシア産石油をインド経由でディーゼルオイルとして輸入しており、結局、「モスクワのバレルの需要を押し上げ(ロシア産石油の需要を促進し)」、EUはインドを経由する分の「追加の輸送量」を支払わなければならない、と指摘しています。

 『ブルームバーグ』はさらに、レプソルSA(Repsol SA)社の最高経営責任者であるジョス・ジョン・アイマズ(Josu Jon Imaz)氏が、ヨーロッパに違法に輸入されているロシアのディーゼルを取り締まるよう当局に求めたが、アイマズ氏が指摘したのは、「インド経由の取引についてではなく、ロシア発のディーゼルの流れ」である、と解説しています。つまり、表に出ない闇取引でロシア産ディーゼルが欧州に流れ込んでいることを示唆しました。

 たしかに、2022年1月時点で、ロシア・サウジアラビア・インドの3カ国からのディーゼルオイルの輸入量は1365.7(キロバレル/日)あり、2023年4月時点でそれが709.7(キロバレル/日)まで半減しています。656(キロバレル/日)のディーゼルが、欧州では急速に必要なくなったとは考えにくい事態です。

 あるいは、英国とノルウェーの領海に広がる北海油田で生産される北海ブレンドが急増しているのでしょうか。しかし、北海ブレンド生産量は日量700(キロバレル/日)を下回る程度で、倍増するのは無理があります。

 2022年の原油輸出量を前年比26%増し、平均3600(キロバレル/日)と過去最高を記録した絶好調の米国産シェールオイルが埋めているのでしょうか。米国産シェールオイルの生産量は1230(万バレル/日、12300キロバレル/日)です。それでも、欧州のディーゼルオイル輸入先1位のインドの365.0(キロバレル/日)よりも少ないのですから、656(キロバレル/日)分を供給しているわけではなさそうです。

米国の2022年の原油輸出量は過去最高を更新、エネルギー情報局発表(ジェトロ、2023年4月5日)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/04/e2755c835f54e6a0.html

 対露制裁を掻い潜り、「表に出ない闇取引」を介して、相当量のロシア産ディーゼルオイルやロシア産石油が欧州に流れ込んでいる可能性は否定しきれません。

 いったい、何のための対露制裁なのでしょうか。ロシア政府の公式統計で、輸出量が減ったとはいえ、民間企業を通じてのロシア産ディーゼルオイルは市場に出ていますし、その量も正確に特定できていません。

 何よりも、クアッドの一角として、中露と対立するインド太平洋戦略の要石のはずのインドが、対露制裁の有効性を無効化する動きをしていて、それを米国は止めることもできないのです。やめろと言われたら、インドはクワッドを抜けることでしょう。そんな脆弱な軍事同盟で、対中国戦争を戦うことなどできるはずもありません。

 インドに対しては、どちらの陣営につくつもりなのか、問いただしてから、米国は対中露戦略なるものを見直した方がいいでしょうし、日本はそもそもそんな馬鹿げた戦争にも制裁にも参加しないことが、国家のサバイバルにつながるということを、いい加減、政府も国民も自覚すべきでしょう。

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その57)>第三部 権力のはらわた「第十一章 不和の林檎は投げられた ―― 一九九二年十二月 ――」(part2)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

 下記URLから、初回の復刻連載(その1)をお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221120#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

 直近の復刻連載は、下記URLからお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その55)>第三部 権力のはらわた「第十章 ゴルバチョフの嘘? ―― 一九九二年二月、八月 ――」(part5)(日刊IWJガイド、2023年4月30日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230430#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52188#idx-4

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その56)>第三部 権力のはらわた「第十一章 不和の林檎は投げられた ―― 一九九二年十二月 ――」(part1)(日刊IWJガイド、2023年5月1日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230501#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52191#idx-6

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◆ポルトラーニン情報相が語る反対派との闘争の「内幕」

 ブルブリスやガイダルに比べると、ポルトラーニンの名前はややなじみが薄い。しかし世論を左右するマスメディアを束ねる新聞情報相という重要なポストにあったこと、そして最高会議の保守派勢力が主要な標的としてまず最初に彼に狙いを定め、執拗な「攻撃」を加えた点をみると、彼の更迭は、ブルブリス、ガイダルの解任に勝るとも劣らない重みをもつと考えていい。

 いうまでもなく、マスメディアは改革派にとって最大の「武器」である。ペレストロイカの諸政策の中で最大の成功をおさめたグラスノスチ(情報公開)は、エリツィン政権にもひきつがれ、世論を味方につけて急進的改革を先導してゆく牽引車の役割を果たし続けている。したがって、ポルトラーニンの更迭がもしグラスノスチの危機に直結するなら、それはそのまま改革路線の終わりと新たな社会統制の始まりを意味することになる。

 マクドナルド第一号店のあるプーシキン広場の交差点にほど近い新聞情報省をたずねると、ポルトラーニンが笑顔で出迎えてくれた。「元大臣」はまだここに執務室を構えることを許されているらしい。
――あなたはなぜ保守派の攻撃目標にされたのか。また、どうして辞任を決意されたのか。辞任に至る経緯とその理由をお聞かせ下さい。

 「率直にお答えしましょう。まず第一に、私とハズブラートフ最高会議議長との関係が、非常に緊張したものだったことは、あなたも御存知でしょう。彼はロシアにとって、大変危険な人物です。彼は、最高会議の警護隊と称して五千人の私的軍隊を組織していますが、問題はこの武装部隊が、最高会議のみならず、銀行や検察庁、外務省、放送局など、首都における最重要施設の警備を勝手に始めたことです。

 これはクーデターの基礎になりうるものです。九二年九月頃、私は誰よりも早く、この状況に対する懸念を表明しました。当時、エリツィン大統領はこの事実を知らなかった。保安大臣(旧KGB議長)も内務大臣もなぜか大統領に報告していなかったのです。

 非常に驚いた我々は、マスコミを通じてこの問題についてのキャンペーンを展開しました。その後、大統領は武装部隊の廃止を命じる通達を出しました。その結果、ハズブラートフ(*)は私を第一の敵とみなすようになったのです。彼は大統領に面会して直接、私をクビにすべきだとも主張しました」

 *グロズーヌイ市出身のチェチェン人。モスクワ国民経済大学の元教授。九〇年までは民主勢力の中でも目立たない地味な存在だったが、同年六月、エリツィンがロシア共和国最高会議議長に当選すると同時に、エリツィンの推薦によってナンバー2の第一副議長に就任。いきなり政治の檜舞台に立ち、スポットライトを浴びるようになった。
 九一年十月、エリツィンの後継として最高会議議長のポストに就くと、一転してエリツィンに反旗を翻し、巧みな政治手腕で反対派・中間派をまとめあげて、反大統領派のリーダーにのしあがった。九三年十月のモスクワ騒乱事件の際、最高会議ビルに立てこもり、逮捕されたが、九四年二月二十六日、下院の恩赦決議によって釈放されると、翌日、政界からの引退を表明。故郷のチェチェン共和国に戻ったものの、この「引退表明」は偽装にすぎず、半年とたたないうちにドゥダーエフ大統領に対する批判を展開し、政治活動を事実上、再開した。
 九四年八月、ドゥダーエフ大統領の退陣を前提条件に、各野党、武装勢力間の調停役として名乗りを上げ、ヘゲモニーを握ろうともくろんだが失敗。九五年十二月にはチェチェン共和国大統領選挙にいったんは立候補を表明しておきながら、共和国の混乱を理由に立候補を取り下げるなど、迷走しつつも政治的野心を捨て切ってはいない。
 九二年十一月、ハズブラートフの従兄弟がモスクワ市内でピストルの不法所持のため逮捕される事件が起きた。これに対し、ハズブラートフは例の武装部隊をただちに警察署へさし向け、勾留中の従兄弟を力ずくで「奪還」した。まるで無法地帯のギャングさながらのやり口に、世間の非難は集中したが、ハズブラートフは「私のイメージダウンを狙った、仕組まれた政治的挑発だ」とマスコミを通じて反論した。その後この問題は明白な結着をみないまま、うやむやになってしまった。

 武装部隊の問題が再びクローズアップされたのは、第七回大会の会期中のことだった。ハズブラートフは、「この部隊の編成は自分の命令によるものではなく、エリツィンの命令によるものだ」と発言し、同時にいったんは大統領令によって廃絶されたこの部隊の復活を宣言したのである。

 これに対するエリツィン側の反応は鈍く、今に至るもその部隊が何のためにどのような法的根拠で編成されたものなのか、明らかにされていない。ただポルトラーニンだけは、その部隊がクーデターに利用される可能性があると主張し続け、九三年に入ってからも、ハズブラートフとの間で激しい舌戦を展開している。
――矢面に立って保守派と対峙してきたあなたの辞任は、保守派の圧力に大統領が屈した結果ですか。

 「実は大会前に開かれた最高会議の場で、ガイダルを首相に推薦するかどうか討議されることになっていました。十一月二十六日頃ハズブラートフがエリツィンに電話して“取引”を持ちかけたのです。彼は大統領にこう言いました。『こういうステップをとっていただきたい。まずポルトラーニンをやめさせること。そうでなければ、我々はガイダルをやめさせる』と。

 その後、大統領は私を招いて、この電話の内容を打ち明け、『さて、どうしようか』と問いかけたのです。私は逆に『あなたは、この圧力をはねかえす力がおありですか?』と聞き返しました。

 彼の返答は、『我々のチームは、我々の共通の力です』という曖昧なものでした。

 エリツィン自身は、はっきりと私の進退について結論を下さない。ですから、私の方から、こう提案したのです。我々がひとつのチームであるなら、我々にとって今一番重要なことは経済改革のチームを温存することであり、それ以外の摩擦は無用なので、私は辞表を出しましょう、と。つまり、ガイダル・チームを守るために、それと引きかえに私は自ら身を引いたんです。我々が期待していたのは、取引の約束が守られること、すなわち大会においてハズブラートフ一派によるガイダル・チームヘの圧力が見送られることでした。しかし、約束は反古(ほご)にされてしまったのです」

 ポルトラーニンは、たしかに「率直」だった。権力者同士の取引は、権力構造の外部にいる人間には通常知らされることがない。こんな裏のエピソードが語られるのは、その取引が破綻したからこそで、無事に成立していればまったく表面化しないだろう。うわべは戦争さながらに戦っているかにみえる改革派と保守派だが、裏では日常的にこんな駆け引きが行なわれているわけである。

 少数民族のチェチェン人であるハズブラートフは、かねてからモスクワ最強のチェチェン・マフィアとの密接なつながりがとりざたされており、彼自身、麻薬常用者であるという噂すら流れている。最高会議の基金を使い込んだという疑惑も忍たれている。

 三年前まで彼はまったく無名だった。九〇年に代議員に選出されてから、猛スピードで政治キャリアの階梯を駆け上がり、保守派・中間派を糾合して反エリツィン陣営の領袖にのし上がってしまった。

 彼は何のため、どこへ向かって駆けていこうとしているのだろうか。

 「ハズブラートフはカフカスのチェチェン自治共和国から選出されました。つまり、彼に投票したのはチェチェン人の有権者です。しかし、チェチェンはもうロシア連邦からの独立を宣言し、チェチェンの兵士とロシアの兵士は今、国境線で武力衝突しています。彼が自分に投票した有権者の利益を代表するなら、ロシアに対して敵対せざるをえません。

 そもそもチェチェンが独立した今では、彼にはロシアの代議員としての資格があるかどうかすら疑わしい。にもかかわらず、彼は依然として代議員であり、しかもロシア最高会議議長という非常に高いポストにある。これは、どう考えてもおかしい。さらに問題なのは、彼がその地位を利用して利権をバラまき、代議員達を買収すると、代議員達の支持がまた増え、それによって彼の権力のステージもまたさらに高まるという、悪循環になっていることです。今や彼は反動勢力のゴッド・ファーザーですよ」

――彼がめざす最終的な目標は何だと思いますか?

 「彼は明らかに最高権力を狙っている。それは間違いない。確固としたイデオロギーやヴィジョンがあるわけではなく、ただ権力が欲しいだけです。その野心の達成のために、報復主義勢力を利用し、足場にしている。彼の一派が第七回大会で用意していた憲法修正案は、大統領の権限をなくすというものでした。それが可能になれば、ハズブラートフの権力はまったく無限なものになったでしょう」

 私怨もあるだろうから、ポルトラーニンがハズブラートフを罵るのは不思議ではないが、意外だったのは、「盟友」であるはずの保守派のバブーリンも、ハズブラートフを嫌悪していることだった。「彼の顔はできるなら見たくない。不愉快だからね。政治的には同じ保守派ということで、最高会議では歩調をあわせたりもするが、しかし私は彼をまったく信じていない」

 こうした言葉を耳にすると、彼らを「保守派」としてひとくくりにしてしまう見方がいかに単純なものであるかがはっきりする。それぞれの思惑や利害はまた別なのだ。

 「ハズブラートフの政治キャリアは、スターリンが権力を掌握していった軌跡によく似ています。スターリンもある時期まで、まったく目立った人物ではなかった。しかし派閥が群雄割拠していた当時、ある勢力は別の勢力に対する『打撃装置』として、スターリンを利用しました。スターリンを利用した連中は、利用するだけ利用したら彼を捨てて、自分達が権力を掌握するつもりでいましたが、逆にスターリンによって粛清されてしまった。こういうことは現代でもありえます。保守派や中間派は、今のうちにできるだけハズブラートフを利用しようと考えている。しかし、ハズブラートフはいざとなれば、彼らの背中を襲うでしょう」

(以上、「ポルトラーニン情報相が語る反対派との闘争の『内幕』」前半、後半は次回に続く)

■<今週の新記事振り返り>

「(原発)運転期間延長には何の根拠もない。審査では劣化は見つからない。『事故が起こって初めてわかった』では遅い。それを10年ごとの審査で発見していこうなど、とんでもないこと」~4.28 原発反対八王子行動 2023.4.28
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【第594号-596号】岩上安身のIWJ特報!背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し!ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題!岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー 2023.5.1
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「原発は平和時も有事のときにも使い物にならないガラクタ!!」~4.25 たんぽぽ舎・新ちょぼゼミシリーズ「原発をやめるべきこれだけの理由:老朽化と安全工学」―登壇:後藤政志氏(元東芝・原子炉格納容器設計者)2023.4.25
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前川喜平氏「総務省文書の問題点は、明らかに政治が放送の自由に介入しようとしたということ」!~4.30「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」記録集 出版記念シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか」2023.4.30
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「米中衝突は、一方が戦いを放棄し従属を認めたときのみ終了」!「中国は日本軍への大規模攻撃を検討、米国の最も有能な同盟国の1つを機能不全に」! ランド研究所(2022)『大国戦争の再発――米国と中国の間の体系的衝突のシナリオ』をご紹介! 2023.5.3
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ウクライナに停戦を!「70年、80年前、日本が半年早く降伏していれば、沖縄戦も東京大空襲も、いわんや、核が広島と長崎に落とされることもなかった。この悲惨な経験をウクライナにはしてほしくない」と鈴木宗男氏!!~4.26「アメリカの情報漏洩」「日露関係」東京大地塾  2023.4.26
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消費税・インボイスともに、利益など出ていなくても事業者は払わされる理不尽な税制 ~4.28 れいわ新選組「STOP!インボイス街宣!」―弁士:山本太郎 参議院議員(れいわ新選組代表)、安藤裕 元自由民主党衆議院議員 2023.4.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515742

「ヘイトクライムという憎悪を受けたこの祈念館が、人々に学びと希望を与える場として1年を迎えられたことを喜びたい」~4.30 ウトロ平和祈念館 1周年記念式典 2023.4.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515765

【IWJ号外】ウクライナが、ロシア大統領府内のプーチン大統領を狙ってドローン攻撃!? ウクライナは「ロシアによる偽旗作戦」と強弁!ウクライナ紛争は、第3次世界大戦への非常に大きな分岐点へ! 2023.5.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515882

「日本の政権はアメリカに認められないと存続できない。そのために岸田政権はアメリカを守るためにアメリカ製武器を買いあさる」末浪氏~5.3生かそう憲法 守ろう9条 5・3憲法集会 in 京都 ―講演:「アメリカの世界戦略を担う岸田大軍拡―いま輝く憲法9条―」末浪靖司氏(ジャーナリスト)2023.5.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515833

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

日刊IWJガイド「もはや歯止めのかからない『脱ドル』への動き! ブラジルが『BRICS内共通通貨の創設』を提案、アルゼンチンが人民元(幣)建て決済へ」2023.4.30号~No.3881号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52188
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230430

日刊IWJガイド「直前で中止されたシリアでのワグネル攻撃と、ロシアへの爆撃! 米機密文書でウクライナの『領土を越えて戦場を拡大する野心』が明らかに!」2023.5.1号~No.3882号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52191
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230501

日刊IWJガイド「ウクライナのザポリージャ原発に『米国の機密性の高い核技術』が存在! タッカー・カールソン氏も言及! IWJが独自検証!」2023.5.2号~No.3883号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52194
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230502

日刊IWJガイド「イエレン米財務長官が『早ければ6月1日にも米政府は債務不履行(デフォルト)に陥る』と表明!『経済、金融的な大惨事』になると警告も!!」2023.5.3号~No.3884号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52199
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230503

日刊IWJガイド「広島G7サミットは、ウクライナの主要支援国であり、米国の国債の大量保有国である米国債債権国という2重の性格をもった国家群の会合!」2023.5.4号~No.3885号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52203
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230504

日刊IWJガイド「IWJ号外を出しました! ウクライナが露大統領府をドローン攻撃!? ロシア側はウクライナを非難、報復を示唆するが、ウクライナは否定!!」2023.5.5号~No.3886号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52206
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230505

日刊IWJガイド・非会員版「<IWJ検証レポート>イベルメクチンは有効か無効か!? なぜ承認されないのか!? イベルメクチンの背後に何があるのか!?(第1回)」2023.5.6号~No.3887号
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52245
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230506

■背後に「暴力団」が関与し、凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! ~4月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、3月7日と3月13日収録の「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!」として、毎月発行しています。

 4月は3月に引き続き、3月7日に収録した「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」と、3月13日に収録した田崎氏への第2回インタビューをテキスト化し、詳細な注釈をつけて、第597号から第600号まで4本の記事を発行します!

 近年、特殊詐欺の手法が急速に変化しています。末端の実行犯を捕まえても「仕事」は分業化され、背後の首謀者までたどり着けない複雑な仕組みが作られています。コロナ禍で雇用環境が悪化し、割の良いアルバイト感覚で手を染める若者も多く、強盗や殺人に発展しかねない凶悪犯罪に加担している意識は希薄だといいます。

 今年2月初旬、フィリピンを拠点に活動していた特殊詐欺グループの幹部たちが逮捕され、日本社会に大きな衝撃を与えた「ルフィ事件」も、まだ全体の解明には至っていません。

 岩上安身は、こうした事件の背景を読み解くべく、『ルポ特殊詐欺』(ちくま新書、2022年11月10日初版発行)の著者で、神奈川新聞報道部デスクの田崎基(たさき もとい)氏に、2023年3月から4月まで4回にわたり連続インタビューを行ってきました。

※「今の特殊詐欺グループは、自転車の車輪がいくつも存在していて、そのハブのスポークが、また別の車輪のハブになっているみたいな円環構造」~岩上安身によるインタビュー第1111回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 2023.3.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514596

※背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! 岩上安身によるインタビュー第1112回 ゲスト『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏 第2回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514705

※「1日1億円、年間360億円以上の被害」「グルグルグルグル、反社会的な構造の中で、お金と人が回り続けている」~岩上安身によるインタビュー第1117回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 第3回 2023.4.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515232

※「特殊詐欺の背景と経緯、それを盤石とさせている者の言説が浮かび上がった」! ~岩上安身によるインタビュー第1119回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 第4回 2023.4.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515394

 田崎氏の『ルポ特殊詐欺』は、特殊詐欺グループが過激化し、実行役が強盗を強要されるほどになっている事実を、丹念な取材によって犯人側の視点から克明に描いたものです。

 4月発行の第597号では、3月7日のインタビューの後半から、第598号からは、3月13日のインタビューの前半から、要点を抜粋しています。

 以下、4月発行の、IWJ特報のタイトルと目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第597号の目次)
◆「オレオレ詐欺」から20年! 日本の長期停滞とともに歩んだ「トクサギ=特殊詐欺」の歴史を振り返る!
◆本物そっくりの警察手帳を持ったニセ警官が逮捕令状を持って家に来る!「腰抜かしますね。抵抗するのは難しい」
◆毎日1億円が特殊詐欺に奪われている! 最近では詐欺+強盗の方が「コスパがいい」と手口が過激化、凶悪化!
◆コロナ禍で失職や収入減に直面した若者が高収入を求めて「トクサギ」の世界へ! ターゲットの老人たちは感染対策のため在宅率が高かった!

(第598号の目次)
◆景気低迷、コロナ禍、少子高齢化で社会的弱者になった若者の怨嗟を煽り立てる者たち!「老人には死んでもらって、その金は若者に回せ」!?
◆報道されるのは氷山の一角! 100万円程度では警察も「はした金」的な対応? 結局、被害届を出さずに泣き寝入りした事例も多数!
◆さらに凶暴になる「トクサギ」第4世代! ターゲットの詳細情報を得たら電話すらせずに、いきなり家に行って脅す!
◆フィリピン、タイ、中国など海外拠点の設置、暴力団の関わり方など、「トクサギ」組織の構図や命令系統は刻一刻と変化している!

(第599号の目次)
◆フィリピン、タイ、中国など海外拠点の設置、暴力団の関わり方など、「トクサギ」組織の構図や命令系統は刻一刻と変化している!
◆逆探知を避けるため、「かけ子」を乗せた車で高速道路を爆走! 移動しながら詐欺電話をかけ続け、携帯のSIMカードはすぐ捨てる!
◆足のつかない中古のスマホと旅行者用SIMカードでネット接続。米国の電話番号取得アプリを利用、秘匿性の高いテレグラムに登録!
◆「かけ子専門業者」も出現! ターゲットが騙されると「受け子」と「出し子」が派遣され、奪ったものはQRコード式コインロッカーで別人が回収!

(第600号の目次)
◆継続した犯行パターンや人間関係がない流動的な「トクサギ」。マニュアルを覚えて勝手に「暖簾分け」も!? 誰も全体像を掴めない!
◆強盗、窃盗、住居侵入、時には殺人まで! ハイスピードで変容する特殊詐欺、そのほとんどは「1本の電話」から始まる!
◆時代の空気に合わせて、特殊詐欺のトレンドも変わる! 今も新しい騙しの手口が生まれ、実行されている可能性が!

 「岩上安身のIWJ特報!」は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 「岩上安身のIWJ特報!」は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、昨年ついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、前田啓)

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