背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」思想が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! 岩上安身によるインタビュー第1112回 ゲスト『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏 第2回 2023.3.13

記事公開日:2023.3.16取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

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 2023年3月13日、岩上安身は、神奈川新聞記者の田崎基氏に2回目となるインタビューを行った。

 岩上安身は、ルフィ事件の発覚から、並々ならぬ関心をこの事件に寄せてきた。

 岩上安身が、この事件に強い関心を寄せたのは、この事件が、高齢者だけがターゲットとなるのではなく、若い人から働き盛りからリタイアした人まで、ほとんど、全世代が、被害者にもなり、加害者にもなりえる、という認識からである。

 それを岩上安身は、端的にこう表現した。

 「超高齢化時代は詐欺の時代だった」

 その意味で、この田崎基氏への連続インタビューの目的は、進化する特殊詐欺の被害者にも加害者にもならないための「リテラシー」を提供することにある。

 第2弾のインタビューの中心テーマは、主に3つ。

 1つは、いわゆる古典的なオレオレ詐欺が現在どういう変質を遂げているのか。

 これは、犯罪の形態が電話を使っただけのオレオレ詐欺から、被害者宅に直接押しかけて、強迫や強盗や強盗致死などに至らしめる「犯罪の凶悪化・粗暴化」といった面がある。

 田崎記者は、この特殊詐欺の変質が顕著に表立ってきたのは、2021年からで、その結果が「ルフィ」事件であり、この急激な変化は、コロナ禍による失業が、きっかけのひとつになっている、と指摘した。

 重要な変質が、組織犯罪という観点から見た変質である。

 これまで、オレオレ詐欺は、捜査陣による一網打尽が可能な、かけ子の拠点があった。組織は指示役やかけ子(電話をかける)、受け子(被害者宅まで行き、現金あるいはキャッシュカードを騙し取る)、出し子(被害者口座から現金を限度額まで引き出す、あるいは別口座に限度額まで送金する)、回収役・ライダー(引き出した現金を回収する、出し子が兼務することもある)、リクルーター(それぞれの役割をリクルートする)などの分業が、一つの命令系統で統一されていた。

 かけ子の拠点を一網打尽にすれば、命令系統を上にたどり、使用者責任を特定することができたのである。

 この一網打尽と命令系統の追跡を避けるため、特殊詐欺集団は「進化」してきた。

 現在の変質したオレオレ詐欺は、役割の分業から、アウトソーシングへ移行し、それそれの役割が「業者化」し、独立したために、実行役をとらえても、命令系統は、縦につながっていないのである。

 田崎記者は、この点を具体的に次のように説明した。

 「私が実行犯から聞いたのは、かけ子の『業者』って言っていましたね。かけ子の業者から『刺さった案件があるよ』(詐欺被害に遭った人)と言って指示役に連絡が来る。ですから、この指示役はかけ子とは別系統の指示系統にいるんですよね。かけ子の業者からリクルーターだったり、その指示役だったりに連絡が来て、受け子・出し子を派遣する」

 いわば、組織がピラミッド型から、複数の命令系統が併存する円環型へ変質したと田崎記者は指摘した。

 2つ目の中心テーマは、現在、具体的にどのような特殊詐欺の種類があるのか、という話である。

 ここで、古典的なオレオレ詐欺に加えて、預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、キャッシュカード詐欺盗など、約10のバリエーションが語られた。それぞれが、どのような詐欺で、どうのように対処すればいいのか、防犯のためにも、ぜひ、ご視聴いただきたい。一般の市民が手口を知らないと、やすやすと詐欺被害にあってしまう恐れがある。

 田崎記者は、手口は、現在も変化しているので、11番目の詐欺が実際行われている可能性があると指摘した。

 そして、インタビューの3つ目の中心テーマが、「金主」の問題である。

 これは、岩上安身が暴力団との関連性を指摘し、特殊詐欺が単なる詐欺ではなく、暴力団が上部に君臨する構造を持ち、犯罪の投資を暴力団が行っていると指摘してきた点である。

 金主の問題について、田崎記者はこう述べた。

田崎記者「この分野は、私、裏が取れていないですし、会ったこともないですが、こういった存在(金主)がいるんだよいうことは、下の方の方々からは聞いてはいますけれど、実態がつかめない。ここ(パワーポイントの説明)ではヤクザを含めて書かれていますけど、どういう存在なのか、明らかではないと思います」

岩上「ヤクザは任侠道が表向きはありますから、こういうことをやるのはご法度だったんですよ。(中略)だけど、表と裏は違うのが現実だったわけじゃないですか。それと同じように、市民のみなさんに対し強盗殺人などあってはいけないと。そういうことがあったら許せないと。

 (ヤクザの中で)ルフィグループと関連しているんじゃないかと言われているようなところは、今、戦々恐々としている。うちは関係ないと言っていますが、(中略)常に(ヤクザの)名前が上がっているわけですよね。犯罪収益のあるところというのは、結局ケツもち(暴力団が個人や企業や商店等を庇護下に置き、用心棒代など対価を得る行為)を持たないとやっていけないという話があります。

 というのは、たとえば、蛇の道は蛇で情報が流れますよね。その情報が入れば、金庫がここにあるよというのがわかって、一般の人の金庫を狙って叩きに入る(強盗に押し入る)のと同じように、不良グループがそこに叩きに入るということがあるわけじゃないですか。

 そのとき、ケツもちがいないと、(対価を)取り返すこともできないわけじゃないですか。そういう意味でみかじめを持っていないと、強い組織がバックにないと、こういうことはできないんじゃないか」

田崎記者「一つ言えることは、特殊詐欺とそこから凶悪化した粗暴化した強盗とか窃盗とか押し込み強盗の一連の構図の中に、周辺者も含む暴力団等が何らかの形で関与しているということは私の取材の中でもわかっています。

 それがたとえば、金主という形で資金源となっているのか、他人名義のSIMカードを調達してきて、供給しているのか、あるいは、名簿を統括して、きれいに洗って精度を高めたものを供給するとか(後略)」

 このあと、詐欺の加害者になった場合、ヤクザとの関係で、どのような大きなリスクがあるのか、といった話題につながっていった。

 さらに、「金主」が具体的な犯罪の指示を出しておらず、犯罪の具体的な中身を知らないという意味で、お金の流れを摘発する民事の使用者責任を問えるのか、また、末端の実行役が犯した強盗殺人の刑事責任を問えるのか、という問題が語られた。

 もっとも重要な役割である「金主」を、きちんと摘発できる法制度が弱いのである。

岩上安身は、今回のインタビューの区切りとして、「ルフィ」事件に象徴される「特殊詐欺事件の変質」で注目すべき3点を次のように述べた。

岩上「ルフィ事件はこれからも、折々報じられていくんでしょう。しかし、肝心なことが記憶に残らないという気がします。(この変質した特殊詐欺事件には)大きな構造があって、表に出てきている人が全部ではない。一番上(暴力団などの犯罪資金提供者、いわゆる「金主」)も出てきていない。

 そして、被害を被った方から学べることもあるので、いかにして被害者にならないか、という点も必要ですね。

 社会の側には、こういう形で本気で防犯に取り組んでいただきたい。政治も行政も警察も司法も真剣に取り組んでいただけるようにアピールしていきたいと思います」

■ハイライト

  • 日時 2023年3月13日(月)15:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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