【IWJ号外】バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた! 『グレイゾーン』が、元ウクライナ政府高官の独占インタビュー!(その1)2016年米大統領選挙でトランプ陣営の「汚職」をでっちあげ! 2023.8.13

記事公開日:2023.8.13 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 新型コロナの症状が長引いて、全身倦怠感とひどい眠気と、おまけに下痢にも見舞われているさなかですが、これだけは急いで「号外」として出したいと思い、体調が好転するわずかな合い間をぬって、作業しています!

 日本の全マスコミは、どこもこれだけの大ニュースを取り上げていません!「バイデン戦争&汚職内閣」について、日本にはまともに報じられる記者クラブメディアは存在しない、ということです!

 皆さん、これは恐ろしいことです!

 ジャーナリズムへの一切ブレない超強力な意志を持ちつつも、きわめて脆弱な経営基盤に乗っかっているIWJは、他メディアでは代替がきかない、ということです!

 これまでもそうした場面はありましたが、記者クラブメディアの一紙も、独立メディアのひとつも、そっぽを向いていることはありませんでした。言うまでもなく、これは、まだ「ウクライナ紛争」の「洗脳」がきいているのでしょう。

 ボクサーがパンチをきかされて10カウント経ったらKOです。

 ウクライナ紛争から1年半、今に至っても、ぐらぐらして頭の整理がつかないのでしょうか?

 日本中のメディア関係者はパンチドランカーなのでしょうか!? と聞きたくなります。

 それらを相手にしていてもキリがないので、我々IWJは先に進みます。あとは皆様の高評価とご支援を待つのみです!


 『グレイゾーン』が7月13日付で「バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた」と題して、元キエフ外交官であるアンドレイ・テリシェンコ氏のインタビューを公開しました。インタビューと記事は、ジャーナリストのアーロン・マテ氏によります。

 記事の前文によれば、アンドレイ・テリシェンコ氏は、元ウクライナ政府高官、元ウクライナ外交官で、ウクライナ政界の内部事情に通じている人物です。

 インタビューでは、テリシェンコ氏が「ジョー・バイデンを含む米国の有力者たちが、ウクライナをいかに個人的な汚職と、ロシアを血祭りに上げる地政学的目的のために利用してきたかについて」語っています。

 記事の前文で、テリシェンコ氏の経歴が紹介されています。

 「元ウクライナ外交官で政界のインサイダーであるアンドレイ・テリシェンコが語る。

 元ウクライナ政府高官で外交官のアンドレイ・テリシェンコが、アーロン・マテと共に、ジョー・バイデンを含む米国の有力者たちが、ウクライナをいかに個人的な汚職とロシアを血祭りに上げる地政学的目的のために利用してきたかについて語る。

 テリシェンコは、キエフのウクライナ検察庁に勤務した後、2015年に駐ウクライナ米大使館に移った。テリシェンコ氏は、その後、バイデンの息子ハンターを優遇して取締役に任命したウクライナのガス会社、『ブリズマ』の代理人である、民主党運営のロビー活動会社、『ブルー・スター・ストラテジーズ』(※IWJ注1)で働いた。

 テリシェンコは、ルディ・ジュリアーニ(※IWJ注2)がバイデン夫妻のウクライナでの汚職疑惑について情報を掘り起こすのに協力した人物で、『米国の選挙における外国からの影響に直接的または間接的に関与、後援、隠蔽、その他加担した』として、米財務省から制裁を受けている。

 ゲスト:アンドレイ・テリシェンコ。ウクライナ政府高官、外交官を歴任した政治コンサルタント」。

(※IWJ注1)ブルー・スター・ストラテジーズ:米国のコンサルタント会社。同社のホームページには「ワシントンとパリに本社を置き、米国、ヨーロッパ、ラテンアメリカの政治分野を越えて世界中のクライアントにサービスを提供する、学際的な政府関係および広報に関する専門的なコンサルタント会社」とある。
 米国内国歳入庁(IRS)犯罪捜査部門の捜査官、ジョゼフ・ジーグラー氏は7月19日、米下院監視委員会の公聴会で、「ブリズマ社は贈収賄スキームの参加者全員に650万ドル(9億0900万円)を支払い、さらに数十万ドルがブリズマ社と取引関係にあったコンサルタント会社ブルー・スター・ストラテジーズに払い込まれた」と報告している。

(※IWJ注2)ルディ・ジュリアーニ:2018年にドナルド・トランプ大統領の顧問弁護士になり、トランプが、大統領選のライバル候補であるジョー・バイデンについて不利な証拠を見つけるため捜査するよう、ウクライナ大統領に圧力をかけていたことが発覚した。バイデン親子の捜査をウクライナに働きかけた中心人物として糾弾された。
 2020年の大統領選で不正投票があったと主張したジュリアーニ氏は、ニューヨーク州最高裁判所控訴部から2021年6月に、ワシントンD.C.でも2021年7月に弁護士資格の一時停止を受けている。

 テリシェンコ氏の経歴を見ると、2014年のユーロマイダン・クーデターの際にはウクライナ検察庁に所属しており、2015年には、クーデターに深く関わった米国の駐ウクライナ大使館、ハンター・バイデン氏の贈賄疑惑の渦中にある「ブルー・スター・ストラテジーズ」と、ウクライナ側から米国の関与が見える場所を渡り歩いてきたことがうかがえます。

 テリシェンコ氏は、米国のウクライナへの関与を知り得る立場にあり、トランプ大統領の弁護士であったルディ・ジュリアーニ氏に協力したために、「米財務省から制裁を受けている」ともあります。

 『グレイゾーン』によると、インタビュアーのアーロン・マテ氏は、ジャーナリスト・プロデューサーで、『グレイゾーン』サイト上でインタビュー番組「アーロン・マテと抵抗」の司会をしています。

 「アーロン・マテと抵抗」の最新番組は、7月30日に公開されたジョン・ミアシャイマー教授へのインタビューです。

 その前が、7月13日公開の元キエフ外交官であるアンドレイ・テリシェンコ氏へのインタビュー。

 その前は、3月2日公開のシーモア・ハーシュ氏へのインタビュー。

 その前が、昨年11月16日のダグラス・マクレガー大佐へのインタビューとなっています。

 2019年、マテ氏は『ネイション』誌のロシアゲート報道で、独立系メディアにおける優れた業績に贈られるイジー賞(I.F.ストーンにちなんで命名)を受賞しています。

 I.F.ストーン氏(イシドール・ファインスタイン・ストーン、1907-1986)は米国の調査ジャーナリストで、スターリンによるソ連国民の粛清と処刑を非難する、米国民の市民的自由と市民的・政治的権利に対する米政府の合法的侵害を告発するなどの業績を残しました。ストーン氏が生涯を通じて「イジー」というニックネームを用いていたことから、2008年に、独立メディア・パーク・センターが、「独立系メディアにおける特別な功績」を称え、「伝統的な企業構造の外で創設された文化、政治、ジャーナリズムに貢献した独立系報道機関、ジャーナリスト、またはプロデューサー」に送られる賞として、「イジー賞」を設立しました。

 それ以前は、マテ氏は『リアル・ニュース』と『デモクラシー・ナウ!』の司会者とプロデューサーを務めていました。

 マテ氏によるテリシェンコ氏へのインタビューは、粗訳で3万字を超える大部のインタビューとなっていますので、3、4回に分けてご紹介したいと思います。

 「バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた」(その1)では、冒頭部と、2016年の米大統領選挙において、ウクライナ系米国人やウクライナ大使館が、ジョー・バイデン副大統領(当時)やヒラリー・クリントン候補陣営と共謀して、トランプ陣営主要スタッフの「汚職疑惑」を作り上げていった経緯が語られています。

 以下が、インタビューの仮訳(その1)になります。


『バイデンの汚職がウクライナの破滅を招いた:元キエフ外交官』
アーロン・マテ、2023年7月13日

アーロン・マテ氏「『プッシュバック』へようこそ。アーロン・マテです。今回のゲストはアンドレイ・テリシェンコ氏です。

 彼は、元ウクライナの外交官で、ウクライナにおけるバイデン・ファミリーの記録を詳述しようとする努力のために、米財務省から、(※米国の)選挙に干渉した疑いがあるとして、制裁を受けています。

 アンドレイ、どうもありがとう」。

アンドレイ・テリシェンコ氏「お招きいただきありがとう、アーロン」。

マテ氏「このインタビューは、ガーランド・ニクソンのおかげだ、と言っておきたいと思います。彼は、YouTubeにチャンネルを持っていて、最近あなたにインタビューしましたね。そこであなたは本当に驚くべきことを語っていて、私はみんながこれを聞くべきだとおもました。

 あなたの経歴や背景を知らない人のために、ウクライナでの政府高官としての仕事について少し話してください」。

テリシェンコ氏「そうですね、マイダン・クーデター(※2014年)の直後、私はウクライナの第一副首相の上級政策顧問に任命されました。

 そして、ウクライナ検事総長の顧問に任命され、検事総長室内のすべての国際的なつながりや、彼の個人的な政治問題を監督し、米国大使館、カナダ大使館、G7のすべての大使館とウクライナ政府との協力に携わりました。

 その後、ウクライナ大使館の外交官となり、ホワイトハウスと非常に密接に連携して米国の選挙に携わりました。その際、ウクライナの選挙干渉に絡む汚職を目の当たりにして、私は6ヶ月勤務した大使館を辞職し、政治コンサルタントになりました。

 ワシントンのロビー会社である『ブルー・スター・ストラテジーズ』――『ブリズマ』社によってロビーされたロビー会社――と仕事をするようになり、そこで1年間働きました。そのために、私は内部から全てをみることができたのです。

 私の国で起こっていることが、ウクライナにとってショッキングな結果をもたらしていることに気がついた時、――ウクライナにとってだけではなく、そこで起きている汚職――私は真実を明かすことにしたのです。ウクライナの選挙干渉、ハンター・バイデンの物語、『ブリズマ』、『ブルー・スター』。

 そして、ルディ・ジュリアーニ氏と関わるようになったのです。その後、私は米上院議員――ロン・ジョンソン上院議員、チャック・グラスリー上院議員の2020年委員会――に証言し、証拠を提出した際に、制裁を受けました。

 米上院議員の委員会報告書87ページのうち、27ページが、私の証拠と、ホワイトハウスや『ブルー・スター』との電子メールでのやりとり、私が当時経験したこと、そして当時上院にオープンに提供できたことについて書かれています。

 しかし、ミット・ロムニー上院議員が上院委員会で私の召喚を阻止したために、彼ら(※ジョンソン上院議員、グラスリー上院議員)は、正式に私を呼び寄せるための十分な票を得られなかった。だから、私は今ここにいて、制裁を受けているというわけです」。

マテ氏「そうですね。とても興味深いお話です。共和党のロムニー上院議員は、あなたを証言させるために他の共和党議員の努力を妨害したのですね。ロムニーは何らかの理由で、あなたの話を聞きたくなかった。しかし、その話をする前に、まず、あなたは『ウクライナの対米選挙干渉問題で辞任した』、と言っていますね。それは2016年のことですか?」。

テリシェンコ氏「はい、その通り。2016年のアメリカ大統領選挙の期間でした」。

マテ氏「つまり、2016年の米大統領選挙の時に、あなたはワシントンの(※駐米)ウクライナ大使館で働いていたわけですね」。

(※IWJ注3)2016年の米大統領選挙:オバマ政権の後継である民主党ヒラリー・クリントン候補と共和党のドナルド・トランプ氏が熾烈な選挙戦を展開した。
 ウクライナは、2016年の米大統領選挙で、トランプ大統領に反対する民主党と協力した、と『RealClear Investigations』が報じている。「ウクライナ政府当局者は、オバマ政権とクリントン陣営の両方と協力して、2016年の選挙戦に介入してクリントンを助け、ドナルド・トランプを痛めつける広範囲かつ組織的な外国影響工作を行った」。

テリシェンコ氏「そうです」。

マテ氏「あなたは何をしていたんですか?」

テリシェンコ氏「私は政府高官となり、大使館の第三書記官を務めていました。大使館で働くことになり、招聘されて、どこの大使館でもやっているように、選挙を監督していました。

 彼らは、私を『ディープ・ステート』の一員だと考えていたので、私を巻き込もうとして、ドナルド・トランプ大統領候補、ポール・マナフォート(※IWJ注4)、カーター・ペイジ(※IWJ注5)、ジョージ・パパドプロス(※IWJ注6)、(マイケル・)フリン将軍(※IWJ注7)に、泥を塗る手伝いをさせようとしたのです。しかし、私は巻き込まれたくはなかった」。

(※IWJ注4)ポール・マナフォート:米国のロビイスト、選挙コンサルタント、弁護士。2016年米大統領選で、ドナルド・トランプ陣営に加わり、同年3月から8月まで選挙対策本部長を務めた。

(※IWJ注5)カーター・ペイジ:米投資銀行メリルリンチの社員としてロシアで働いていた経験をもつ、米国のエネルギー業界コンサルタント。グローバル・エナジー・キャピタル社を創業。選挙中にトランプ氏の外交顧問を務めた。

(※IWJ注6)ジョージ・パパドプロス:米国の政治顧問。ドナルド・トランプの大統領選挙運動の外交政策諮問委員会委員の一人。著作に『Deep State Target: How I Got Caught in the Crosshairs of the Plot to Bring Down President Trump(ディープステートの標的:トランプ大統領を引きずり下ろす陰謀の標的に私が巻き込まれた経緯)』(2019年)がある。

(※IWJ注7)マイケル・フリン将軍:2017年にトランプ大統領に国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命されたが、ロシア疑惑の発覚を受け辞任に追い込まれている。

テリシェンコ氏「彼らは私にチャルーパ(アレクサンドラ・チャルーパ)(※IWJ注8)と呼ばれる女性を紹介しました。これについて私は、ケン・ヴォーゲルが書いた2017年の政治記事
(※IWJ注9)で話しましたが、基本的に彼女は『汚れ』を求めていた。私は『ノー』といって断り、2カ月後に会社を辞め、キエフに戻りました。
 そうやって物事は動いていました。それは私が、ホワイトハウス内で見たものの一部です。私は、ウクライナ検事総長やNABU(ウクライナ国家反汚職局)の局長を通じて、ポール・マナフォートのような人物について、エリック・チャラメラや、ジョー・バイデン(当時の副大統領)の国家安全保障チームや、チャルーパがワシントンで話し合っている会合を目撃し、公式調査が行われる数週間前に、ジョージ・パパドポウラスやカーター・ペイジに関する報告を受けているのを目撃しました。
 そう、それが私が、残念ながら関わってしまった証人喚問でした。私はそれについて真実を公表しました。それ以降、私はリベラルメディアと『ディープステート』関係者、ネオコン達から中傷されるようになったのです」。
(※IWJ注8)アレクサンドラ・チャルーパ:弁護士。ウクライナ移民の両親のもとでカリフォルニアで生まれたウクライナ系米国人で、親ウクライナ活動家。民主党全国委員会(DNC)の民族評議会の共同議長を務めた。

(※IWJ注9)ケン・ヴォーゲルが書いた2017年の政治記事:『POLITICO』に掲載された「ウクライナのトランプ妨害工作が裏目に」という記事を指すと思われる。

マテ氏「そうですね。このことをよく知らない人たちのために説明しておくと、ウクライナ人がトランプを敗北させるために2016年の選挙に介入したという、すでに立証された疑惑があります。これは実際に、公然と認められています。

 数年前の『フィナンシャル・タイムズ』紙に、『ウクライナの指導者たちが親プーチンのトランプ大統領に反対するキャンペーンを展開』というタイトルの記事があります(※IWJ注10)。

 この記事の中で、ウクライナの高官たちが、トランプが大統領になるのを阻止しようとしていたことを認めています。なぜなら、2014年のマイダン・クーデター後に始まった、ウクライナのドンバスに対する代理戦争で、トランプが自分たちの後ろ盾になってくれないと感じたからです」。

(※IWJ注10)『ウクライナの指導者たちが親プーチンのトランプ大統領に反対するキャンペーンを展開』というタイトルの記事:Ukraine’s leaders campaign against ‘pro-Putin’ Trump(Financial Times、2016年8月29日)

マテ氏「そこで彼らは公然とトランプの勝利を阻止しようとし、あなたがおっしゃったチャルーパというウクライナ系米国人の女性と協力したのです。

 そして、これは基本的に選挙を妨害するための努力であったことが明らかになりはじめました。その(努力の)ひとつは、ポール・マナフォートへのこれらの秘密の支払いを主張する、いわゆる黒い台帳のリークで、それがマナフォートの辞任につながりました。

 しかし、その帳簿が本物かどうか、あるいはトランプ陣営に対する中傷工作の一部だったのかどうかも、疑問視されています。何か内部事情をご存知ですか?」。

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