2022年2月14日午後2時より、東京都千代田区の東京学院にて、佐々木寛・新潟国際情報大学教授による講演会「原発再稼働を止めるには?!」が開催された。
佐々木教授は、国際政治学、平和学が専門である。これまで、原発と核エネルギーと自然エネルギーについて、横断的に様々な分野の問題に関わってきた経歴を持つ。
佐々木教授は、2011年3月11日の東日本大震災を「第二の敗戦」と位置づけ、根本的な認識を再確認することから講演を始めた。
「(東日本大震災は)1945年の第一の敗戦に次ぐ敗戦だと思います。これは単に自然災害ということではなく、かなり政治・組織・社会の問題が集約している問題だったと思っています。日本が戦争に負けたのと同じような論理、失敗の論理というのが、やっぱりいっぱいあったんじゃないかと思います。
これはみんな忘れているんですけど、あれから11年経って、ほとんど処理がですね、つまり原発の事故処理は進んでいません。あと40年、50年、60年、もしかすると、70年、80年かかっても、目処が立つかどうかということです。
メディアではよく『廃炉』と言うんですけど、『廃炉』作業ではないです、これは。事故処理ですから」。
佐々木氏はまた、講演の中で、今現在、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した国際政治の危機的な状況を予言するかのような指摘も行っている。
「ウクライナとロシアは、今危ないですよね。そのときに、実はウクライナの指導者たちが一番心配しているのは、ウクライナの原発がロシアによって攻撃されることです。
残念ながら、ウクライナはチェルノブイリ原発事故後も、原発を稼働させているんですね。約半分くらいの電力を原発から調達しているんです。
ここが攻撃された場合、電力がなくなるだけじゃなくて、放射能が漏れますので、第2、第3のチェルノブイリになる可能性がある」。
佐々木氏の講演は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。