コロナ禍の原発差止めの申立てに対する大阪地裁の判断が下される2021年3月17日、「コロナ禍の中では原発を止めておけ!仮処分申し立て団」による「旗出し」が大阪府大阪市の大阪地裁前で行なわれた。
2020年5月、福井、兵庫、京都、大阪に住む6名の市民が、大阪地裁に、関西電力の高浜原発1~4号機,大飯原発3・4号機、美浜原発3号機の運転差止めの仮処分を申し立てた。
新型コロナウイルス感染症が拡大している現在、原発事故が起きれば、原子力災害対策指針や地方自治体の定める避難計画どおりに避難することで感染拡大を招いてしまい、安全に避難できないことを主な理由としていた。
判決の直前、はじめに弁護団の河合弘之弁護士がマイクを握り、「コロナで危ないから止めろというのは水平展開できる」、「日本中コロナが蔓延しているから、コロナ収束まで原発動かすなとなると日本全部の原発に共通の差し止め理由になる」と判決に対する期待感を述べた。
河合弁護士は、さらに、「絶対勝つとは言わないが、勝つ可能性はけっこうあると見ています」、「コロナの時期に原発を動かしていい理由はまったくないんです」と自信を見せた。
しかし、大阪地裁は住民らの申立てを退け、コロナ禍においても、原発の運転継続を許す判断を下した。
河合弁護士は大阪地裁の決定について「コロナで3密になって逃げられないじゃないかと、放射能被害からの避難とコロナを避ける対策についての判断は一切ありません」と報告し、「(大阪地裁は)逃げました」と切り捨てた。