「40年原則は完全に空洞化している」「(避難計画は)穴だらけ」「老朽原発の延長反対」――市民から怒りと不安の声が上がるなか、規制委が美浜原発の運転の20年延長を認可! 2016.11.16

記事公開日:2016.11.23取材地: テキスト動画
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(取材・文 芹沢あんず)

 「40年原則は完全に空洞化している」、「(避難計画は)穴だらけ」…市民から怒りと不安の声が上がるなか、原子力規制委は2016年11月16日、関西電力美浜原発3号機(福井県)の40年を超える運転を認めた。

 福島第一原発事故後、原発の運転期間は原則40年に制限された。例外的に20年の延長が認められることもあるが、運転延長に関しては、原子力規制委・田中俊一委員長も「相当困難」としていた。

 しかし今回の美浜原発の運転期間延長の認可で、今年6月に認められた関西電力高浜原発1・2号機に続いて、3機目の40年超えの原発の20年延長が認められることになった。

■全編動画

  • 日時 2016年11月16日(水) 10:00~
  • 場所 原子力規制委員会前(東京都港区)
  • 主催 原子力規制を監視する市民の会(告知

 規制委が美浜原発の20年の運転延長を認可した同日、原子力規制委員会が入っている建物の前では、市民による抗議行動が行われた。

 規制委の決定に対し、集まった市民からは、「40年原則は完全に空洞化している!」「老朽原発の延長反対!」と、強い抗議の声が上がった。

▲抗議行動の様子

▲抗議行動の様子

 「避難訓練をしてみると、(避難計画は)穴だらけ」と報告する女性の参加者もいた。

 「国は自治体に避難計画を任せている。避難訓練で、実際に避難所になるところに避難してみると、一人のスペースが僅かであったり、(原発事故が起きた際)、美浜・関西の住民が避難する時には、被ばくしながら避難するような内容」

 女性は、「住民からは、不安の声ばかりがあがっている」と、近隣住民からも不安の声が上がっていることを報告し、「規制委に腹立たしく思っている」と怒りをあらわにした。

 他にも、美浜原発近隣に家族が住んでいる女性は、「私の家族は美浜原発30キロ圏内に住んでいます、孫も住んでいます。絶対に運転延長を認めることはできない」などと述べた。参加者らは一様に、40年を超えた美浜原発の運転を延長することに対し、抗議や不安の気持ちを訴えた。

 美浜原発の運転期間延長の決定については、この日、規制委・田中俊一委員長の定例会見も取材している。ぜひ、こちらも合わせてご視聴いただきたい。

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