2021年2月5日(金)午後4時より、東京都千代田区の参議院議員会館において、「大間原発反対関東の会」「イロハネット」の主催により、「函館市大間原発建設差止裁判 第23回口頭弁論 報告と講演会」が開催された。
函館市が提起したこの大間原発建設差止訴訟は、日本で初めて自治体が原告となって原発の差し止めを求めた裁判である。
現在、青森県下北郡大間町に建設中の電源開発大間原子力発電所は、函館市から30キロの距離にあり、大間原発から50キロ圏内の函館市を含む北海道・道南区域には37万人の人々が暮らしている。
また大間原発は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す「核燃料サイクル」によって作られるMOX燃料を使用する、プルサーマル発電を計画している。
冒頭の開会のあいさつに続き、日本福音ルーテル稔台協会の牧師であり、宗教者核燃サイクル裁判原告団事務局メンバーでもある内藤新吾氏の講演「核燃サイクルはデタラメ、危険かつ平和に反す」が行われ、宗教者核燃サイクル裁判、六ケ所再処理工場の運転差止訴訟など、内藤氏がこれまで関わってきた反原発訴訟や運動、そして、原子力開発の歴史などについて語った。
続いて、同日午後3時から行われた第23回口頭弁論の内容について、弁護団のひとり、只野靖弁護士が、「大間原発敷地内にある活断層について」と題して報告をした。
只野氏によると、このたびの口頭弁論で原告弁護団は「大間原発敷地内の断層は典型的な活断層であり、新規制基準に照らして許されるものではない」と主張したが、「新規制基準が設定されて、もう6年が経過しているが、規制委員会でまったく決着がついていない」とし、「規制委員会がこの主張を認める可能性があるのかどうか、疑問である」とのことであった。
また、この報告・講演会に急遽駆けつけた社会民主党党首・福島みずほ参議院議員が挨拶をし、その中で、「原子力規制庁は、自分たちが作った基準を、自分たちが審査するときに守っていない。原子力規制委員会、そして、規制庁が本当に機能しているとは思えない」と批判しつつ、「裁判に勝つことができるよう、国会の中でも頑張っていきたい」と関係者にエールを送った。
講演会と報告の詳細、および質疑応答の模様は、ぜひ、全編動画を御覧いただきたい。