(再掲)安保法制適用第一弾は南スーダンでの「駆け付け警護」 政府は「戦闘現場」を想定している!? ~三輪隆氏(埼玉大学名誉教授)×井筒高雄氏(元レンジャー隊員)×岩上安身 2015.10.5

記事公開日:2015.10.21取材地: テキスト動画独自
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(記事:IWJテキストスタッフ・関根かんじ、記事構成:平山茂樹、文責:岩上安身)

特集 安保法制反対メッセージ

※10月21日テキストを追加しました!

 9月19日未明に「可決・成立」してしまった、集団的自衛権行使容認にもとづく安全保障関連法案。その適用第一弾は、陸上自衛隊による南スーダンでの「駆け付け警護」となる公算が高まっている。

 NHKは深夜に法案が成立したわずか3時間後、まだ夜も明けきらないうちに、「防衛省が南スーダンでの駆け付け警護を新たな任務に追加する方向で検討に入った」と報じた。真夜中に省庁でこんな決定が下され、取材に応じるとは考えられないので、これはあらかじめ取材してあった予定稿を、法案が「可決」したタイミングをもってリリースしたのだろう。

 南スーダンでの「駆け付け警護」に関しては、日本共産党の小池晃参議院議員が暴露した自衛隊の内部資料にも明記されており、政府は法案の成立前から、周到に準備していたことがうかがわれる。

 「駆け付け警護」とは、離れた場所で活動する他国軍やNGOが武装集団に襲撃された際、救出に向かう任務のことだ。これまでは、憲法9条が禁止する「海外の武力行使」にあたるとして認められていなかったが、今回の安全保障関連法案の「成立」により、可能となった。

 この「駆け付け警護」に関連し、自衛隊が実際の戦闘現場に駆り出されることになる、と指摘するのが、埼玉大学名誉教授の三輪隆氏である。

 三輪氏は、防衛省の資料「第一線救護の状況」や会議の議事録などを検討し、戦闘の前線である「第一線」として、政府が戦闘現場を想定しているということ、そしてそのような「第一線」での医療処置においては、救助よりも戦闘を優先する場合があるということを指摘する。「駆け付け警護」の名において自衛隊が行うのは、戦闘行為に他ならないのである。

 陸上自衛隊レンジャー部隊に所属した経験を持つ井筒高雄氏は、三輪氏のこうした問題提起を受けて、「実際、隊員は赤チンと絆創膏で自分の傷を処置することくらいしかできない」と、訓練のレベル、現場の実情について証言する。井筒氏は、三輪氏が指摘するような政府の対応について、「法律だけが先にできて、自衛隊員は準備もないまま海外に行かなくてはならない。防衛省の官僚は、自衛隊員の命などまったく考えていない」と憤った。

 インタビューでは、こうした駆け付け警護の危険性にはじまり、PKOの抱える問題点、南スーダンの実情、経済徴兵制の可能性など、幅広いトピックについて議論が交わされた。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2015年10月5日(月) 15:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都・港区)

安倍総理が最もやりたかったのがPKO法の改正~その実態は昔のPKOとは大違い! 住民保護、駆け付け警護は交戦まで容認される

▲埼玉大学名誉教授・三輪隆氏(左)と陸上自衛隊元レンジャー隊員の井筒高雄氏(右)

▲埼玉大学名誉教授・三輪隆氏(左)と陸上自衛隊元レンジャー隊員の井筒高雄氏(右)

岩上安身(以下、岩上)「本日は、憲法平和問題が専門の三輪隆・埼玉大学名誉教授と、元自衛隊のレンジャー隊員、井筒高雄氏をお迎えしてお話をお聞きします。

 安保法制が通ってしまいましたが、あれは『決議』ではなく『強奪』です。手続き上、重大な瑕疵があるのに、その3時間後、NHKは事前に用意していたかのように、南スーダンへの駆けつけ警護について報道しました。政府は、どんな戦闘現場を想定しているのか。自衛隊員の命が危険にさらされるのではないでしょうか。三輪さんは、その件について話したいと自らご連絡くださった。今日は、現場を熟知される井筒さんも交えて、お話をうかがいます。

 まず、『駆け付け警護』とは、どういうことでしょうか」

三輪隆氏(以下、三輪・敬称略)「PKO協力法の中にあり、離れた場所での他国軍、NGOが襲われた際に警護に向かう、武力紛争を想定した任務です。だが、日本政府は『武力攻撃があるまで』と武器使用をごまかしています。

 今まで、武器使用は警察官同様、正当防衛のみでした。しかし今後は、任務遂行に武器が使える。それも閣議決定だけで。国会承認をしない、としたのは問題です」

岩上「武器使用と武力行使という言葉の定義があいまいで、武器を戦闘で使うことができる。国会決議抜きで、事実上、戦闘可能ということですね」

井筒高雄氏(以下、井筒・敬称略)「安倍総理が一番やりたかったのが、PKO法改正です。住民保護、『駆け付け警護』で、交戦までできるからです。つまり、戦争です。現政権は、国民の反応を見ながら、アクセルを踏むかどうかを見定めるのでしょう。

 国連でも議論がありますが、すでにPKOはForce(力)で、住民保護のためなら先制攻撃で敵を制圧することも可能です。PKF(平和維持軍)で紛争解決するという方がわかりやすい。20年前のカンボジアPKOとはまったく変わっています」

三輪「90年代から大きく変わりましたね。旧ユーゴ内戦でのオランダ軍や、ルワンダでのカナダ軍は武力行使ができず、住民虐殺を見逃さざるをえなかった。それで、PKO部隊に武力行使の権限を付与しました。だが、今でも昔のPKOをイメージする国民が多いのではないでしょうか」

「南スーダン派遣ありき」で進んだ安保法制の国会審議~共産党が暴露した内部文書にも記載が

岩上「9月19日、安保法案可決の3時間後、NHKは『12月の部隊交代で、自衛隊は『駆け付け警護』で南スーダン派遣のため、訓練を検討』と報じました。また、共産党の小池晃議員が暴露した自衛隊文書は、すでに法案成立を見越したものでした。

 福島みずほ議員も、南スーダンでの『駆け付け警護』を想定していると気づき、国会で追及しました。中谷防衛相は、分析と研究だと弁明して、先取りを否定。福島議員が『駆け付け警護』の禁止理由を聞くと、中谷大臣は『憲法に反するため』と答弁しました。

 福島議員は、『南スーダンは大統領と副大統領派との争い。状況は刻々と変わり、敵と味方が逆になることもあるのに、なぜ、今の段階で『駆け付け警護』の可能性を言えるのか』と憤っていました。こういう戦況は、至る所にあるのではないでしょうか?」

三輪「PKO参加5原則には、紛争当事国の停戦合意の成立、当事国のPKO受け入れ同意などがあります。南スーダンは2013年から内戦状態で、8回の停戦合意がその都度、破られています。人口1100万人で難民が100万人規模で発生しています。PKO部隊は政府軍からも攻撃されて、国連は住民保護にミッションを変えました」

岩上「そんなところに日本が入っていくのに、何の議論もなく、利害も不明です。さて、ここでお聞きしたいのですが、『駆け付け警護』の『第一線救護』とは何ですか」

『第一線救護』〜イラク戦争におけるファルージャの戦闘を事例として持ち出し、自衛隊員が交戦で負傷するケースを検討していた防衛省

三輪「佐久総合病院の色平哲郎医師の指摘で知ったのですが、今年4月から、防衛省・自衛隊で『第一線救護における的確な救命に関する検討会』が始まりました。第一線とは、火戦、戦場のことです。その文書には、イラク戦争で、負傷兵を助ける兵士も撃たれた写真を引用しています」

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

岩上「『自分の安全を確保しながら救命のための措置をしなければならない。日常の病院前救護とは異なる手順が必要』とあります」 

三輪「第一線には一般隊員のみで、止血程度しか処置ができない。衛生兵も、それに準ずる要員もいない。それで、負傷兵を救護できる場所に搬送する。そこでは医師資格がなくとも、現行法で医療処置ができるように変えたらしいが、検討会では、この段階からの救命方法を議論しています」

岩上「安全な場所までケガ人を引きずって行くんですね。『大出血、気道閉塞、緊張性気胸の応急処置は救命の可能性が高いので重要視。衛生科隊員による止血、気道確保、外科的切開、胸腔穿刺、鎮痛・抗生物投与の処置』などと書いてあります」

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

井筒「助命には、気道確保と止血、体温を下げないことだが、今の国内法の医事法、薬事法では衛生兵は手を出せない。アメリカは、一般兵士がモルヒネを持ち、負傷者の痛みと意識を飛ばしてから止血して搬送します」

三輪「それで今回、自衛隊員には医事法など国内法を適用させないよう改正すると言いますが、検討段階です」

ベトナム戦争における米兵の死因の15%にあたる出血、気道閉塞、緊張性気胸を、政府は何とかしようとしている

井筒「他国軍なら一命を取り止めるケースでも、自衛隊の負傷者は、出血性ショックなどで戦死する可能性が高いのです」

岩上「しかし、合法になっても外科的な処置は訓練しないとできない。失敗して死ぬ場合も……」

井筒「訓練しても無理だと思います。防衛医大で対応しないといけません。ちなみにイラク戦争の時は、遺体修復技術などは習得しました。(負傷者処置をする)タクティカル・ケア・フィールドというのは、前線から一歩引いた場所でしょう。図ではトラックを描いていますが、海外では装甲車です。つまり、戦場を知らないんです。(自衛隊員の負傷者は)死んで当たり前と考えているんですね」

三輪「『ベトナム戦における米兵の死因分析』では、出血、気道閉塞、緊張性気胸による死が15%。中枢神経系損傷や四肢断裂は無理でも、この15%は第一線で処置できれば助かる。これを何とかしようと、政府は検討している」

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

▲防衛省の資料「第一線救護の状況」より

岩上「『『対テロ戦争における米兵の死因分析』では87%は医療施設収容前の死亡。うち25%は生存できた可能性がある。生存可能性のあった死因の91%は出血。気道閉塞8%、緊張性気胸1%。これは注目に値しますね。

 イラク・アフガン戦争で、米軍レンジャー連隊内の衛生兵のガイドラインで手技を拡大した。それまでは止血のみだったのを、輸血、挿管、輸液、外科的気道確保、胸腔穿刺を加えて、死亡率は下がった。なぜ、レンジャー部隊からなんですか」

井筒「まず、レンジャー部隊が工作や偵察をやり、危険が大きい。その後に本隊が来ます。民主党政権下で、南スーダン派遣から軍事的PKO派遣を検討し、地位協定も結びました」

安倍政権の海外PKO派遣に向けて道筋をつけたのは民主党だった

井筒「民主党政権でジブチ共和国に自衛隊の基地を作り、地位協定を結んだのですが、これは何をやっても許される不平等な協定です。今回、安倍総理の強行採決の背景には、民主党政権下での南スーダンPKO派遣があるので、民主党も大変罪深いと言えます」

岩上「安保法制を廃止するために、共産党が提唱した国民連合政府構想。そこに、自民党路線を引き継いできた民主党が手を上げて加わっても、今さら無理じゃないか、ということですね」

井筒「どれだけジブチで不平等な地位協定を結んだか、国会議員は調査も満足にせず、南スーダンPKO派遣も国連PKOだからいいか、という程度の乱暴なやり方で進めてきているのではないでしょうか」

岩上「長島昭久さん、前原誠司さん、金子洋一さんなど、民主党の右派議員は共産党の提案をすぐに否定しました。細野豪志さんなどは、岡田代表が志位委員長と会う必要すらないと言いました」

▲岩上安身のインタビューに応じる民主党の長島昭久衆議院議員

▲岩上安身のインタビューに応じる民主党の長島昭久衆議院議員

戦闘を有利に展開するため、重傷者はあきらめる、という事態も~戦場では「負傷兵の救命」は第一義的な任務ではない

三輪「第一線教護における救命検討会議事録では、『第一戦救護に臨床的な蓄積がない。病搬送前後の治療は格段に変化している。安全な場所に速やかに移動。移動中に自衛隊の可能な応急処置をし、安全な場所で一般の医療ルールで処置をする。弾の飛び交う中での処置は困難。裂傷が激しい場合のセーフティネットをどこまで許容するか。医療より戦闘が優先する場合がある。そういう時のメディカル・コントロールは一般的な概念はなじまない』と言明しています。つまり、作戦優先だと。

 『本当に適切かは戦術面から見なければならない。医学的視点からの検証だけではない』とも言っている。負傷兵でも重傷者はあきらめて、軽症な兵を治療し、戦闘に有利な方を選択する、ということですね」

井筒「戦場では、ミッションを成功させることが最優先です。通常、3割も兵が減ったら、ミッションは失敗。つまり、3割の兵が減るまでは遂行するのです。戦争なので、負傷者を助けることは第一義的な任務ではない。その中でどう対応するかが問題になります」

三輪「第一線救護における判断基準では、戦傷者数、敵の脅威、その他の危機、動けるか交戦可能かなどを確認すると言っていますが、実際はどうなんですか」

井筒「やっていません。国内演習では負傷者のケアも、ごくわずかしか訓練しません。海外兵との協働もない。これからは訓練するのでしょうが、今、行っている人たちはそんな話は聞いてない。現場は浮き足立ち、統率が乱れる可能性もある。

 また、(市街戦を想定して)演習場に市街地を作っているが、そこで、どう行動するかは訓練されていない。まず、街中で反射的に発砲できるのだろうか。来年度防衛予算の概要では、救急装甲車1台を買うかのレベルです。自衛隊は議論がすぐに現場に反映されるほど、システマチックな組織ではありませんから」

岩上「撃ちながら、負傷者を救護したりするわけですね」

井筒「訓練で負傷者救出をしますが、止血や気道確保、低体温の処置まではしません。レンジャー隊員すら、赤チンと絆創膏で自分の傷を処置する程度。今、自衛隊員の訓練中の死因は心臓発作が一番多いのですが、AEDを取りに行って適切な処置すらできないのが実情です。法律ができても、実戦では、まったく対応できません」

防衛省の官僚は、自衛隊員の命を考えてはいない~米軍と自衛隊員で携行医療品が異なるのは、そのことのあらわれ

▲三輪隆氏

▲三輪隆氏

岩上「米軍と自衛隊員は携行医療品も違う。米軍では、静脈路確保などで隊員がその場で針を刺すなど、できることが全然違いますね」

三輪「日本有事は現実的にはない、という考えだからですね」

井筒「自衛隊は、専守防衛で領土、領海、領空のために闘う。1990年代くらいまでは戦争ゴッコをしていればいい、という訓練でした。冷戦とは言いながらも、戦争するとか、海外に行くなどの意識はまったくなかった」

岩上「ソ連が北方から攻め入るなどは、現実的ではなかったということですか。でも、今の中国脅威論と比べたら、1980年代から1990年代初頭の方が危機感は大きかったのでは?」

井筒「確かに現実的な戦争の危機は、その頃の方が大きかった。だから、当時こういう話が出るなら、まだ辻褄は合う。

 今、自衛隊員が直面している一番の問題は、専守防衛で命を張る、という服務の宣誓です。在日米軍基地もあり、専守防衛すら現実的にはあり得ない。『命に代えても悔いはない』と国防を考えている隊員は皆無でしょう。救急キットしか持たないのは、そういう意識の現れ。防衛省の官僚は、自衛隊員の命は考えていません」

岩上「この件については防衛省は消極的だが、外務省は積極的だといいます。力を持って外交をしたい。威張りたい。国連の常任理事国になりたい、と」

井筒「まず、外務省は国連の敵国条項を外さない限り、矛盾しますよ。集団的自衛権で、米軍と一緒に中国を攻撃した場合、中国が敵国条項を使って日本を攻撃する可能性はありえます」

三輪「朝日新聞(2015年9月7日付)が、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場での陸自と米海兵隊の共同訓練で、第一線救護の訓練を実施した、と記事にしました。戦闘現場でのケアを検討、つまり隊員が、戦場に赴くことを予定しているんですね。そして医療ルールよりも戦闘を優先することも明らかになりました」

「戦闘になれば自衛隊は逃げます」と世界に発信した安倍総理~逃げるだけで反撃しないのなら、格好の攻撃対象になってしまう

岩上「散々、戦闘現場には行かない、危なくなったら逃げる、と安倍総理は発言していました。しかし、現実には自衛隊員は戦場に行くし、撃たれた時の応戦や負傷兵のケアをどうするか、議論もしている。だとしたら、あの国会での審議はまったく意味がなかったということでしょう。

 ここで話を変えますが、太平洋戦争全体では310万人が死亡しました。そのうち、軍人軍属は230万人。その6割の140万人は戦病死でした。かつ、ほとんどが餓死だったと、元将校で一橋大学名誉教授の故藤原彰氏が調べて発表しました。物資は現地調達という、兵站を無視した戦略だったからです。飢えれば免疫力が落ちて、病気にかかりやすくなる。飢えと病いは一体です。皮肉なことに今回、自衛隊は兵站を担うんですね。どうやって運用するのでしょうか」

井筒「相当、厳しい結果を突きつけられるでしょう。安倍首相は『戦闘行為になったら、自衛隊は逃げる』と国会答弁で言ったのです。それは世界に発信された。当然、『イスラム国』も、それを知る。自衛隊が逃げるだけで反撃しないのなら、格好の攻撃対象になってしまう。物資の強奪、自衛隊員を人質にとるなどということもありうる。安倍首相は、相手にいい材料を与えてしまった

 特殊訓練をしたレンジャー隊員ですら、戦争ストレスは想像を絶するものがあります。基地に戻っても自爆テロはあるし、休める時はない。戦闘自体より誤射や交通事故、自殺の方が多くなると危惧します」

岩上「治安戦では、ゲリラと市民が混在した状況です。そういうところで身の安全を守るとなると、動く者は撃たざるを得なくなりますね」

井筒「アフガニスタンでは少年でも銃を持っていますから、撃たなくてはならない。防衛省で一番行きたくないのが陸上自衛隊です。PKOで活躍するのは陸自。海自と空自が活躍するのは国対国の戦争の時です。これからの戦争は、対テロなど準国家的相手と戦うことになります」

岩上「太平洋戦争で、なぜ日本兵は230万人も死ななくてはならなかったのか。日本軍は降伏を認めなかった。『生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すことなかれ』という戦陣訓を叩き込まれた。国際法では捕虜の権利は保障されていたのに、日本兵にはそれを禁じ、捕まえた捕虜は殺した。こういう過去は、思い出さなくてはいけない。そう思います。

 ある記者会見で、元自衛隊の方(※)が『捕虜を尋問して自白させ、最後には殺してしまう訓練までやった』と告白しました。これからの自衛隊の派遣先は、テロリストも市民も混在したところです。そういうことはない、と安倍総理は否定しますが……」

※末延隆成氏
2015年1月まで自衛官(戦車部隊配属)を務めていた。11月5日(木)15時から、岩上安身がインタビュー予定。

11本の安保法案のうち、10本は目くらましで、本命はPKO法案だった!?

▲井筒高雄氏

▲井筒高雄氏

井筒「後方支援の兵站では、あまり関わらないとは思っています。むしろ、PKOでの住民保護の治安活動と『駆け付け警護』が、すべて関係してきます。検問、巡回でテロリストか住民かを見分け、そこで交戦、戦争になる可能性がとても高い。

 だから、11本もの法案はいらない。10本は目くらましの砲弾のようなもので、PKO法案のみの、『駆け付け警護』と住民保護だけで、すべての戦争ができてしまうんです。安保法制は、それが目的だったと解釈しています」

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  1. 非公開希望です より:

    岩上に言いたい。あなたは立派なジャーナリストだ。その精神をいつまでも忘れないでほしい。
    あなたを支持する人は多い。既存のメディアが国策報道をする中、国民は徐々にネットを信じつつある。
    今はまだ長い夜である。しかし明けない夜はない。遠い夜明けに向かってがんばろう。
    私はあなたのような武士の魂を持った日本人がいることを誇りに思う。
    今の日本にはあなたのような存在が必要だ。正義を語れる人、うそをつかない人。
    某ジャーナリストが徐々に安倍政権と擦り寄り反体制派の振りをしているが、視聴者には解るだろう。
    かつてはあなたのような魂があった。でも金が大事だ。一文の得にもならない、今や基準が金である。
    古賀茂明をはじめ、日本のために立ち上がった人には謝意を表明したい。そしてあなたも同様だ。
    私は生活が厳しくて会員になることはできない。でも自分が最低限できることとして友人に教えたりしている。
    今や朝日ですらも政権側になってしまった。いくらリベラルの格好をしても何も報じていないのだから真実は明らか。
    私はそういうジャーナリストの皮を被った宣伝広報機関を許せない。まだ日テレやフジのほうがマシである。
    私はあなた方が今の日本にジャーナリズムとしての一石を投じてくれていることに感謝している。それでは。

  2. 西遠寺 透 より:

    埼玉大学名誉教授三輪隆先生、元レンジャー隊員井筒高雄さんのお話を拝聴しました。

    井筒さんが謙遜されながらお話しされていた通り、日本国内の救急では心肺停止の人には蘇生を行いますが、戦場では脈や呼吸がなく他の生命兆候もない兵士は心肺蘇生されず、戦闘遂行が優先されるようです。

    今年、平成27年に防衛相で「防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会」が4回あり、安保法案強行採決前の9月に報告書案の検討をもって終了しています。その前に防衛省から「第一線救命隊員」資格創設について報道がなされています。

    報道その1
    産経ニュース 2015.9.6 08:53
    防衛省が「第一線救命隊員」を新設へ 離島防衛など想定 高度な医療行為を可能に
     http://www.sankei.com/politics/print/150906/plt1509060011-c.html
    防衛省が平成29年度にも第一線救命隊員の育成に着手する見通しを報じています。

    報道その2
    しんぶん赤旗 2015年10月4日(日)  自衛隊が戦争法具体化 米軍実戦例を検討
     http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-04/2015100401_01_1.html
    自衛隊に現在約760人いる救急救命士の資格をもつ隊員に、より高度な医療行為ができるよう「第一線救命隊員」の資格創設と養成教育プログラムを提案しています。ただ海外で医療体制が不十分なのは対談で再三ご指摘のとおりです。

    防衛省の検討会において、防衛省から提示された膨大な資料が公開されています。
     http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/kyumei/sonota/sonota.html
    検討会は、防衛省が用意したおびただしい資料を検討するというもので議事録もありますが、防衛省は相当アメリカ陸軍の医療知識を参考に資料を作成しています。
    三輪先生がお話の前半で使用された資料もこのなかにあります。

    この「防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会」は、東京都立広尾病院院長の佐々木勝医師が座長です。
    その佐々木院長は、なんと月刊WILLの11月号に寄稿しています。私は読んでいませんが安保法制には賛成であるが戦場の医療体制の不備により自衛隊員の死亡率が米国よりも高くなることを警告しているようです。

    佐々木院長の懸念を越え、安倍政権はさらに戦争にまい進しています。対談で岩上さん、井筒さんも話されていましたが、今後南スーダンのPKOを皮切りに、自衛隊員の戦闘行為により、死傷者だけでなく、生還者に心的外傷後ストレス障害(PTSD)が生じる恐れがとても高いと思います。どんな猛者も帰国時には同じままでいられないのは、日本の戦争、そしてアメリカの戦争で嫌というほど見せつけられているはずです。
    その一方、佐藤正久議員のように一見平然と功名に走る人もまたでてくるでしょう。

    安倍総理は国会答弁で自衛隊の安全や「リスク低下」を言ってはいましたが、その実、医療の不備による自衛隊員の戦死を、本当に嫌なことに、利用して国威発揚、与党支持、軍備強化、選挙での勝利に結びつけようとしているように思います。
    海外で自衛隊員が加わる戦争で負傷者が、仮に数十名以上でるとして、帰国する負傷者受け入れで日本国内は戦争対応モードになり、3.11で整備された医療関係機関の災害マニュアルやガイドラインがここぞと作動し、「爆発や銃創の医療経験のあるアメリカの協力」を得て戦時医療体制になるでしょう。

    来年の参議院選挙でこの流れを変えなくては。

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