米国に忠誠を誓う「軍人政治家」がペンタゴンで交わした「密談」の衝撃の全容! 防衛省内部文書・第二弾を暴露した共産党・仁比聡平議員に岩上安身が緊急インタビュー!  2015.9.3

記事公開日:2015.9.5地域: テキスト 動画 独自
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(IWJテキストスタッフ・関根)

※9月5日テキストを追加しました!

 「国際社会では、全体の構図を描けるリーダー不在の国は潰れていく。『フォーブス』誌の、世界で影響力のある人ランキングで、安倍首相は63位。そんな評価のリーダーだという意味を、もっと考えるべきです」──。

 2015年8月18日、東京都内のIWJ事務所に、元外務省国際情報局長・孫崎享氏を迎えて、岩上安身が6時間にも及ぶインタビューを行った。孫崎氏は、満州事変以降の日本の迷走について、全体が見えている人間がいなかったからだとし、「今も、原発、TPP、安全保障、全体的に見ていない」と指摘した。

 孫崎氏の近著『日米開戦の正体』では、満州事変から真珠湾攻撃へ至る経緯を、軍部、政治家、政府、社会の記録で裏付けながら浮かび上がらせていく。岩上安身は、現在の政治、世相の動向と比較しつつ、「今と重なるところが多い。われわれは同じような曲がり角にいる」と述べ、このままでは、やがて「日中開戦の正体」になってしまう、と警鐘を鳴らした。

 安倍首相が8月14日に発表した戦後70年談話について、孫崎氏は、「主語があいまいで、官僚の狡猾さが現れている。あとで内容を覆すつもりで、意味を変えられるようにできている」と指摘した。

 その上で、安倍談話に書かれている「積極的平和外交」を、まったくのまやかしだと述べ、「安倍首相の言う積極的平和主義は、平和を達成するという目的を見せながら、武力をもって行動すること。それを、積極的と言っている」と断じた。さらに、「国際的に法律を守る国際社会を作っていきたい」という部分を、「中国を牽制しているのだろうが、今、自分が違憲の政治をやっていながら、よく言うなぁと思う」と斬り捨てた。

■イントロ

  • 日時 2015年8月18日(火) 17:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京・六本木)

満州事変で爆発的に流行したイデオロギーが「日本精神」

岩上安身(以下、岩上)「孫崎さんの近著『日米開戦の正体』は、なぜ、日本が史上最悪の真珠湾攻撃に臨んでしまったのかを検証していくものです。そして今、われわれは同じような曲がり角にいる。そう考えて、この本をベースに著者の孫崎さんにお話をうかがいます。

 ちなみに、平時だったら、歴史もエンタテインメントで済むが、不穏な状況になると、歴史が急に現実味を帯びて、身に迫ってきますね」

孫崎享氏(以下、孫崎・敬称略)「それを的確に指し示したのが、天皇陛下のお言葉です。今上天皇の、『この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています』という、2015年の年頭所感。しかし、この言葉を知っている人は、ほとんどいない」

岩上「NHKは、2013年の天皇誕生日のお言葉の、『連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り』をわざわざカットして報道した。改憲への妨げになる、と上層部が判断したのか。ひどい放送局です。また、今年の終戦記念日の天皇談話では、今上天皇は『反省』の言葉をはっきり使われた。しかし、権力者は天皇を国権の強化に利用し、国民を公民にし、抗うことをできなくさせようとしています」

孫崎「自称右翼という人たちは、天皇制を強化するとは言うが、今の天皇の行動にはまったく注意を向けず、満州事変の軍部に近い。あの時も、天皇の考えとは逆のことをやっていった。それを、今上天皇は感じとっているのだと思います」

岩上「(自民党を離党した)武藤貴也議員は、『日本国憲法で破壊された日本人的価値感』として、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を批判しました。これらが日本精神を破壊する、との主張ですが、この『日本精神』とは、1931年の満州事変から爆発的に流行したイデオロギーです。

 それまで十人十色の解釈だった『日本精神』を、文部省主導で『尊王心』『天皇のために己を捧げて奉仕する心構え』とし、国策思想にした。つまり、今の憲法の三大原則とは対極の位置づけです」

日露戦争以後、冷静な軍事力の分析を避ける日本

岩上「では、『安倍首相の、満州事変に始まる侵略に対する歴史認識』から。安倍首相は70年談話で、侵略については、『歴史家の議論に委ねるべきだ』と述べ、私は知らない、とした。侵略の定義が定まっていないというが、だとすると、国際法を認めず、守らないことと同じです。

 2005年7月31日、テレビ朝日『サンデープロジェクト』で、共産党の志位和夫委員長の意見に対し、安倍さんは、『満州に対する権益は、ドイツから譲り受けた面がありますよ』と応じ、侵略を認めようとしなかった。ドイツの権益は山東省青島、南満州鉄道などの一部ですが、安倍首相は、侵略はないと言いたいのです」

孫崎「安倍首相は、侵略について歴史家の議論に委ねるべきと言うが、重要なことは、われわれは国際的な約束で何をしてきたか。それを基礎に現在を考えなければいけない、ということです。

 私たち日本の国際的約束とは、カイロ宣言を遵守するポツダム宣言受諾と、サンフランシスコ講和条約だ。そのカイロ宣言では、日本の侵略を明記している。ゆえに、歴史家の議論に委ねるべきではなく、その議論で折り合いをつけられる性質のものではない。

 さらに、満州の権益は、日露戦争の勝利で譲り受けたものだが、決して国際的に認められたものではない。『満州は日本の生命線』と、こちらが勝手に決めただけ。日本国民は、満州の権益をもらったと信じているが、それは間違いで、ポーツマス条約では南満州鉄道と遼東半島を譲り受けるだけで、満州の権益はない。

 満州を中国に返還する義務と、独占しないとした国際法の違反でもあり、欧米列強国の共同統治を反古にした。日露戦争の結果、ロシアから権益を譲り受けたとの認識が一般的になっているが、それも間違いです」

岩上「ロシアは日露戦争を続けたかったが、米英のバックアップでギリギリの講和で終った。このことは、日本国民は知らされなかった」

孫崎「1910年のGDP比では、日本が1、ロシアが7くらいの差。軍事支出では1対4ほどの開きがありました。だから、続けていたら確実に日本は負けていた。すべてに言えることだが、日本は軍事費などを冷静に説明しないのです。日露戦争も真珠湾攻撃の時もそうだし、今も、対中国では歴然とした軍備の差があるが、一切語らない」

岩上「日米大戦で明らかになっていますが、日本は必ず、『一撃を加えると敵がひるむので講和できる』と盲信する。中国に対しても一撃論で進撃した。蒋介石も、毛沢東と戦うため、日本軍に対しては後退したが、日本はそういうことをわかっていない」

孫崎「日本には、前線では勝てる、だから進攻する、という軍人はいても、長期戦で考えられる戦略家がまったくいない。もし、中国が簡単に戦争を決着させようとするなら、普通のミサイルを(尖閣ではなく)歌舞伎町や銀座、丸の内、渋谷に撃ち込めばいいのです」

岩上「石原慎太郎氏は、中国に勝ちたいと言うが、尖閣で1~2隻沈めるだけでは済まない。制空権を支配し、中国に上陸し、政治的にも屈服させなければいけないが、そんなことはできません。それに、戦争が始まったら、戦域は関係ありません」

安倍首相の70年談話は撤回すべき

岩上「安倍首相の70年談話は撤回すべきです。侵略は当時は許されていたという主張も一部であるが、第一次大戦以降、国際連盟の常任理事国で、パリ不戦条約に署名もし、9ヵ国条約も締結した日本が、中国に言いがかりをつけて侵略したことは明らかです。にもかかわらず、政治指導者が歴史をねつ造し、何が正義かをあいまいにすることは、再び、国を誤ることになります」

孫崎「小林よしのり氏は『この談話は安倍さんの本心ではない。本来、右翼は騒ぐべきだ』と言った。安倍談話には、官僚の狡猾さが現れている。主語をごまかし、本心とは全然違うが、攻撃されたらうまく防御できるような、言い訳できる文脈になっている。案の定、批判は少し弱まった。しかし、あとで覆すつもりで、意味を変えられるようにできています。

 安倍談話の危険性のひとつは積極的平和外交。これは、まったくのまやかしです。世界は、その意味は平和を強めると理解しているが、安倍首相の言う積極的平和主義は、平和を達成するという目的を見せながら、武力をもって行動するところです。そこを、積極的と言っている。

 この前、ここで話したジョージ・オーウェルの『1984年』に出てくる『平和は戦争』の差し替えです。私は最近、『1984年』を読み返して、その内容が安倍政権がやっていることと一致しているので驚いています。

 もうひとつ、安倍談話は、『国際的に法律を守る国際社会を作っていきたい』と言う。これは中国を念頭に置いているのだろうが、今、自分が違憲の政治をやっていて、よく言うなぁと思いますよ」

岩上「自分は法律は守らないけど、お前は守れ、と。『自分も麻生君も戦争には行かないよ。でも、お前たちは行け。平和の果実は俺たちがもらうよ。お前たちはもらえないけどね』ということ」

孫崎「なぜ、アメリカはずっと戦争を続けていられるのか。徴兵制がなくなったからです。徴兵制のあったベトナム戦争は、ハーバードもMITもすべての学生が徴兵対象で、学生たちの反戦運動の勢いが強くて止められた。その後、徴兵制をやめて、奨学金援助などの経済徴兵制で兵力をまかなうようになった。日本も格差社会を作り出しており、同じ環境が整いつつある」

岩上「戦争になったら負けるわけにいかないので、兵力増強の必要にかられた時、今でも少ない若者で、産業要員は足りるのだろうか。少子化も進むのではないか。いろいろな問題が生じてくる。それについては、(安倍政権は)何も考えていません。

 積極的平和主義の提唱者、ヨハン・ガルトゥング氏が来日しています。本来、積極的平和主義とは、諍いを生み出す差別、格差、貧困を積極的に是正しようとの意味。分かちあって平和を築くというのが、本当の意味なんです」

孫崎「実は、日本は東南アジアへの経済協力を、その思想でやっていました。経済格差で紛争が起こる。1950~1960年代は、それをなくすために、日本は経済協力を始めた。今は、アメリカが戦争をしている周辺国にお金を出すことに変わってしまった」

岩上「早い話が戦争のお手伝いです。日本はそういう方向にどんどん進み、常にアメリカの影を意識しないとならない。安倍談話は、経済ブロック化を批判するが、TPPは推進する。また、将来にわたって謝罪を続けることをさせない、などと耳に心地よい言葉が続くが、白紙にして、また日本が暴れることができるようにしてある。だからこそ、天皇陛下の言葉が重要になってくるのです」

「日本に甘かった」リットン調査団

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2件のコメント “米国に忠誠を誓う「軍人政治家」がペンタゴンで交わした「密談」の衝撃の全容! 防衛省内部文書・第二弾を暴露した共産党・仁比聡平議員に岩上安身が緊急インタビュー!

  1. 【岩上安身のツイ録】「盗聴法」は違憲立法! 冤罪を生み出す構造を放置し、人権を軽視したあげく、権力の乱用を狙う警察・検察の狙いとは――海渡雄一弁護士のニュースレターを特別掲載!
    【IWJブログ・特別寄稿】えん罪をなくせ! 盗聴法の拡大と司法取引の導入に反対する国会議員と弁護士・市民の集い(編集 足立昌勝 関東学院大学名誉教授)
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/盗聴法(通信傍受法)

  2. アメリカは何時かは日本から引き上げる時が来る。これはどう考えても起きる事。第三次大戦が起きない限り可能性のあること。
    そのような時が来た時の為に、自衛隊を僕にする為自衛隊幹部を洗脳しているのだろう。
    犬は育てられれば、その恩は忘れない。飼い主が顔を見せればシッポを振って迎える。
    特に日本人にはそういう性癖が強い民族なのだろう。アメリカはその辺を良く研究し、利用している。
    自衛隊も戦力拡大は自分達の利権権力強化はオイシイ話以外ではない。

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