「抑止力」をどう評価するか 集団的自衛権をめぐり議論~国際地政学研究所特別ワークショップ「集団的自衛権行使容認のこれから」 2014.8.12

記事公開日:2014.8.14取材地: テキスト動画
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(IWJ・平山茂樹)

 解釈改憲による集団的自衛権行使容認が7月1日に閣議決定されて以降、政府・与党の関心は、来年の通常国会における関連法案の提出に移っている。9月初旬に内閣改造を行う意向の安倍総理は、関連法案の整備を担当する「安保法制担当相」を新たに設置する考えを表明した。

 集団的自衛権の行使により、日本の外交・安全保障政策はどのように変化するのか。元内閣官房副長官補の柳澤協二氏が理事長を務めるシンクタンク・国際地政学研究所が集団的自衛権行使容認の是非を問うパネルディスカッションを開催し、推進派、慎重派の双方が議論を交わした。

 この日登壇したのは、柳澤氏の他、拓殖大学教授の佐藤丙午氏、政策研究大学院大学教授の道下徳成氏、国会図書館調査局調査員の福田毅氏の4名。佐藤氏がモデレーターとなり、柳澤氏が集団的自衛権に慎重な立場から、道下氏が推進の立場から、福田氏が法整備の観点から、それぞれ持論を展開した。客席には、民主党代表の海江田万里氏も聴衆の一人として姿を見せた。

■ハイライト

  • 登壇者 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、佐藤丙午氏(拓殖大学教授)、道下徳成氏(政策大学院大学教授)、福田毅氏(国会図書館調査局調査員)
  • 日時 8月12日(火) 17:30~
  • 場所 アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)

集団的自衛権行使容認により、日本の「抑止力」は向上するのか

 柳澤氏は、安倍総理が強調する、「集団的自衛権行使による抑止力の向上」という点について疑問を呈する。冷戦終了後、米ソ間による核の相互確証破壊戦略による抑止効果は終わりを告げた。現在、米中間で行われている覇権争いについて、柳澤氏は、「経済的合理性による抑止」が働いているため、戦争へとエスカレーションする可能性は極めて低い、と指摘する。

 経済的なつながりが戦争を防ぐ機能をはたしているとき、その抑止効果を解除するのが、過剰なナショナリズムである。その典型例が、尖閣諸島の領有権をめぐる、日中間での感情的な対立だ。柳澤氏は、現在求められているのは、ナショナリズムの高揚によって起きる突発的な衝突を避けることだと指摘。集団的自衛権の行使容認が、はたしてこうした危機管理に沿ったものであるかどうか、疑問を呈した。

集団的自衛権行使容認の最大の目的は、各国との共同訓練への参加

(…会員ページにつづく)

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