集団的自衛権の行使で、自衛隊の担う役割が大幅に変わる。今後、自衛隊は「対テロ戦争」の時代に、どのような使われ方をするのか。柳澤協二氏が代表を務める「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」が7月26日にシンポジウムを開き、「対テロ戦争」を軸に問題提起した。
(IWJ・原佑介)
特集 集団的自衛権
集団的自衛権の行使で、自衛隊の担う役割が大幅に変わる。今後、自衛隊は「対テロ戦争」の時代に、どのような使われ方をするのか。柳澤協二氏が代表を務める「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」が7月26日にシンポジウムを開き、「対テロ戦争」を軸に問題提起した。
■ハイライト
当時、内閣官房副長官補だった元防衛官僚の柳澤氏は、イラク戦争開戦当時を次のように振り返る。
「イラク戦争では5000億円を出して、1万人の自衛隊を派遣した結果、イラクはどうなった? 米国が始めてしまった戦争を誰も止められない、というのが当時の政府の認識だった。なんとか米国を手伝うことを考えなきゃね、と」
その上で、「我々が『米国へのアリバイ作りができればいい』という考えをやっていた。こんなところで犠牲者を出してはいけない、というのが最優先課題だった」と明かし、「(参戦したことで)日本企業が儲けたということもない。日本の存在感はどうなったのか」と疑問を呈す。
柳澤氏は、イラク戦争で米国に追従したことの検証が必要だ、と指摘し、「検証には痛みが伴う。個人の名誉や痛みでなく、日本全体が国民の負託を受けた。政治が賢くなるためにも、検証は必要だ。そして検証結果を、世界に向けて発信していかなければいけない」主張した。
国際政治学者で千葉大学教授の酒井啓子氏は、「外交的な文脈と無関係なところで、『自衛隊をどう使うか』という議論が横行している」と指摘する。
「ODAで済まされることはたくさんある。あるいは中東でテロがある背景には、一般の政治闘争でダメだったから武力に依存する、という一面がある。国際社会の外交の舞台で解決できていれば、テロに至らなかったこともたくさんある」
酒井氏はさらに、「米国との関係を最優先するあまり、自衛隊をどう利用するか、リアリティをあまり考えていない」と述べ、イラクを見ずに米国だけを見て自衛隊を使う、という政府の姿勢を批判した。
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間違いだった戦争を支持した北岡らを重用し集団的自衛権行使を可能にした安倍政権を断罪せよ。
イラク戦争の検証は、小泉政権の罪、対米従属、集団的自衛権を考えることに繋がる。「終わったこと」にしてはいけない。
米国との関係を最優先し、米国だけを見て自衛隊を使う、という政府の姿勢を批判
イラク戦争で日本が米国に追従したことの検証が必要、有識者らが「対テロ戦争」を軸に問題提起 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/157428 … @iwakamiyasumi
イラク戦争では5000億円を出して、1万人の自衛隊を派遣した結果、イラクはどうなった?検証=日本の自立なのだ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/521218310109556737