【第204-213】岩上安身のIWJ特報!知られざる福沢諭吉 侵略の肯定、そしてヘイトスピーチ~名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏インタビュー 2015.7.2

記事公開日:2015.7.2 テキスト独自

 「『強い日本』。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。『一身独立して一国独立する』。私たち自身が、誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で、自ら運命を切り拓こうという意志を持たない限り、私たちの未来は開けません」――。

 これは、2013年2月28日、第183回通常国会における、安倍総理の施政方針演説の中の冒頭の一節である。


「差別」の先にあるのは「殺戮と戦争」――「強者に擦り寄り弱者を叩く」安倍首相は「ヘイトスピーチそのもの」、有識者らが現政権を批判 ~ シンポジウム「ヘイトスピーチとナショナリズム」 2015.6.11

記事公開日:2015.6.16取材地: テキスト動画

 「ユダヤ人はシラミ」。ナチス・ドイツがポーランドを侵略した際に張り巡らしたというポスターを掲げ、参議院議員の有田芳生氏は、同じような表現が日本のヘイトスピーチでも使われていると訴えた。

 2015年6月11日(木)に文京シビックセンターで開催されたシンポジウム「ヘイトスピーチとナショナリズム」で議論が交わされた。


自民党の「改憲」街宣に市民らが「戦争反対」のカウンター抗議! 〜新宿駅西口に鳴り響いた「帰れ」コール 2015.6.7

記事公開日:2015.6.7取材地:

 「戦争反対」「安保法制は違憲」「憲法を壊すな」——。登壇した自民党議員の演説、そして自民党支持者の声援をかき消すほど、新宿駅前には多くの抗議の声がこだました。

 2015年6月7日、自民党は「憲法改正」をアピールするため、全国100カ所で街頭演説を行った。その一つ、14時から新宿駅西口で行われた街宣には、70人近くの聴衆が詰めかけた。しかしそのうち50人ほどを、自民党の安保法制や改憲に抗議する市民が占めた。


「万端を差図せられた事実がある」 朝鮮国内のクーデターを実際に支援していた福沢諭吉~岩上安身によるインタビュー 第545回 ゲスト 帯広畜産大学教授・杉田聡氏インタビュー第2弾 2015.5.23

記事公開日:2015.5.26取材地: テキスト動画独自

特集 平成から令和へ天皇と日本の歴史を考える
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 「一身独立して一国独立する」――。安倍総理は2013年2月28日に行われた所信表明演説の中で、福沢諭吉の言葉を引用し、「自助自立」の重要性を強調した。

 しかし、安倍総理の言う「自助自立」とは、消費税増税によって家計を圧迫しつつ、法人税減税によって大企業を優遇し、社会保障費の削減で労働者を生きにくい状態に追い込み、外交面では集団的自衛権の行使容認によって米国への属国化を徹底させるというものだった。弱者をくじき、強者になびくという、偽りの「自助自立」である。

 こうした安倍総理の思想の起源は、どこに求められるのか。それは、安倍総理が引用した福沢諭吉に由来するのではないか。そう考えた岩上安身とIWJは、これまで、名古屋大学名誉教授の安川寿之輔氏や、帯広畜産大学教授・杉田聡氏へのインタビューを通じ、福沢諭吉が残した原典を徹底的に検証することで、その差別的・拡張主義的性格を明らかにしてきた。


超低賃金労働の果てに警官に射殺された中国人労働者 「現代の奴隷制」外国人実習制度がレイシズムへ連鎖 ――ジャーナリスト安田浩一氏が見た日本社会の根底に潜む闇 2015.4.21

記事公開日:2015.5.20取材地: テキスト動画

特集 秘密保護法

※5月20日テキストを追加しました!

 「ある縫製工場では、来日1年目の外国人実習生は時給200円。2年目に50円昇給。3年目にようやく時給300円。経営者は実習生を『うちの子』と呼びながら、過酷な労働を強いる。私は、これがレイシズムや人種差別、排外主義に結びつくと考えている」──。

 秘密保護法違憲訴訟東京原告団講演会が2015年4月21日、東京都千代田区の岩波セミナールームにて開催され、ジャーナリストの安田浩一氏が「外国人労働者問題と秘密保護法」と題して講演を行った。


ARIC 設立シンポジウム~ヘイトスピーチ被害の実態把握に向けて――日本のレイシズムをどう『見える』ようにするのか―― 2015.5.10

記事公開日:2015.5.10取材地: 動画

 2015年5月10日(日)13時30分より、東京都世田谷区の北沢タウンホールにて、ARIC 設立シンポジウム~ヘイトスピーチ被害の実態把握に向けて――日本のレイシズムをどう『見える』ようにするのか――が行われた。


『レイシスト・カウンター』上映会後のトーク ―泥憲和氏、李信恵氏、わたなべりんたろう監督 2015.5.6

記事公開日:2015.5.6取材地: 動画

 2015年5月6日(水),大阪市淀川区のシアターセブンで、わたなべりんたろう監督の映画「レイシスト・カウンター」の上映会が開催された。映像は、上映会後に行われた泥憲和氏、李信恵氏、わたなべ監督によるトークの模様。


【IWJブログ】生活保護世帯の子どもは「根が腐る」!? 札幌市長選の自民党候補が過去にヘイト発言連発 2015.4.11

記事公開日:2015.4.11 テキスト

 今、貧しい状態にあるとして、そこに至るには、様々な理由がある。能力も勤労意欲も高いのに、不慮の事故や病気で働けなくなった場合もあるだろうし、家族の大黒柱が働けなくなり、進学を断念したケースもあるだろう。

 貧しさには、様々な理由があるのだ。

 なんでこんな当たり前のことを書かなくてはならないかというと、日本の子供の6人に1人が貧困状態にある(厚生労働省HP:平成25年 国民生活基礎調査の概況)という痛ましい現状が我々の眼前に広がり、それを前提として、「貧しさは世襲する」などという、少しも笑えない愚かな発言が、政治家を目指す人間の口から飛び出してきているからだ。

 「生活保護は遺伝する、世襲制と言われる」

 「(生活保護をもらっている世帯の子どもは)根が腐ってしまう」

 貧困が遺伝によるものであるかのように断じ、在特会も顔負けのヘイト発言を連発したのは、2015年4月12日投開票の札幌市長選に自民党推薦で立候補している、本間奈々氏(45)だ。


「天は人の下に人を造る」 元祖「ヘイトスピーカー」で元祖「新自由主義者」の福沢諭吉の実像に迫る ~岩上安身によるインタビュー 第521回 ゲスト 帯広畜産大学教授・杉田聡氏 2015.3.29

記事公開日:2015.3.30取材地: テキスト動画独自

特集 平成から令和へ天皇と日本の歴史を考える
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※2015年4月3日、テキストを追加しました。

 「天は人の上に人を造らず」――。福沢諭吉の『学問のすゝめ』に記されたこの一節は、「人間の平等を説いた」ものとして、あまりにも有名である。

 しかし、新刊『天は人の下に人を造る―「福沢諭吉神話」を超えて』(2014年12月、インパクト出版会)を発表した帯広畜産大学教授の杉田聡氏は、本書の中で、そのような平等主義者とは真逆の、差別主義者としての福沢諭吉像を提示している。

 杉田氏によれば、福沢が平等を説いたのは、あくまで中産階級に属する男性に限定してのことであって、農民や職工、さらに女性に対しては、徹底した差別主義者だったという。


李信恵さん『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』出版記念『ヘイトスピーチ』上映会後のゲストトーク:泥憲和さん+ITOKENさん 2015.3.1

記事公開日:2015.3.7取材地: 動画

 3月1日(日)、兵庫県神戸市の元町会館「黒の小部屋」にて、市民社会フォーラム主催による、李信恵さんの著書『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』(影書房、2015/1)の出版を記念した、ドキュメンタリー映画『ヘイトスピーチ』の上映会が行われ、上映会後に行われた泥憲和さん(男組神戸本部長)とITOKENさん(C.R.A.C. WEST)によるゲストトークの模様を中継した。


日本外国特派員協会主催 朝鮮学校への「ヘイトスピーチ」裁判事例に関する記者会見 ―冨増四季弁護士(京都第一初級学校嫌がらせ事件弁護団事務局) 2015.2.26

記事公開日:2015.2.27取材地: 動画

 2月26日(木)、東京都千代田区の日本外国特派員協会にて、日本外国特派員協会主催による朝鮮学校への「ヘイトスピーチ」裁判事例に関する記者会見が行われ、京都第一初級学校嫌がらせ事件弁護団事務局の冨増四季弁護士が会見した。


人種差別扇動のヘイトスピーチを許さず、李信恵さんの「反ヘイトスピーチ裁判」を支援する東大阪の集い 2015.2.21

記事公開日:2015.2.23取材地: 動画

 在特会・桜井誠元会長とインターネットサイト「保守速報」に対し損害賠償を求める裁判を起こした李信恵(リ・シネ)氏を支援しようと上瀧浩子氏(弁護士)・安田浩一氏(フリージャーナリスト)らを招いて「人種差別扇動のヘイトスピーチを許さず、李信恵さんの『反ヘイトスピーチ裁判』を支援する東大阪の集い」が、2月21日(土)18時半より大阪府・東大阪市立市民会館において開催された。


「ヘイトスピーチは確実に人を壊し、社会を壊す。戦争と同じ」 100年の時を越えて重なる「弾圧」と「沈黙」の社会気流――「大逆事件とヘイトスピーチ」ジャーナリスト安田浩一氏が講演 2015.1.26

記事公開日:2015.2.2取材地: テキスト動画

特集 IWJが追ったヘイトスピーチ問題|特集 戦争の代償と歴史認識

※2月2日テキスト追加しました!

 「大逆事件とヘイトスピーチ」と題した講演会が1月26日、参議院議員会館で行なわれ、ジャーナリストの安田浩一氏が登壇した。

 安田氏は、1910年に明治天皇の暗殺を企てたとして12人の社会主義者が処刑された大逆事件と、ヘイトスピーチが蔓延する現在の社会背景を重ね合わせ、「もっともあってはならない暴力だ」と主張。ヘイトスピーチに関する法整備の必要性について言及した。


すべての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸集会 2015.1.25

記事公開日:2015.1.26取材地: 動画

 1月25日(日)、兵庫県神戸市中央区の神戸市立会館勤労会館にて、「対話で平和を!日朝関係を考える神戸ネットワーク」主催による、「すべての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸集会」が開催され、関東学院大学非常勤講師の明戸隆浩氏が、「ヘイトクライムをなくすために」と題して講演を行った。


「捏造記者」という捏造 「不当なバッシングには屈しない 」~ 岩上安身によるインタビュー 第502回 ゲスト 元朝日新聞記者・植村隆氏 2015.1.10

記事公開日:2015.1.20取材地: テキスト動画独自

 「私は間違った記事も、吉田証言にもとづく記事も書いてない」──。

 一部のメディアやインターネット上で、「韓国の従軍慰安婦について、捏造記事を書いた」と名指しで非難されている元朝日新聞記者の植村隆氏は、さまざまな事実を提示しながら、自分への攻撃の理不尽さを語っていった。

 2015年1月10日、東京都内で、岩上安身による北星学園大学非常勤講師で、元朝日新聞記者の植村隆氏へのインタビューが行なわれた。


【IWJブログ】NHKでサザンがヒトラーの「チョビ髭」、タモリが「憲法改正」を疑問視―自主規制によってひたすらトボケ続けるメディアの中で、政府の暴走に国民的著名人が堂々プロテスト発言 2015.1.2

記事公開日:2015.1.9 テキスト

 年末のNHK紅白歌合戦に31年ぶりの出演を果たした、J-Pop界のトップランナー、サザンオールスターズ。

 紅白には出ないと思われていた国民的アーティストのサプライズ出演には誰もが驚いたが、それ以上に、桑田氏がステージ上で安倍政権批判を全面に出したことが大きな波紋を呼んだ。


「排外デモ」傍観はできない ~在特会らを提訴した李信恵氏「橋下大阪市長には『在日特権などない』と言ってほしかった」 2014.11.15

記事公開日:2014.12.26取材地: テキスト動画

 2014年8月に、個人で初めてヘイトスピーチ(差別扇動表現)をめぐって民事訴訟を起こしたフリーライターの李信恵(リ・シネ)氏が、11月15日、神戸市内で「ヘイトスピーチを許さない社会へ」と題した講演を行った。

 李氏は、在特会(在日特権を許さない市民の会)、会長である桜井誠氏(11月末で会長辞任を表明)、まとめサイトの「保守速報」に対して損害賠償を求めて提訴している。

 9月5日に開かれた外国特派員協会での記者会見で、李氏は自分がインターネット上のヘイトスピーチに苦しめられているとし、「特に、匿名掲示板、2ちゃんねるなどの差別発言を抽出・編集し、『出て行け』『死ね』などを強調加工した『まとめサイト』はひどい内容」と怒りを示した。


【IWJブログ・大義なき解散総選挙】「なぜ解散するんですか?」選挙戦中盤で改めて問う!安倍総理は逆ギレするのではなく「小学4年生」の素朴な疑問に正面から答えるべきだ! 2014.12.29

記事公開日:2014.12.9 テキスト

 あの騒ぎを、少し落ち着きを取り戻した今、改めて振り返る――。

 「小学4年生・中村」の名を語り、「どうして解散するんですか?」というWebサイトを立ち上げ、今回の解散総選挙に疑問を呈していた青木大和氏。批判されにくい小学生になりすまし、安倍政権を批判したことが卑怯だとして、青木氏は、不特定多数のネットユーザーから莫大な数の罵声を投げつけられた。

 本来であれば、こうした「炎上」は時間の経過とともに忘れられてゆくものだが、この炎上騒ぎに一国の首相である安倍晋三総理大臣が登場したことで事態は急展開。安倍総理が、若干20歳の大学生のイタズラに対して、本人を事実上名指ししたうえで「最も卑劣な行為」と「キレた」のである。

 青木氏をめぐる炎上騒ぎとはなんだったのか、そこに突如として現れた安倍総理の思惑はなにか。ここで振り返りたい。


「昭和一桁」と重なりあう、現代日本の軍事国家化 今こそ、昭和史から教訓を引き出すべき時〜岩上安身によるインタビュー 第482回 ゲスト ノンフィクション作家・保阪正康氏 2014.11.13

記事公開日:2014.11.14取材地: テキスト動画独自

 “稀代の悪法”と言われる特定秘密保護法の施行が、12月10日に迫っている。国民の知る権利を脅かすだけでなく、国家の中枢に、一般市民がアクセスできない空洞を作ってしまうこの法律は、軍国主義と国家総動員体制のもと、厳しい情報統制を敷いていた戦前の日本を連想させる。

 昭和史研究の大家である、数多くの著作を発表してきたノンフィクション作家の保阪正康氏は、近頃出版された半藤一利氏との共著『そして、メディアは日本を戦争に導いた』『日中韓を振り回すナショナリズムの正体』のなかで、現在の安倍政権による歴史修正主義的な動き、さらには集団的自衛権の行使容認や特定秘密保護法の施行といった「軍事国家化」の動きを、戦前・戦中の動きと重ねあわせて論じている。

 私たちは今、昭和史の教訓を、現在においていかに活かすべきか。そしてそれを、後世にどのようにして伝えていくべきか。岩上安身が話しを聞いた。


表現の自由はヘイト・スピーチを打ち破るためにある ~元国連人種差別撤廃委員パトリック・ソーンベリー氏が語る 2014.10.23

記事公開日:2014.11.3取材地: テキスト動画

 国連人種差別撤廃委員会の元委員、パトリック・ソーンベリー氏が10月23日(木)、大阪市のエル・おおさかで講演を行った。

 ソーンベリー氏は国際法の専門家。2014年2月まで13年間、人種差別撤廃委員会の委員を務めた。人種差別撤廃委員会は、同年8月の日本政府報告審査で、ヘイト・スピーチの法的規制を求める勧告を出している。