中国は、米国のGPSに依存しない、独自の全地球測位衛星システム(GNSS)を構築し、2012年から運用を開始している。2020年には、55基目のGNSS用人工衛星を投入し、全地球をカバーするGNSS「北斗衛星導航系統」が完成した。
富坂氏は、「アメリカより新しい衛星を打ち上げていますから、精度としては一番いいと言われてます」と述べ、「最高精度と言っていいんじゃないかと思います」と強調した。
富坂氏によると、中国は電力の送電網を全土に張り巡らせるとともに、5G通信基地局を全国に約475万ヶ所配備し、通信インフラも構築している。
富坂氏は、「本当に、いたる所にあります」と述べ、「言葉は悪いですけど、『こんな所に、本当に人がいるのか?』という所まで、カバーしている」と語った。
中国のこうした通信網の整備は、EVによる完全自動運転と深く関わっている。
「中国はなぜ、そこまで完全自動運転にこだわるのか?」との岩上安身の質問に対し、富坂氏は次のように答えた。
「私は、完全自動運転というのが、次世代の社会のベースになると考えているのだと思います。
この競争が途中で止まるとは、もう中国は、絶対に見てないですね。
だから、そこはもう、競争で勝っていかなきゃいけないので。そこのところで、完全に競争に乗り遅れるわけにはいかない、ということを見越していますね」。
「四川で自動運転のタクシーに乗った」という富坂氏は、「違和感はなかった」と述べ、「四川ではまだ台数が少ないですが、北京では、もう今、普通に実用で使われています。これは、絶対に広がっていく」との見通しを示した。
EVへの優遇政策など、普及に対する中国政府の姿勢について「揺るぎない」と述べた富坂氏は、「イラン戦争でガソリン価格が上がったことで、ヨーロッパなどではEVへの需要が高まり、中国に追い風が吹いている」と、以下のように語った。
「ヨーロッパなんかだと、国境をまたいで安いところにガソリン入れに行ったり、という現象が出たぐらいです。
そうなってくると、本当にガソリンが手に入らなくなった時、どうするのか、というのが、ちょっと頭をよぎるじゃないですか。その時に、EVだったら全然大丈夫じゃないか、という話になる。
ヨーロッパだって、石油が来なくなることがあっても、電気が止まることはないわけですよね。だから、いろんな人が、EVがいいんじゃないかと、今、なっているので、中国からのEVの輸出が爆上がりしてるんですよ。
全世界的にこの傾向が強いんですけど、特にヨーロッパが、今、そうなっていますね」。
2024年には、北京国際モーターショーを取材したドイツの公共テレビ『ZDF』が、「以前はドイツの自動車メーカーが中国に技術を教えていましたが、今では逆に中国から学んでいる」と報じた。
富坂氏は「中国と組まないと、新しいEVは作れないのが現実」だと指摘し、以下のように語った。
「特に電池ですね。
あとは、内装もパネルの部分は、完全に中国と組まないと(生産できない)ということになっていますね。
EUもそうですけど、ドイツでは、中国の何かに規制をしようとすると、反対の声を上げるのは、実は自動車メーカーなんです。中国のEVに対して関税かけようというEUの動きがあると、それに反対の声を上げるのが、ドイツの3大メーカーだという、ねじれた関係があります。
これは、アメリカでも同じような感じです。
ビジネスの現場は、もうやるしかないとわかってるので、それ(中国のメーカーと組む)をやる以外の選択肢がないんです。なのに、政治がそこで変な風に邪魔をする」。
YouTubeのメンバー限定動画【3】と会員向け完全版【3】では、富坂氏が実際に乗った四川の完全自動運転タクシーの感想や、利用の手順などを詳しく語っている。
■【3】エッセンス版
【3】のメンバー限定動画は、以下のURLで御覧いただけます! こちらの内容は、ハイライト版には収められていないので、Movie IWJのメンバーとなって、詳しいお話をお聞きになってください!
【メンバー限定・3】米GPSに依存しない中国独自の全地球測位衛星システムを構築! ドイツ車メーカーも学ぶ中国のEVと完全自動運転! 岩上安身による拓殖大学教授・ジャーナリスト 富坂聰氏インタビュー
https://youtu.be/iU3UIB-Ejak
































