【1】石油価格暴騰を抑えていた中国の備蓄も先が見え、米国は石油輸出を禁止する可能性も!? 岩上安身によるインタビュー第1231回ゲスト 放送大学名誉教授・先端技術安全保障研究所会長 高橋和夫氏<イラン編> 2026.8.24

記事公開日:2026.9.7取材地: テキスト動画独自
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(文:IWJ編集部)

特集 米国を支配するイスラエル・ロビーの「正体」! |米国とイスラエルによる対イラン侵略戦争! |中東
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※26/9/8 テキスト追加

 岩上安身は2026年8月24日、膠着しているイラン戦争について、放送大学名誉教授で先端技術安全保障研究所会長の高橋和夫氏に、インタビューを行った。

 「イラン戦争の現時点での勝者と敗者は誰なのか」という点について、高橋氏は、「まだゲームは終わってないんですけど、この段階では、イランが勝ったという認識を持っています」との見方を示した。

 その理由について、高橋氏は、「米国とイスラエルが掲げた戦争目的が、何一つ達成されていない」という点を指摘している。

 米・イスラエルが掲げた戦争目的とは、イランの現体制の打倒、核開発の阻止、濃縮ウランの引き渡し、イランのミサイルの破壊、ハマスやフーシ派に対する支援の停止である。

 「今、アメリカが掲げている目標は、戦争前はもともと開いていたホルムズ海峡の開放」だと指摘した高橋氏は、「今のところは、戦略的に言えば、イランが5対0で圧勝」だと断言した。

 その上で高橋氏は、「イランが圧勝」している理由のひとつとして、「重層的で分散型の指揮系統」があったと、以下のように解説した。

 「確かにアメリカは、イランの最高指導者を殺害したり、幹部を大量に殺害したり、そういう戦術的な面では見事に成果を上げました。(中略)

 しかしイランは、奇襲攻撃を受けることがわかっていた。だから、最高指導者が殺されるのもわかっていたし、幹部が殺されるのもわかっていました。

 だから、もうそれは仕方がないので、トップが殺されたら、次は誰が(トップを)やる、3番目は誰、4番目は誰だと決めてあるわけです。

 そういう指揮系統になっているので、確かに革命防衛隊の上層部の幹部は殺されたんですけど、すぐに次が職務について、すぐに反撃が始まったという状況です。

 もう一つは、モザイク的防衛体制です。

 テヘランが狙われることはわかっていましたから、中枢部が麻痺したから抵抗ができないというのは、避けないといけない。

 イランの各州ごとに、30以上の独立した防衛本部を作っていて、テヘランから指令が来なくなったら、それぞれが(自立的に)撃ちなさいという、分散型の指揮系統をとっているというのも、大きかったですね」。

 さらに高橋氏は、「アメリカ人がわかっていなかったこと」として、「現在のイランの政権幹部が、みんな1980年から88年までのイラン・イラク戦争の経験者」だという点を強調した。

 「イラン・イラク戦争では、イランに大義があったのに、国際社会はイラクに味方して誰も助けてくれなかった」と述べた高橋氏は、「それでもイスラムを信じて戦い、生き延びたイランは、『今度も、我々が失敗する理由は、何もない』と思っているはず」だとの見方を示した。

 他方、イラン戦争によって石油価格が高騰したものの、予想されていたほど上がらなかったことについて、高橋氏は中国の果たした役割を、次のように解説した。

 「石油価格が予想されたほど上がらなかった最大の理由は、中国が輸入を抑えたからです。

 中国は、石油の値段が安い間に大量の備蓄を積み上げて、(イラン戦争で石油価格が高騰し始めると)それを使って輸入を抑えた。

 日量にして350万バレルぐらい(輸入量を)抑えたということになっていて、日本の輸入量が(1日)220万バレルぐらいですから、日本(の輸入量)が一つと半分消えてなくなるくらいの量です。

 それがあって、全世界的に石油の価格がそんなに上がらなかった。

 中国は、人様のためにやってるんじゃなくて、高い石油を買いたくないという理由があると思うんですけど、ただ、中国はたくさん備蓄を持っている。

 戦後の国際秩序は、ある意味アメリカの力で維持されているところがあったんですけど、今回は、アメリカがこんな無駄な戦争を始めて、国際石油マーケットを乱して、中国がそれを一生懸命抑えてくれている。

 ですから、国際秩序の安定という公共財に関しては、提供者がアメリカから中国に移りつつあるというのが、今回の半年間のイランでの戦争を見ての、私が受ける印象です」。

 その上で高橋氏は、中国の石油輸入量が少しずつ増えていると明かにし、アメリカが中間選挙に向けて国内のガソリン価格を下げるために、石油の輸出を禁止する可能性もあることを指摘し、「日本にとって、中東もアメリカも、決して石油の安定供給源でないことは、どこか、頭に置いておいた方がいい」と警告した。

■【1】エッセンス版

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  • 日時 2026年8月24日(月)18:30~19:30
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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