2025年3月11日正午より、東京都千代田区の最高裁判所・西門前にて、福島原発告訴団東京連絡会有志の呼びかけにより、抗議集会「(緊急3.11)~最高裁の東電刑事裁判上告棄却に抗議する」が開催された。
2025年3月5日、東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問う東電刑事裁判において、最高裁は、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の両被告(当初被告人であった勝俣恒久・元会長は2024年に死去のため公訴棄却)について、検察官役の指定弁護士の上告を棄却し、1審(東京地裁)、2審(東京高裁)の「無罪」判決を維持する決定をした。
集会冒頭、この最高裁判決に対し、「被害者を踏みにじり、次の原発事故を準備する最高裁を許さない」とする抗議声明(※)が読み上げられた。
抗議集会の参加者らは、以下のように、それぞれの言葉で、このたびの最高裁判決の不当性を糾弾するスピーチを行った。
「東電側の主張のみを選択したひどい(判決)内容であり、このような最高裁のやり方に対しては、みんなが大きな声で抗議しなければならない」。
「私は、子供の時に、学校で『日本は三権分立の国だ』と習って、そのことをとても誇らしく思っていた。でも今は、最高裁が今回の刑事裁判の上告を棄却しただけではなく、これまでの裁判でも、本当に恥知らずな判決を次々と繰り出してきた。
こういう国に生きていることが、私は恥ずかしくてしようがない。どうか、(日本が)三権分立の国だということをはっきりと示せるような裁判所になってください。
今、私達が並んでいるここには、こんなプラカードがある。『ここは最低裁判所』。私もまったくそれに同意します。判事の皆さん、恥を知ってください」。
「今回、問題なのは、『想定外』ということであればなんでも許される。罪に問われない。今回の事故で、誰も責任をとっていない。東電もそうです。原子力委員会も、誰一人として責任をとっていない。
みんな、どこかに天下っている。大学に行ったり、機構に行ったり、自分達の責任を棚に上げて、天下っている。その下で、福島の事故によって苦しんでいる人達が、いまだに、何万人と言う人達が、県外・県内で苦しい生活を強いられているという事態に対して、本当に無責任な原子力行政の実態がある。
こんなことを許しておけば、(中略)第二、第三の福島原発のような事故が起きる可能性がある」。
シュプレヒコールでは、最高裁周辺に、「最高裁はまともな判決を」、「司法の劣化は許さない」、「最高裁は、『最低裁』に名前を変えろ」といった声が響き渡った。
東電刑事裁判の経緯については、福島原発刑事訴訟支援団のホームページ(※)をご参照頂きたい。
- 福島原発刑事訴訟支援団のホームページ
会見の詳細については、全編動画を御覧ください。