2024年12月9日、「岩上安身による『日本の種子を守る会』元農林水産大臣・弁護士 山田正彦氏インタビュー(第2回)」を初配信した。
このインタビューは、11月27日に初配信した岩上安身による山田正彦氏への第1回インタビューの続編である。前回のインタビューは、会員向けサイトのアーカイブにて、ぜひ以下のURLから御覧いただきたい。
米国では、ドナルド・トランプ次期米大統領が、ロバート・ケネディJr.氏を、保健福祉長官(HHS)に指名した。
- <第2次トランプ政権閣僚人事・続報・ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(前編)>「陰謀論者」「反ワクチン活動家」などと、新型コロナワクチン推進派から批判されてきた、環境保護活動家であり、弁護士でもあるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が、保健福祉長官に指名される! 実はケネディ氏は、バイオ化学メーカーの多国籍企業モンサント、新型コロナワクチンをめぐって前国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ氏とビル・ゲイツ氏、関連製薬会社など、食品や医薬業界を相手に、巨大な利権構造と戦い、実績を上げてきた! ケネディ氏指名にマスメディアは反発! 新型コロナワクチン関連企業株は急落!
(日刊IWJガイド、2024年11月20日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241120#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54133#idx-4
- <第2次トランプ政権閣僚人事・続報・ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(後編)>ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が誕生したら? トランプ氏は、ケネディ氏に政権内の保健・食料政策を「自由に(go wild)」任せると約束! ケネディ氏は、保健福祉省を組織的腐敗から切り離し、科学を歪めている腐敗を一掃すると公言! 米国の「実存的」課題である慢性疾患の流行を阻止すると約束! ケネディ氏は議会の承認を勝ち取り、「産業界と政府間の『回転ドア』を止める」ことができるか?(日刊IWJガイド、2024年11月21日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241121#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54137#idx-5
指名を受けたケネディJr.氏は、弁護士で、環境保護活動家でもあり、モンサント社の「ラウンドアップ」の発癌性をめぐる裁判の弁護団の一員として、2億5000万ドルもの高額の懲罰的賠償金と勝訴を勝ち取っている。これをきっかけに、全米で1万件以上の訴訟が起こされ、遺伝子組み換え作物と、除草剤のラウンドアップのセットビジネスが、米国内では儲からなくなりつつある。
一方で、米国では若年層の米国民の2人に1人が、慢性疾患に悩まされている。
これについて、ケネディJr.氏と親交のある山田氏は、「何でこうなったかというと、薬漬けなんです」と指摘し、次のように語った。
「モンサント、バイエルとか、いろんな製薬会社がアメリカにあるんですけど、ケネディ氏は、そういった製薬会社に対して、特にワクチンについて、反対運動というか、訴訟をやってきたんです。
ケネディ氏は、真っ向から戦ってきた人なんです。
若年層の慢性疾患が増えてきた原因というのは、いわゆる薬漬けなんです。
言ってみれば、製薬会社が金儲けのために、いらない薬をどんどん、医者を通じて打たせて、そして買わせて、いつの間にかアメリカの若い人達は、免疫力がなくなっていて、そしておかしな疾患、こういう慢性疾患に陥ってしまったんだということを、前から言っていました」。
また、ケネディJr.氏は、米食品医薬品局(FDA)の改革案として、農家が収穫量を増やすために使用する農薬の規制も表明している。
「これは本当に大事なこと」だと訴えた山田氏は、「よく、私も連絡をもらっていたんですけど、非常にこれ、私も期待してるんです」と述べた。
山田氏は、現在、日本の学校給食にオーガニック食品を取り入れる活動を進めている。
「加工食品が、給食費を一番高くするんです」と述べた山田氏は、「加工食品をやめると、(一般的に割高な)オーガニックの生鮮食料品でも、1次加工ぐらいのものだったら、学校給食は高くならないんです」と、明らかにした。
山田氏は、「まず、学校給食からオーガニックにして、かつその学校給食の費用を、国が全部負担しろ、という運動をしているんです。それは5000億円あればできるのに、今、ファントムとか戦闘機に、何10兆円も金をかけている」と、防衛費の増額にばかり目をむける政府を批判した。
続いてインタビュー後半では、山田氏が取り組んでいるオーガニック給食の話を、詳しくうかがった。
文部科学省の発表によると、令和3年の調査結果で、通常のクラスで授業が受けられない、特別支援学級などに通う発達障害児は、18万3880人いることが明らかにされた。
山田氏は、パワポでグラフを示しながら、「10年間で10万人増えた」と述べ、「ネオニコチノイド系の農薬の出荷量と、相関関係があるんです」と指摘した上で、「だから、農薬に何らかの関係があるんじゃないかと言えますよね」と、疑念を示した。
一方、世界では、除草剤およびネオニコチノイド系殺虫剤の使用を禁止したり、規制する流れになっており、世界49ヶ国以上が、除草剤のラウンドアップやパラコートの使用を禁止している。
ネオニコチノイド系農薬は、殺虫剤として、空中散布に使われる。
また、ラウンドアップの主成分であるグリフォサートは、収穫された小麦の中に残留している。
山田氏がプロデュースした映画『食の安全を守る人々』の中で、グリフォサートによる世代を超えた影響について、環境脳神経科学情報センターの副代表である、医学博士の木村-黒田純子氏は、妊娠中のラットに、グリフォサートを投与した実験で、「親が暴露しても、次の世代にはほとんど影響がなかったが、その次(孫)、その次(ひ孫)、F2、F3の世代に、癌や生殖器の異常など、多様な障害が確認されました」と、明らかにしている。
山田氏は、「ネオコチノイド系の農薬や、ラウンドアップの成分であるグリホサートは、私達の体の中に入ってきているんです。洗っても、煮ても、焼いても消えません」と述べ、「黒田博士によると、そういったものが、ある日突然、私達の遺伝子の一部の機能を失わせる。遺伝子のスイッチのオン・オフが切り替わるという現象を起こすらしい」と、解説した。
こうした農薬の影響について、山田氏は「それをなくす方法はあるんです」と述べた。
山田氏によると、自閉症の子供に、オーガニック食品を4週間食べさせ続けたら、デトックスできて、元に戻ったという例があるとのこと。
山田氏は、「こういう実証実験は、日本でも海外でもなされている。だから私達は今、世界がそうなってきたように、オーガニックを食べなきゃいけない」と訴えた。
山田氏によると、世界では有機・自然栽培および非遺伝子組み換えの農産物が主流になっており、世界の農地の約3割が、ケミカルからオーガニックに変わった。
しかし日本では、面積にして農地の0.6%しか、オーガニックの農地がないという。
山田氏は、「有機農業の普及というのは、学校給食から始めるといい」と述べ、その理由を次のように語った。
「学校給食をオーガニックのものにすると、大体3割ぐらい高いんだけど、公共調達で買うことになるでしょう。量が半端ないんです。
そうすると、有機生産者が、どんと増えるんです。
だから、これを、(給食の)無償化でやってもらおうと思う。
農産物は安いから、農家はみんな作りたがらないけど、オーガニックのものを高く買ってもらう。国の税金で。公共調達で。各市町村で。
そうすると、かなりの量になるので、日本のオーガニック農業は一気に進むんですよ。これが私の戦略なんです」。
さらに山田氏は、次のように考えを述べた。
「若い人の6割は、農業に関心を持っているんです。
地方で農業で暮らせるようになるには、有機農産物を、地方自治体が、公共調達として高く買うことから始めてもらう。
そうすると、そのうちに、スーパーでも(商品の)半分ぐらいは各国並みに、オーガニックのものが並ぶようになる。
そうすると、有機栽培をする農家は食べていける。
そういう流れを、日本も作らなきゃいけない」。
岩上安身は、このインタビューの中で紹介した、木村-黒田純子の夫で、環境脳神経科学情報センターの代表である黒田洋一郎氏に、2015年にインタビューを行っている。こちらも、ぜひあわせてご視聴いただきたい。