【IWJ号外】『ワシントン・ポスト』と『シュピーゲル』が共同で、ノルド・ストリーム爆破事件の合同調査を実施! 「ウクライナ軍大佐が主犯として突如浮上」とするスクープの背後は!? 2023.11.14

記事公開日:2023.11.14 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 『ワシントン・ポスト』と『シュピーゲル』が共同で、2022年9月26日に起きたノルド・ストリーム爆破事件の調査を行い、別々に記事を発表しました。11日付『ワシントン・ポスト』と12日付『シュピーゲル』の記事がそれです。

 11日付『ワシントン・ポスト』は、「ウクライナ軍将校がノルド・ストリーム・パイプライン攻撃を調整」という見出しで、「ウクライナの特殊作戦部隊の大佐であるロマン・チェルヴィンスキーは、この大胆な破壊工作に不可欠だったと、計画に詳しい関係者は語る」と報じています。

 12日付『シュピーゲル』は、「ウクライナ軍特殊部隊がノルド・ストリーム攻撃に関与した疑いがある」という見出しで、「バルト海のガスパイプライン『ノルド・ストリーム』襲撃事件の黒幕は誰か? 国際的な捜査によって、この攻撃に関与したと思われる、破天荒な人物として知られるウクライナの元秘密諜報員が初めて突き止められた」とセンセーショナルに報じています。

 この合同調査は、ウクライナの反体制派グループが、アンドロメダ号と呼ばれる49フィート(約15メートル)のレンタルヨットを使って、バルト海で、専門的な潜水作業を行ってノルド・ストリームへの攻撃を行ったとする、これまでの主張に、一つの新しい追加情報を加えたものです。

 3月7日、『ニューヨーク・タイムズ』が、ノルドストリームを爆破したのは「親ウクライナ勢力によって実行された可能性がある」と報じました。同日、独メディア『ツァイト』が「(親ウクライナ派の)破壊工作グループが犯行に使った、ポーランド登録の大型ヨットを特定」したと報じ、翌日8日、『シュピーゲル』が「ドイツ船籍のアンドロメダ号が関与」した可能性がある、と報じました。

 IWJは、『ニューヨークタイムズ』を分析した号外を出しました。

 岩上安身はこの経緯を、経済産業研究所コンサルティングフェローである藤和彦氏へのインタビューでおうかがいしています。

 それは、ウクライナ軍の特殊作戦部隊に所属していた48歳のロマン・チェルヴィンスキー大佐を、突如として、登場させ、このロマン・チェルヴィンスキー大佐が、「ノルド・ストリーム作戦の『調整役』であり、身分を偽ってヨットを借り、深海潜水装置を使ってガスパイプラインに爆発物を設置した6人組の後方支援とロジスティクスを管理していた」(11日付『ワシントン・ポスト』)と主張するものです。

 11日付『ワシントン・ポスト』の報じ方を見てみると、「ウクライナや欧州の政府関係者や、この秘密作戦の詳細に詳しい人物によれば、ウクライナの諜報機関と深いつながりを持つウクライナ軍幹部が、昨年のノルド・ストリーム天然ガスパイプラインの爆破で中心的な役割を果たしたという」となっています。

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