漫画家・由高れおん氏「年収が低いアシスタントに『消費税を払え』となると本当にやっていけない。業界が成り立たなくなる」~9.19 開始間近のインボイスにNo!「漫画家が新宿でライブドローイング&初の青空インボイス勉強会」 2023.9.19

記事公開日:2023.9.29取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2023年9月19日午後5時より、東京・新宿西口地下広場にて、「開始間近のインボイスにNo!『漫画家が新宿でライブドローイング&初の青空インボイス勉強会』」が開催された。

 インボイス(適格請求書)制度は、年商1000万円以下の免税事業者で、事業者との取引のある人、たとえば、俳優、映画監督、脚本家、カメラマン、ディレクター、構成作家、編集者、アニメーター、芸人、アーティスト、小説家、漫画家、翻訳家、校正者、ライター、デザイナー、イラストレーター、スタイリストなど、多くのフリーランスや個人事業主、一人親方の収入に、特に甚大な影響を与える。

 インボイス制度の下で、免税事業者は、免税事業者のままでいるか、「インボイス発行事業者(課税事業者)」になって消費税を納税するかの選択を迫られることになる。

 免税事業者のままでいることを選べば、発注元から嫌厭され、取引から排除される、または、消費税分の値引きを迫られる可能性もある。反対に、インボイス発行事業者になると、消費税を納めることになり、手取りが減ってしまう。

 この勉強会では、元衆議院議員で税理士の安藤裕氏、マルチタレントの大奈(だいな)氏、神田どんぶり勘定事務所の税理士・神田知宣氏、「インボイス制度を考えるフリー編集【者】と漫画家の会」の代表のひとり、漫画家の由高れおん氏、日本文化チャンネル桜の水島総氏、作家の鈴木傾城氏、インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)の阿部伸氏、声優の岡本麻弥氏、そして、立憲民主党の吉田晴美衆議院議員、れいわ新選組の多ケ谷亮衆議院議員らが登壇し、インボイス反対を訴えた。

 ステージの横では、漫画家の方々が、インボイス反対をテーマに、リアルタイムでドローイングを描いたものが展示された。

 漫画家の由高れおん氏は、スピーチの中で次のように訴えた。

由高氏「本当に、これ(インボイス)をやられると、まずアシスタントさんが立ち行かなくなってしまって、アシスタントさんがいなくなると、我々の業界って、成り立たなくなってしまうんですね。

 現状アシスタントさんというのは、年収がものすごく低いんですよ。だいたい平均して300万円以下っていう現状で、これに、『消費税を払え』っていうことになってしまうと、みんな、多分、根こそぎ、本当にやっていけない。

 1ヶ月分の消費税(※IWJ注・目安として納税額が年収の1ヶ月分に相当するという意味か)を払うということになったら、なんで私たちこの業界にいるんだろう、この仕事やっているんだろう、ということになって、みんないなくなってしまう可能性がある。

 それを一番危惧している」。

 勉強会の詳細については全編動画をご確認ください。

■全編動画

  • 日時 2023年9月19日(火)17:00~
  • 場所 新宿駅西口地下広場(東京都新宿区)
  • 詳細 Twitter告知
  • 主催 漫才コンビ「赤字黒字」
  • 協力 インボイス制度を考えるフリー編集【者】と漫画家の会

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