2023年5月31日、東京都千代田区の衆議院第2議員会館にて、立憲民主党会派環境部門会議の主催により、PFAS(有機フッ素化合物)に関する被害の現況と国への要望について、沖縄の市民団体らからのヒアリングが行われた。
ヒアリングでは、衆議院議員の近藤昭一氏と森田俊和氏が司会進行役をつとめた。
沖縄からは、宜野湾ちゅら水会・照屋正史氏、コドソラ代表・与那城千惠美氏、宜野湾市議の座間味かずか氏がリモートで参加。また、神奈川県横須賀市から「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史氏、東京都の多摩地区から「東京の水連絡会」の藤木千草氏(国分寺市)と苗村洋子氏(小平市)が出席し、それぞれ地域のPFAS汚染の状況と課題などについて、報告・情報交換を行った。
質疑・意見交換では、衆議院議員の阿部知子氏が、住民側に、以下のように質問した。
阿部氏「市民の皆さんが一生懸命やってくださって、(血中PFAS濃度の検査の)数値もいくつか重なってきていますが、アメリカなどはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がもうこの20年間ずっとデータを持っているから、推移がわかるわけですが、日本はそれも一部はあるけれども、ほとんどやってなくて、これからもやる気がないという(厚労省の)答弁でありました。
ですので、私としては、やはり、しっかりと血液検査をどうやってやらせていくかと、沖縄の皆さんもそういうふうに強く要望されていましたし、私自身はそこに強く取り組みたいと思っています。
ですが、2週間ほど前かな、質問した限りでは、厚労省はまったくその気がなかったので、で、正直言って、血液検査でも環境省の方がエコチル検査(※)でやっていて、厚労省は本当に動いていないんですね。
- 加藤厚労大臣、全国一のPFOA汚染地もバイデン大統領の政策も知らず/立憲議員「第二の水俣になるのでは」(Tansa、2023年5月10日)
これ自身も問題ですし、また、なお、私は委員会が厚労なので、そこでやっていこうと思います。
おたずねは、その多摩地区の場合に、いくつかの類推される汚染経路とかはあるんでしょうか?」
この質問に対し、苗村洋子氏が、以下のように答えた。
苗村氏「東京都に問い合わせたところでは、汚染源はやはり特定できない、わからないっていうふうに言っています。
で、多摩地域は先ほど申し上げた通り、水道局が持っている水源の井戸はたいてい、深いところが多いんですね。深いところなので、そこの水がどこから来ているかっていうのはまだはっきりはしていません。
それ以外にも、個人で井戸を掘って使っている人たちがいたりとか、それから、農業用の井戸を持っている農家の人がいたりとか、それとあと、大学とか病院とか、そういったところで『専用水道』として、自分のところで井戸を掘って、それを使っているところもあります。
そういったところが結構点在しているので、それを測っているところもあるんですね。で、多摩地域の場合ですと、たいてい、二つの市(IWJ注:多摩地区で独自に水道を運営しているのは、昭島、羽村、武蔵野の3市)以外は、保健所が、東京都が管轄しているものですから、東京都の保健所に、『飲用井戸』が届け出をして、そこを通して記録が測ったりとかというのがあるんですけど、すべての井戸を測っているわけではないので、それと、あと、個人が持っている井戸は、自分の責任でそれを測定しなくちゃいけないので、そういうところまではなかなかいかない。
そういうところで、PFASの汚染の分布がまだまだわからないところがあるというふうに思っています。
福祉保健局がやっている、保健所を中心にしてやっているのが、年間70カ所ぐらいずつ測っているところはあるんです。その程度ですので、なかなか全体像を見るというところまでは至らないというのが実情ではないかと思います」。
ヒアリングの詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。