IWJ代表の岩上安身です。独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ! 日本を含む西側主要メディアはことごとく完全黙殺、既読スルー状態ですが、ぜひご一読ください。
米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が、ノルドストリーム・パイプラインの爆破は米国が行ったという大スクープを報じました。
ハーシュ氏の記事は、「米国はいかにしてノルドストリーム・パイプラインを破壊したのか?」というものです。
- How America Took Out The Nord Stream Pipeline(シーモア・ハーシュ氏のホームページ、2023年2月8日)
記事の副題に「ニューヨーク・タイムズ紙は『ミステリー』と呼んだが、米国は今まで秘密だった秘密海上作戦を実行した」とあります。かつて自分が勤務していたこともあるメインストリームメディアの代表格『ニューヨーク・タイムズ』の報道姿勢が、「腰くだけ」であることへの皮肉でしょう。
ハーシュ氏は、1969年、ベトナム戦争中のウィリアム・カリー中尉によるソンミ村虐殺事件の暴露を皮切りに、CIAの国内スパイ計画「ケイオス作戦」の暴露、アブグレイブ刑務所における捕虜虐待事件、大韓航空機事件の内幕など、数々のスクープをものにしてきた現役最高峰の独立調査報道ジャーナリストです。
1937年シカゴ生まれ。現在85歳にしてなお現役です。1960年代から2020年代まで7つのディケイド(10年間)にわたって、世界を震撼させ、政治の方向性を実際に動かしてしまうスクープを発表し続けてきた彼が、ジャーナリストとして、「生けるレジェンド」と呼ぶにふさわしいのは当然のことです。
しかし、それと同時に、自分が生まれ育った母国である米国の暗部をこれだけ暴き続けながら、今なお生きているという点においても、彼は「生けるレジェンド」だといえるでしょう。
彼を生かしておいたという点で、米国という国には、「言論の自由」「報道の自由」を認める「寛容」と「良心」が、まだわずかに生き残っていたのだ、という証明となると思います。
もちろん、だからといってハーシュ氏によって暴かれた米国政府や米国軍のグロテスクな「正体」が、免罪されるわけではありません。
パイプラインの爆破計画に参加した米国政府の高官らは、彼ら自身が何をやらかそうとしているのか、十分理解していたのです。
ハーシュ氏に情報を提供した人物は、こう言ったと記されています。
「『これはお遊びではない』と、(情報を提供した)関係者は言った。もしその攻撃が米国のものだと分かれば、『戦争行為になる』と」。
米国の行ったことは、国家によるテロ行為であり、武力行使です。これをごまかしきることはできません。
以下、IWJは、ハーシュ氏のスクープ記事全文を3回に分けて仮訳して記事内容をお伝えします。
今回は、(その2)です。
(その1)はこちらからお読みください。
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