【特別寄稿】「トランプが大統領ならウクライナ侵攻は起こらなかった」!! 元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が指摘する、プロパガンダ合戦! ロシア語空間と西側世界の間の超え難い情報ギャップ! 2022.4.20

記事公開日:2022.4.20 テキスト
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(フリーランスジャーナリスト・横田一)

 鈴木宗男参院議員が4月6日、ブログ「ムネオ日記」でメディアの印象操作を次のように問題視した。

 「テレビから、ロシア側、ウクライナ側の主張、映像が知らされるが、なにが真実で、なにが正しいのか、受け止めに躊躇してしまう。

 情報化の時代、それぞれ都合の良い頭づくり(世論形成)で作られてしまう危険性をつくづく感じながら、同時にメディアの使い方、発信の仕方によって全く違う価値観が出てくることに恐ろしい限りである」。

▲2022年3月23日の「東京大地塾」鈴木宗男参議院議員(右)と佐藤優氏(左)(横田一氏提供)

 そして20年前の「宗男叩き」を振り返りながら、「今回も直感で目に入るメディアによる時には印象操作とも思える場面場面に、何とも言いようのない虚しさが去来した」とも綴った。

記事目次

ドネツク、ルガンスクでのアゾフの「ひどいこと」を中心に報じるロシア。西側メディアはそれをカットし、ロシアの「ひどいこと」ばかりを報道。佐藤優氏が指摘!「重要なのはロシア語空間と西側世界の間で、情報の超え難いくらいのギャップができていること」

 メディアによってまったく違う価値観が出てくること(頭づくり)については、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏も同じような見方をしていた。

▲佐藤優氏(Wikipediaより)

 鈴木氏の支持者向け勉強会「東京大地塾」で毎回講師を務める佐藤氏は3月23日、「ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア語圏と西側世界で超え難いくらいの情報ギャップが出来ている」と指摘。次のような解説をしていたのだ。

 「ロシアの情報空間においてウクライナ側、特に内務省傘下の『アゾフ』というカギ十字(ナチスの象徴)みたいなマークをつけている部隊のやっていることを中心に、ロシアでは報じられている。

 ひどいことが(ウクライナ東部の)ドネツクやルガンスクで起きていることがロシアでは報じられて、ロシア人はそれがベースで『頭づくり(世論形成)』が行われているわけです。

 それに対して西側においては、そこのところは編集でカットされてしまって、ロシアがやっているひどいことばかりが映される。ロシアではそこのところは映らないのです。

 重要なのは、ロシア人だけではなくてロシア語空間(カザフスタン・タジキスタン・ウズベキスタンなど)と西側世界の間で、情報の超え難いくらいのギャップが(ロシアのウクライナ侵攻以降の)この3週間でできていることなのです」。

 この「アゾフ大隊」と呼ばれるネオナチ集団については、ルポライターの清義明氏も「ウクライナには『ネオナチ』という象がいる~プーチンの『非ナチ化』プロパガンダのなかの実像」(3月23日公開のウェブ論座)の中で解説。西側の識者がアゾフ大隊の存在を否定して「ロシアが描いたプロパガンダ」と主張しているのに対して、アメリカの政治専門紙「ザ・ヒル」が「これは悲しいことに間違いである」と2017年の記事で反論。その内容を次のように紹介していたのだ。

 「このザ・ヒルの記事では、国際連合人権高等弁務官事務所とヒューマン・ライツ・ウォッチが、東部紛争でアゾフによる一般市民の拉致・監禁、拷問などの事実の告発と批判を取り上げている」

 また清氏は、アゾフ大隊を問題視していたのは国際的人権団体だけでなかったとも指摘。公安調査庁「国際テロリズム要覧2021」の関連部分を記事で引用していたのだ。(編集部注:公安調査庁は2022年4月8日、「公安調査庁が『アゾフ大隊』をネオナチ組織と認めたものではない」として、この記述を削除した)

 「2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け、『ウクライナの愛国者』を自称するネオナチ組織が『アゾフ大隊』なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2000人とされる」

れいわ新選組の山本太郎代表は、会見でアゾフ大隊の人権侵害行為を列挙!

 アゾフ大隊の人権侵害行為について調査、会見でその内容を読み上げたのは、れいわ新選組の山本太郎代表だ。東京大地塾が開かれた翌日(3月24日)の会見で、私の質問に対して、次のように述べたのだ。

▲れいわ新選組・山本太郎代表(IWJ撮影、2022年2月17日)

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