止まらぬ感染拡大に大臣の表情も暗く。状況とデータが詳細に図示されるが対応策はなし。IWJは「野戦病院」や「中国のデルタ株収束」に関する質問を用意して臨むが指名されず~8.20西村康稔 新型コロナ対策担当大臣 記者会見 2021.8.20

記事公開日:2021.8.20取材地: テキスト動画
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(取材、文・IWJ編集部)

 2021年8月20日(金)午前11時頃より、東京都千代田区霞が関中央合同庁舎にて、西村康稔新型コロナ感染症対策担当大臣の記者会見が開催された。

 会見冒頭、西村大臣より、新型コロナ感染症の感染状況についての報告があった。東京都の主要地点の人出、全国の都道府県のステージ判断のための指標、人流および接触機会の低減強化に関して図表を示しながら報告がなされた。

 また、REVIC(株式会社地域経済活性化支援機構 Regional Economy Corporation of Japan)による、新型コロナ感染の拡大によって影響を受けた事業者に対する支援となる投資予定についても報告がなされた。

 大臣からの報告に続いて、各社記者との質疑応答となった。

 産経新聞記者が、「コロナ対策として推奨されているテレワークが日本社会においてなかなか広まっていない状況について」、情報誌「FACTA」編集・発行人 宮嶋巌氏が「海外のようなワクチン接種済み証、ワクチンパスポートを日本で運用することを考えているか」について、ロイター記者が「自民党総裁選への出馬を考えているか」などを質問した。

 IWJ記者は、以下の3つの質問を携えて臨んだが、指名されることはなかった。

 「8月4日の菅総理の会見で、『重症者や中等症で重い症状の人を除き、重症化リスクが低い中等症や軽症の人は自宅療養』という方針転換が打ち出され、そのため、救急隊が到着後、彼らが現場で搬送するかどうかを判断し、多くの場合は搬送せず、結果、病状が悪化し、死に到るケースも出て来ています。

 8月19日夜の朝日新聞デジタルほかの記事によると、妊娠中に新型コロナに感染し、自宅療養していた千葉県柏市の30代女性が、8月17日に産気づいたけれども入院を断られ、医師不在のまま自宅出産し、生まれた赤ちゃんが死亡するという痛ましいケースも起きています。

 日本政府は、このように症状の急変リスクを抱えた軽症患者を自宅に放置したままで、パラリンピックの開催を強行するのでしょうか? 『野戦病院』を設置し、自宅療養、患者放置をゼロにするおつもりはないのでしょうか?」

 「中国は、デルタ株による感染拡大を『検査の拡充』と『隔離の徹底』により収束に導きました。中国の人口は約14億人ですが、8月18日の新規感染者数は全土で28人で、100万人あたりに換算にすると、0.02人です。

 同じく8月18日の日本の新規感染者数は2万3917人と過去最多で、世界ワースト8位となっています。100万人あたりに換算すると190人となり、中国との差は歴然です。中国が採った手法は何も特別なものではありません。たとえどんな変異株が発生したとしても対応可能な普遍的なものです。これが『正解』なのだと、もう答えが出ているのではないでしょうか。つまり『検査の拡充』と『隔離の徹底』です。

 政府が現行の方針を変更しないのであれば、それは、我々国民が政府に殺されることを意味します。我々国民の命がかかっています。秋の総選挙で、国民は自分たちの命を守ってくれる政党に票を投じるでしょう。方針を再転換するのか? 『しない』なら『しない』と明確なお答えをお願いします」

 「この会見でさきほど『最近のクラスター等感染拡大の状況』が図示され、『職場の車に同乗で10名以上が陽性』、『アイスホッケー全国大会で100名以上が陽性』、『自動車学校の合宿で10名以上が陽性』、『全寮制の研修期間中の懇親会で40名以上が陽性』という例が挙げられ、注意喚起と、このようなことがないようにと述べられましたが、現在開催されている全国高等学校野球選手権大会(甲子園大会)と、これから開催が予定されているパラリンピックおよびそれへの学童の観戦について、西村大臣はじめ感染対策ご担当のみなさんはどうお考えでしょうか?」

 会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2021年8月20日(金)10:50~
  • 場所 中央合同庁舎8号館1階 S103会見室(東京都千代田区)

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