日本の政府やメディアは国軍による市民弾圧の恐怖を認識しているのか!? 「ミャンマー国軍は『治安部隊』ではない!!」~3.26ヒューマンライツ・ナウ&在日ミャンマー市民協会による記者会見 2021.3.26

記事公開日:2021.3.27取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2021年3月26日(金)、午後3時より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、ヒューマンライツ・ナウの主催で「ヒューマンライツ・ナウ&在日ミャンマー市民協会『日本政府に対する在日ミャンマー人からの公開質問状に関する記者会見』」が開催された。

 ミャンマーでは、2020年11月に実施され、アウンサンスーチー氏が率いる与党・国民民主連盟(NLD)が圧勝した選挙に「不正があった」として、国軍が2月1日にクーデターを起こした。権力を掌握した国軍に対する市民たちの抗議行動は現在も続いており、その抗議に対する国軍の弾圧は熾烈を極めている。

 この会見に先立ち、特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ、および、在日ミャンマー市民協会は、日本政府に対して、ミャンマーの現状についての認識と対応方針を質すために、公開質問状を提出した(※)。政府からの回答を踏まえ、4月2日(金)に院内集会が開催される予定となっている。

※公開質問状(ヒューマンライツ・ナウHP)

 集会では、ヒューマンライツ・ナウ、および、在日ミャンマー市民協会の関係者が登壇し、それぞれの登壇者が、ミャンマーの現状、ミャンマー国軍が行っている市民弾圧の深刻性、そして、その現状をなかなか報道しようとしない日本のメディアへの思いなどについて発言した。

 登壇者の一人、「ミャンマーの人々を応援する有志の会」のメンバーとして、署名活動などを行っている「あやさん(仮名)」は、会見の参加者に向け、以下のように訴えた。

 「私たちのグループはメンバーの名前を一切明かしていません。なぜか? それは、もし名前を明かせば、私たちの名前とつながるミャンマーの人々が現地で拘束され、次の日には拷問にあい、死体となって戻って来るかもしれない。そういう恐怖の中に私たちはいます。

 私、日本人ですが、それでも今、ミャンマーの国軍による恐怖の下に縛られて、こうして名前を出すことができずに発言しているということを、メディアの皆さんにも是非知っていただきたい」

 また、質疑応答では、一般人の女性から「インターネット上で、ミャンマーの国民を殺している国軍を『治安部隊』と呼んでいる情報があった。なんか変じゃないかと、私は思っている。何か他の違う言葉にしたい。『治安部隊』は絶対に違う」との発言があった。

 これ対し、在日ビルマ市民労働組合のミンスイ氏は次のように述べた。

 「まさにそのとおり。日本の全メディアにそのことを届けて欲しい。それは『治安部隊』ではない。『治安部隊』ではない! 『治安部隊』ではないです!! 私は今、3回言いました。日本のメディアの皆さん、ミャンマー国軍は『治安部隊』ではないです!」

 記者会見の一部始終は全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 発言者:渡邉彰悟(弁護士、HRNアドバイザー)、伊藤和子(弁護士、HRN事務局長)、タンスエ(Than Swe、在日ミャンマー市民協会代表)、チョウチョウソー(Kyaw Kyaw Soe、在日ミャンマー市民協会)、ミンスイ(Myint Swe、在日ビルマ市民労働組合FWUBC)、田辺寿夫(ジャーナリスト・通訳)ほか
    司会:小川隆太郎(弁護士、HRN事務局次長)
  • WEBサイト https://hrn.or.jp/news/19570/
  • 日時 2021年3月26日(金)15:00~
  • 場所 参議院議員会館 講堂(東京都千代田区)
  • 主催 ヒューマンライツ・ナウ(詳細)

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