緊急!! あの「ネイチャー」も警告!! 南ア・英国・ブラジルの変異株にワクチンが効かない!? 感染経路不明で無症状の変異株感染者が発見された日本は、すでに「市中感染」拡大中か!! GoToトラベル再開や五輪強行の妄想に溺れる菅政権は危機意識皆無!! 2021.1.24

記事公開日:2021.1.25 テキスト
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(文・尾内達也 編集・IWJ編集部 文責・岩上安身)

特集 #新型コロナウイルス
※2021年1月26日、テキストを更新しました。

 2020年1月17日までの報告で、感染者数、死亡者数ともに桁違いに多いとされる南アフリカで発見された変異株「501Y.V2」は、ワクチンが効かない可能性が指摘されている。日本をはじめ、ワクチン頼み一点張りの国々には打つ手がなくなるかもしれない、恐るべき報告結果である。

 さらに、英国の変異株やブラジルの変異株にも、ワクチン等が効かない可能性も指摘されている。米国からもワシントンでのホワイトハウス騒乱の起きた1月6日からわずか3日後、当のホワイトハウスが米国内で新たな変異株出現の情報を発表した。米国では英国よりゲノム解析が遅れており、まだ詳細な情報が少ない。

 ゲノム解析しなければ、変異株かどうかも判明しないので、地球上の至る所で、科学誌「ネイチャー」の記事中の表現を借りれば、「免疫応答を逃避する」変異株が次々と出現していても、人類は大ごとになるまで気づかず、対応は後手後手に回ってしまうだろう。

 変異株の同時多発出現、そしてそれらが感染力も致死力も高く、自然感染やワクチンによって生まれた体内の免疫抗体をすり抜けて、人々を再感染させてしまう性格を持つという問題は、きわめて重大な問題である。人類が一年がかりで作り上げた「救済」の決め手であるワクチンが、変異株には効かず、この一年にわたる努力が水泡に帰すかもしれないのだ。人類全体で、対ウイルス戦争の戦略を練り直さなければならないことになる。

 フランス科学評議会トップのジャン・フランソワ・デルフレシー氏は、「現在、世界で流行し始めている変異株ウイルスは、新しいパンデミック(第二次パンデミック)であると認識すべきと発言した。

 この認識に耳を傾ける必要がある。

 こうした現状を背景に、IWJは厚労省に、南アフリカの変異株や英国の変異株を検出する体制について直撃質問したが、回答によると、効率的サーベイランス体制はまったく未整備というのが現状で、頼りない状況にあることが判明した。

 都内における10歳未満の女児で英国渡航歴なし、渡航歴ある人との接触歴もなく、しかも無症状、というケースが1月22日に発見されたことに対して、厚労省の担当者は「変異株の感染の面的広がりはない」と言ったが、わずか1453検体の検査から英国と接点のない、感染経路不明の変異株感染者がたまたま見つかっているのであり、これは認識が甘すぎる。大規模な社会的検査を行おうとしない日本においては、すでに水面下で急速に変異株が広がっている可能性は否定できない。データがないため、「面的広がりはない」という言葉には何の根拠もないからだ。

 英国では、たった3か月で英国全土で旧来株が変異株に置き換わり、政府が「制御不能」を宣言するはめとなった。しかも変異株には前述のように、ワクチンが効かない可能性もあるのだ。GoToトラベル再開や五輪開催の妄想に溺れている菅政権は、危機意識が薄いどころか、皆無である。日本の真の「緊急事態」は、このような政権が成立して、今も継続していることにある。

▲南アフリカ・ケープタウンの観光スポット、ビクトリア&アルフレッド・ウォーター・フロント(写真:Wikipedia、Andreas Tusche)

記事目次

  • 感染者数、死亡者数ともに桁違いに多い南アフリカ!!
  • 重大な問題! 南アフリカの変異株「501Y.V2」はワクチンが効かない!? 1月21付「ネイチャー」が警告!! 日本をはじめワクチン頼みの国々では打つ手なしに!?
  • 抗体の中和力が、変異株「501Y.V2」にはすべて弱まった!! テストした生物情報学者は「非常に心配だ」!
  • 英国の変異株やブラジルの変異株にも、「免疫応答を逃避する能力」があり、自然感染によって獲得した抗体も、ワクチンも効かない可能性!?
  • 501Y.V2へのワクチンによる抗体効力に穏やかな低下が見られることを発見、しかし、「ネイチャー」はさらなるテストが必要と警告!
  • IWJの直撃質問に厚労省は、南アフリカの変異株にも英国の変異株にも、効率的サーベイランス体制がまったく未整備であることを明らかに!!
  • わずか1453検体で見つかった英国との接点のない英国変異株感染者の事例!! しかも無症状の10歳未満の女児!! 背景に、水面下で「市中感染」が急速に広がっていると考えるのが当然! 厚労省担当官の言う「変異株の面的広がりはない」という認識には何の根拠もない!!
  • 英国は3か月で旧来株が変異株に置き換わり「制御不能」に!! しかもワクチン効かない可能性!! GoToトラベル再開や五輪の妄想に溺れている状況ではない!! 日本も人類も、今こそ第二次パンデミックに全力で備えるべき!!

感染者数、死亡者数ともに桁違いに多い南アフリカ!!

 2020年1月12日のデータ更新以降17日までに報告のあったデータを集計したWHOの報告では、アフリカ地域で、もっとも、新規陽性者の数が多いのは、次のとおりである。

 南アフリカ(新規陽性者11万1483人 、人口10万人あたり新規陽性者数188人、11%減)

 ナイジェリア(新規陽性者1万1465 、人口10万にあたりの新規陽性者数5.6人、38%増)

 ザンビア(新規陽性者数9507 、人口10万人あたり新規陽性者数51.7人 、78%増)

 また、WHOによれば、アフリカの新規の死亡者数が最も多いのは、次のとおりである。

 南アフリカ(新規死亡者が4027人、人口10万人あたりの新規死亡者は6.8人、10%増)

 ジンバブエ(新規死亡者200人、人口10万人あたりの新規死亡者1.3人、89%増)

 マラウィ(新規死亡者80人、人口10万人あたりの新規死亡者は0.4人、186%増)

 変異株が発見されている南アフリカの場合、新規感染者数が11%減少しているとはいえ、1週間弱で4000人も亡くなっている。日本は、これまでの累計死者数で、4743人(令和3年1月21日0:00現在)であり、桁違いに南アフリカは死者数が多いことがわかる。

重大な問題! 南アフリカの変異株「501Y.V2」はワクチンが効かない!? 1月21付「ネイチャー」が警告!! 日本をはじめワクチン頼みの国々では打つ手なしに!?

 この南アフリカで発見された変異株501Y.V2について、今、世界中で大きな懸念が取り沙汰されている。

 それは、この変異株501Y.V2に、免疫応答を逃れる能力、平たく言えば、ワクチンや自然感染によってできた抗体をすり抜けて再度感染させる能力があるという懸念である。これまでに開発されたワクチンに効き目がないとしたら、日本を含めて、ワクチン頼みの国々は打つ手がなくなる。

 1月21日付の『ネイチャー』ウェブ版は、「急速に拡大するCovid-19変異株は免疫応答を逃れることができる」というタイトルの記事を掲載し警告している。

 記事の副題は、「南アフリカで見つかったコロナウイルスの変異株は免疫を低下させるかもしれないというエビデンスがワクチンの効果に関する懸念に拍車をかけている」というものである。

▲「急速に拡大するCovid-19変異株は免疫応答を逃れることができる」と題する『ネイチャー』ウェブ版の記事。

 このネイチャーの記事は、冒頭で次のように述べている。

 「複数のコロナウイルスの変異株は、ワクチンや過去の感染によって起動される免疫応答を逃避するというエビデンスが積みあがってきている。研究者たちは、今週津波のように発表された、複数の新規変異株や変異に関する懸念を示す実験研究結果の意味を理解しようとしている」

※本記事は「note」でも御覧いただけます。単品購入も可能です。
https://note.com/iwjnote/n/n2ffbb80ed0ce

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