2020年10月14 日(水)10時半より東京都千代田区・学士会館にて「安全保障関連法に反対する学者の会」(以下「学者の会」)が、菅義偉総理による日本学術会議会員被推薦者6名への任命拒否に対する抗議声明を発表する会見を開いた。
会見には「学者の会」呼びかけ人の、朝倉むつ子氏(早稲田大学名誉教授 法学)、内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授 哲学)、大沢真理氏(東京大学名誉教授 社会政策)、小熊英二氏(慶應義塾大学教授 歴史社会学)、戒能通厚氏(早稲田大学名誉教授 法学)、久保亨氏(信州大学特任教授 歴史学)、佐藤学氏(学習院大学特任教授 教育学)、山口二郎氏(法政大学教授 政治学)ら8名が登壇し、それぞれが抗議と意見表明を行なった。
「学者の会」の呼びかけ人は現在58名。会の調べによると、この学術会議会員任命拒否に対する声明などを発表した学協会(学術研究団体)関係は370団体、大学研究所関係は12か所あるという。
また、来場のかなわなかったノーベル物理学賞受賞者・京都大学名誉教授 益川敏英氏より寄せられたコメントが読み上げられた。コメント全文は以下の通り。
「菅首相が、こんな乱暴なことをした、という事は、歴史上長く糾弾されるだろう。
戦争の反省の上に作られた“日本学術会議”に汚点を残すものである。
2020.10.12 益川敏英」
抗議声明では、6名の被推薦者が任命見送りになった経過と理由を十分に明らかにすること、6名の任命見送りを撤回し速やかに任命することが要求された。
また、政府からの独立性を示す日本学術会議法第3条、第7条、第17条を挙げ、次のように訴えた。
「そうした法規定にもとづいて日本学術会議が選考・推薦した者を首相が任命しないことは明らかな違法行為です。このような行為は、ひいては研究者の学問の自由を侵害し、思想表現の自由の抑圧につながりかねません。
学問的な研究と業績の評価によるアカデミーの会員の選考に政治が介入することはどこの国においてもあってはならず、学問に対する冒涜行為と言わざるをえません」
詳しくは取材動画を御覧いただきたい。