2020年9月9日(水)、東京都千代田区永田町の衆議院本館にて、午前10時より、「持続化給付金」、そして、「GoToトラベル」キャンペーンの問題について、野党合同国対ヒアリングが開催された。
省庁側からは、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、内閣官房、そして、農林水産省より各担当官が出席し、野党議員からの質問に答えた。
冒頭、国民民主党・原口一博国対委員長より挨拶があった。
「この国対で、最後のヒアリングになる。これまで本当にお世話になり、役所の皆さん、議員の皆さん、スタッフの皆さんに感謝する。(中略)持続化給付金については、一番苦労しているのは、これの開業証明。当時、今年から起業された方も、なかなか開業の証明ができない。
そして、さも、その人たちももらえるように思っていたが、結局、何回やってもだめだと。そして、加入している保険の契約形態によって変えられている。多様な働き方をしているフリーランスに対して、あまりにも厳しい状況ではないか?
だから、私たちは、法改正も含めて、憲法53条で国会を求めているが、安倍総理が辞められて、総裁選という形になり、時間がない人たちの前で、こういうことになっている。私たちはアベ政治のけじめをしっかりつけて、次に進んで行きたい。よろしくお願いします」
原口氏の挨拶に続き、「持続化給付金制度」の現状について、Aさん(仮名)が報告を行った。
Aさんは、「4ヶ月が経過し、当事者の方、業者の方、フリーランスの方が非常な極限状態に陥っている」とし、「これまで、持続化給付金制度を利用された方々に事務局の応対に関するアンケートを実施した結果、その66%が『不満』であるとした」、「申請者の方々も、給付されることはありがたいが、事務局の対応には非常に不満を持っている」と説明した。そして、その不満をもたらす複数の要因について、配布資料にもとづいて報告をした。
この報告に対して、中小企業庁の担当官より、「サービス推進協議会の対応については、個別の不適切な対応があればその都度、具体的な指摘を頂けば、改善の指導を行ってきている」との答弁があった。
また、様々な他の問題についても説明を行ったが、「コロナ」という非常時であっても、必要書類は必ず揃えねばならず、通常の条件(国保に加入しているか、等)が適用されるために申請がなかなか進まないということであった。
30分ほどの質疑応答の後、中小企業庁の担当官は「指摘されたどの点についても、問題意識を持っている。今後、しっかりと丁寧に、いろいろ考えて改善していきたいと考えている。また、コールセンターと審査部門の連携についても、情報共有をすすめてスムーズな対応を期したい」と締めくくった。
続いて、「GoTo トラベル」、ならびに「GoTo EAT」キャンペーンについてのヒアリングが行われ、まずは国土交通省の担当官が前回のヒアリング時からの宿題となっていた5つの質問に対して、口頭で回答した。
5つの質問は、以下の通りである。
・GoToトラベルからの東京除外を無くすか否かについて、いつ、どの会議で議論するか?まあその際の判断基準はなにか?
・GoToイートはいつからどのような形で開始するのか?
・GoToトラベル関連感染者の情報を書面で示して欲しい。
・菅官房長官は、「GoToトラベルをやらなかったことを考えたら、大変なことになっていた」と発言したが、「大変なこと」とはどのような事態か?
・GoToトラベルの今日までの利用者数など、統計数値を示して欲しい。
これら5つの質問に対する、政府側担当官の回答は総じて曖昧なものだった。詳細は全編動画でご確認いただきたい。
ここで、ヒアリングの最後に、立憲民主・川内博史衆議院議員が、GoToトラベル事業について行った発言を紹介したい。
「結局、その地域の中の富裕層が、その地域の中にある高級な施設にGoToトラベルを利用して、宿泊するという、これ、非常に偏った、不公正な事業だ。そこは決定的におかしな事業であり、一体何が目的なのか、何が目標なのだろうと思う。
もちろん、その地域の高級な施設は、それで救われるかもしれない。しかし、実際に、雇用を吸収し、様々な物品を仕入れ、そしてその地域のいわゆるランドマークとして、これからも頑張ってもらわなければならないような施設は、この制度ではそれほど裨益しない。地域の存続につながらない。
この決定的な問題点について、よくよく分析し、対応していかなければ、いったいこれは誰のためにやったの? 何のためにやったの? ということになりかねない。そこはひとつ、指摘をしておきたい」