コロナ禍の影響で求人倍率は減少。マスク、消毒用品の供給は復調。IWJはALS患者嘱託殺人事件に関する受け止めを厚労大臣に求めた~7.31 加藤勝信厚労大臣定例記者会見 2020.7.31

記事公開日:2020.7.31取材地: テキスト動画
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(取材・文:千浦僚)

 2020年7月31日(金)、午前9時50分より千代田区霞が関の厚生労働省会見室にて、加藤勝信厚労大臣による閣議後の定例記者会見が開かれた。大臣よりの冒頭3件の報告があった。

 その内容はまず厚生労働省で局長級以上の人事異動があること(8月7日、11日、17日付発令予定)。続いて、令和2年6月の有効求人倍率について。最後に、マスクの市場供給の改善によって3つの施策を講じること、であった。

 令和2年6月の有効求人倍率(求職者1人当たりの求人数を示す)は、季節調整値で1.11倍と前月を0.09ポイント下回り、正社員有効求人倍率は0.84倍と前月を0.06ポイント下回った。加藤厚労大臣は、「求人の動向や総務省による労働力調査は、現在の雇用情勢が求人の減少と求職者の増加から厳しくなっていることを示しており、新型コロナ感染症が雇用に与える影響に一層注意する必要がある」と述べた。

 マスクそのほかの市場供給状況に関しては、7月現在マスクの供給が本年1月初旬の水準である週あたり1億万枚に戻り、8月には月に10億万枚に達する見込みから、まず医療機関へのサージカルマスクの優先的配布を一旦停止して備蓄に切り替えること、介護施設等への配布も一律ではなく希望する施設に配布する、そしてマスク及びアルコール消毒用品の転売規制を解除する、という3つの施策が明らかにされた。

 その後の質疑応答では、「全国の都市部で感染拡大が起きている現在、感染拡大防止への策は?」、「派遣労働者の雇い止めなどが起きている。どう対応するのか?」、「男性の育児参加の促進、育休取得推進への動きについて」、「『黒い雨』訴訟の原告勝訴についての受け止めは」などの質問がなされた。

 そのなかで、朝日新聞記者が先頃起きた京都のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への嘱託殺人事件に関して、「この容疑者のひとりが元厚労省の医系技官であったことともうひとりの容疑者の不正な医師免許取得を援助した疑いについて、大臣の受け止めと調査の進捗をうかがいたい」と質問したが、加藤大臣は、「捜査中の事件のことであるので発言を差し控えたい」と答えるにとどめた。

 IWJ記者はこの件に関し、「容疑者のひとりが厚労省の仕事をするうちにこの事件に向かう方向性を得たことが、本人の発信や報道で明らかになりつつある。現在捜査中の事件であるので発言を控えるとおっしゃられましたが、今後いずれかの時点で、この件に関する厚労省と大臣の認識、受け止めを述べていただけるのか?」と聞いた。

 加藤大臣は、「そのような事実についても現在捜査中の案件であるので言及は控えさせていただきたい。ただ、もちろん私どもと関わりのあることであれば、警察とも連携し、一般論ではあるが、しっかり対応をさせていただきたいと思っている」とのみ回答した。

 また、京都新聞記者が、「この事件後、一部には『死ぬ権利』についての議論を求める声があるが大臣はどう考えるか」と問い、加藤大臣は、「安楽死についてはこれまでも相当な議論を積み重ねてきたが、今回の事案にそれを絡めてよいのかどうかは疑問があるが、そのような視点についてはこれまでも議論され、また引き続き議論されていく必要性があると認識している」と答えた。

 詳しくは取材動画をご覧いただきたい。

■全編動画

  • 会見者 加藤勝信氏(厚生労働大臣、衆議院議員)
  • タイトル 加藤勝信 厚生労働大臣 定例会見
  • 日時 2020年7月30日(金)9:50頃〜
  • 場所 厚生労働省(東京都千代田区)

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