これまで米国政府は、朝鮮半島の非核化について、韓国高官を通じて北朝鮮側から取り組む意思を間接的に伝えられていた。しかし4月8日、米政府当局者が取材に応じ、北朝鮮側から直接、「朝鮮半島の非核化について協議する用意がある」と伝えてきたことを明らかにした。
- 北朝鮮、非核化の意思を米に伝達 正恩氏、協議に前向き(朝日新聞、2018年4月9日)
- 核放棄や国交、一括合意か段階的か…米朝が水面下で交渉(朝日新聞、2018年4月9日)
(文:尾内達也)
これまで米国政府は、朝鮮半島の非核化について、韓国高官を通じて北朝鮮側から取り組む意思を間接的に伝えられていた。しかし4月8日、米政府当局者が取材に応じ、北朝鮮側から直接、「朝鮮半島の非核化について協議する用意がある」と伝えてきたことを明らかにした。
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片や、日本外交はいまだに北朝鮮への圧力一辺倒である。安倍首相は来週4月17日の訪米に先立ち、「北朝鮮が他国と対話を行うとしても、核・ミサイル開発に関して圧力をかけ続けることが必要だとトランプ大統領に伝えたい」と述べている。
また、河野外相は3月31日の高知市での講演で、「北朝鮮に核開発の用意が見える」と述べたが、米ジョンズポプキンズ大学米韓研究所のプロジェクト「38ノース」から、核実験の兆候はないとただちに反論されている。
「38ノース」の反論は次のとおりである。
第1に核実験場での活動は、先月と比べて著しく減少している。
第2にウェストポータル(過去の核実験とはまったく無関係のサイト)でのトンネル掘削作業は、2018年初めには活発だったが、現在は大幅にペースダウンしている。サイト周辺の人員・車両の動きも同様である (トンネルから掘削された土壌の量は最近ではごく少ない)。
さらに、中国外報部の耿爽(グンシュアン)報道官は、4月3日の定例記者会見で、「こんな時期に足を引っ張る言動をする人が現れないように望みたい」と高知市での河野外相の発言を批判している。
米国と中国の双方からの反論に対して、河野外相は持論の根拠を示すことができず、メンツ丸つぶれの状態である。
米国の東アジア分断統治の枠組みの中で外交を発想する河野外相は、米国の意向を忖度し、自ら分断統治のエージェントとなって、米国以上に米国的な発想にとらわれていると言わざるを得ない。
(…会員ページにつづく)
米朝対立は解決不可能で合意は基本的に幻想!? 北朝鮮が非核化の意思を米国に直接伝達!片や日本外交は、いまだに、圧力一辺倒!米国の意向を忖度しすぎて米国以上に米国的になるという悲喜劇が進行中!? https://iwj.co.jp/wj/open/archives/417724 … @iwakamiyasumi
この劇の主要キャストは日本国民。観客ではいられない。
https://twitter.com/55kurosuke/status/990192671531515904