いかにして、絶望を希望に転化させるか~クロストーク「日本の真実を語る」第3回 木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身 2015.1.23

記事公開日:2015.1.23取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・平山茂樹)

特集 中東

※1月25日テキストを追加しました!

 イスラム国による、日本人2人の殺害を予告した動画が公開されてから、期限として設定された72時間が経過した。

 1月24日、23時過ぎにはイスラム国が新たな画像を公開。人質となった湯川遥菜さんが殺害されたとみられる場面の写真を、もう一人の人質・後藤健二さんが手に持っている。この画像を背景に流された音声ファイルでは、英語で「私は後藤健二だ」と名乗り、「彼らの要求はより簡単になった。金は求めていない」として、身代金ではなく、ヨルダンで収容されている自爆テロ犯Sajida al-Rishawi氏との人質交換を求めた。

 さらにこの音声ファイルでは、「安倍、お前は遥菜を殺した」と安倍総理の責任について言及。「これを私の最後の言葉にしないでほしい。私も安倍に殺させないでほしい」と訴えている。

 今回の事件が発生した背景として、なぜ、イスラム国が日本人をターゲットとしたのかという点を十分に考える必要がある。

 今回の動画が公表されたのは、安倍総理が中東を歴訪し、他でもない、イスラエルを訪問している最中だった。昨年2014年、パレスチナのガザ地区に侵攻したイスラエルに対し、安倍総理は今回の訪問で、経済分野での協力を約束。エジプトでは、イスラム国対策として、イラクやレバノンなどに、2億ドルの支援を行うと表明している。

 今回の事件を考えるに際し、改めて、この間の安倍政権の外交・安全保障政策、さらには経済政策を問い直さなければならないのではないか。木村朗・鹿児島大学教授の提案で始まり、今回1月23日、3回目を迎えたクロストーク「日本の真実を語る」では、イスラム国の話題から、衆院選の総括と民主党代表選の評価、辺野古での新基地建設と集団的自衛権行使容認、アベノミクスと消費税増税など、幅広いトピックについて、議論が行われた。

記事目次

■ハイライト

  • 出席者 川内博史氏(元衆議院議員)/木村朗氏(鹿児島大学教授)/植草一秀氏(経済評論家)/岩上安身
  • 日時 2015年1月23日(金)13:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京・港区)

イスラム国による邦人人質殺害予告事件の衝撃 日本政府はいかなる対応を取るべきか

岩上安身(以下、岩上)「本日は『日本の真実を語る』と題し、政治経済学者の植草一秀さん、元衆院議員の川内博史さん、鹿児島大学教授の木村朗さんとともに座談会をお送りします」

川内博史氏(以下、川内・敬称略)「2015年という年は、日本にとって岐路に立つ年になるのではないかと思います。イスラム国の問題について、政府は『日本はイスラム国の敵ではない』というメッセージを出していますが、これまでの安倍総理の発言と矛盾します。まずは、今まで言ってきたことが間違いだったと言うべきではないでしょうか」

植草一秀氏(以下、植草・敬称略)「非常に今、心の痛む問題が発生しています。安倍総理は昨年(2014年)9月、ニューヨークでエジプトのシシ大統領と会談し、『国際秩序全体の脅威であるイスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する』と言っています。今回、『人命を尊重する』と言っておきながら、かつて、こういう方針を打ち出していたことは、矛盾ではないでしょうか」

岩上「お話に出ましたが、まず、中東情勢を中心とした国際情勢についてお話していきたいと思います。最新状況として、麻生太郎副総理は、閣議後の会見で『テロリストには屈しない』と発言しました。また、安倍総理は、身代金支払い拒否を、英国のキャメロン首相に表明したと報じられています。

 BBCの番組で、安倍総理のスピーチライターとして知られる谷口智彦内閣官房参与が、イスラム国のメンバーが聞いているという前提で、『身代金を払わない』『(これまでは払ったが)日本は当時より立場が強くなっている』と発言しました」

木村朗氏(以下、木村・敬称略)「最初に考えるべきは、なぜ日本がイスラムの敵とされるようになったか、ということです。2001年の9.11をきっかけに、テロ特措法、イラク特措法で日本がテロとの戦いに加わったことで、日本がテロの標的になるという事態になったのではないでしょうか」

川内「他国のケースでは、イスラム国に身代金を払って、人質の解放につながったというケースがあります。しかし、日本政府は『テロには屈しない』と言うだけです。どういった外交努力をしているのか、見えてきません。日本は、当事者として、テロと戦うというのでしょうか」

植草「安倍政権は、米英に追従するということが鮮明になっています。イスラム国をはじめ、異なる価値観、異なる宗教が存在するなかで、米英を基軸とする世界秩序に追従するだけでよいのでしょうか。日本国憲法を保持する日本は、米英とは距離を置き、仲介をするというポジションが可能なのではないでしょうか」

岩上「今回の事件の経緯を簡単に振り返ります。6月29日、ISISがIS(イスラム国)として建国宣言をし、バグダディがカリフを名乗りました。7月6日、イスラエルと日本が武器を含む共同研究開発を行うことが発表されます。そういうなかで、8月16日、湯川遥菜さんが拘束されました。

 9月23日、安倍総理とエジプトのシシ大統領が会談し、『イスラム国の壊滅につながることを期待』と発言しました。年明け、中東歴訪の中で、日本とイスラエルが経済協力することで合意しました。こういう流れがあるなかで、今回の事件は起きました」

植草「イスラム国は、非常に計算し尽くして行動している印象を受けます。日本はイスラム国に対し、実質的に宣戦布告をしてきたに等しい状況です。後藤健二さんが拘束され、身代金の要求が来ていたことは、以前から日本政府は把握していたはずです。冷戦構造が消えたなかで、次の『メシのタネ』として、『テロとの戦い』というキャッチフレーズが生まれました」

岩上「イスラエル訪問には、26の企業が随行していました。この企業がどういった会社なのかということも、明らかにされなければなりませんね」

「沖縄県民は、屈服しないという思いを燃えたぎらせているのでは」

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